本当に怖い妊娠高血圧症候群。赤ちゃんを授かったら勉強しましょう。

2,526 views

妊娠高血圧症候群と言う言葉にあまり馴染みがないと思います。以前は妊娠中毒症と言う呼び方をしていました。自分には関係ないと他人事のように思っていませんか?

症状が出てから「しまった」と反省しても遅いので、赤ちゃんを授かったら必ず知識をつけておきましょう。


妊娠高血圧症候群ってどんな病気?

簡単に言うと、妊娠前の血圧が正常範囲であった方が、妊娠20週以降〜産後12週までに高血圧が認められた場合のことを言います。また、蛋白尿を伴う場合もあります。過去の妊娠中毒症はむくみも症状の1つとして挙げていましたが、正常な状態の妊婦にもむくみが見られることが多いことから、現在では項目から外されています。
ここでいう高血圧とは、最高140mmHg以上、最低90mmHg以上の血圧のことです。

32週以降に発症しやすいのですが、それ以前に発症した場合を早発型といい症状が重篤化しやすいので特に注意が必要です。

http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kouketsuatsu.html

どんな影響があるの?【母親の場合】

主な症状は血圧上昇と蛋白尿です。しかし、重篤化するとそれに加えてけいれん発作、肺・腎機能障害、肝機能障害による合併症など。また正常な位置で形成された胎盤が子宮内壁から剥がれ(常位胎盤早期剥離)、大量出血を引き起こし、子宮摘出、最悪の場合は死に至ります。
さらに、重篤な症状で病院に運ばれた場合は胎児の発育状態に関係なく、緊急帝王切開が行われます。

http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kouketsuatsu.html

どんな影響があるの?【胎児の場合】

胎児が大きくなると当然必要とする血液の量も増えます。その量は妊娠前と比べると1.5倍だというから驚きです。しかし、妊娠高血圧症候群になると血液の流れを妨げるため、胎児に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
その結果、胎児が十分に育つことができず、胎児発育不全や出産した時に体重が少ない低出生体重児になってしまいます。
脳への酸素不足がいかに恐ろしいかはご存知のことと思いますが、それが発育途中の胎児に起こります。脳機能障害を引き起こし、それに起因する運動機能障害も発症します。また、上述した常位胎盤早期剥離が起こると栄養、酸素共に補給されないため、対応が遅ければ最悪の場合、胎児が死亡します。

予防するには?

妊娠高血圧症候群が起こるメカニズムははっきりと分かっていないため、「こうすれば良い!」と断定するのは難しいようです。しかし、食事やストレスが影響すると考えられていますので、以下の基本的な事を心がけてみてください。
・間食を控える
・糖分、塩分、高カロリーなものは避ける
・良質な蛋白質を摂る(大豆、魚、乳製品など)
・睡眠、休養を取る
・適度な運動、マッサージを行う

最後に

ここまでで妊娠高血圧症候群の恐ろしさをご理解いただけたでしょうか?
自分の体と胎児を守るため、強い意志を持って予防に努めましょう。また、もし妊娠高血圧症候群にかかってしまった場合は、妊婦健診の日でなくても早急に医師に相談してください。早期発見、対処が最も大切なのです。

こんな記事も読まれています