結婚披露宴でのスピーチ・花嫁の手紙に、具体的なエピソードを盛り込むのは、とても効果的。例文どおりではない、あなただけの素敵なスピーチになるでしょう。けれど、幅広い年齢層の、親戚・上司・友人など、新郎新婦との関係性も多様なゲストの耳に入るということを踏まえ、エピソードの選定は慎重に!
出生時のエピソード
まずは、花嫁の手紙で、特に気をつけたいエピソードから。
それは、花嫁さんの出生時のエピソード。具体的には、難産だった、遅くできた子だったなどというおはなし。これはご両親の当時のご苦労を労う文脈で自然に登場しがちな、特に珍しいエピソードではないのですが…。とってもデリケートな話題なのです。
今後、ご自分たちがお子様を授かった際に、予期せぬことが起こらないとは言い切れませんよね。そんな時、「そういえば親御さんもご苦労なさったと花嫁の手紙で言っていたわ。きっと体質が似てるのかも。」などと、前例として引用されかねません。
幼少期の健康上のこと
出生時のエピソードと同じ理由で、注意が必要なのが、子供のころの疾患に関するおはなしです。
新郎新婦さん、あなたたちのベビーちゃんは、ご両親にとっては目に入れても痛くないくらいかわいいお孫さんです。
かわいい孫の身になにかあった時、ありもしない原因を無理にでも見つけて、「そういえば、うちのお嫁さんも、子供のころから病弱だったらしいわ。」などと、やり場のない気持ちを慰めようとするおじいちゃんおばあちゃんも、いないとは言い切れません。
ですから、あえて披露宴で紹介するのは、避けたいところです。
思春期・反抗期の具体例
だれしも思春期には親に反発するものですよね。この機会に謝りたい気持ちも分かります。けれど、それを具体的に、披露宴の場で披露するのは避けたいところ。
言い方のキツイ発言や、やんちゃしていた過去を引用して、あなた自身に負のイメージがついてしまうのを防ぐためです。できるだけやんわり書きましょう。
たとえば、「あの時は『お母さんなんて大嫌い』などと言ってしまい、ごめんなさい。」と、書きたいとします。そんなケースでは、「あの時はお母さんに素直になれず、ひどい言葉を投げつけて、傷つけてしまってごめんなさい。」こんな風に、具体的な発言はカットします。そして、言われた方の気持ちを斟酌した表現に変えましょう。
暴露系エピソード
こちらは友人スピーチで失敗しがちなポイント。わざと暴露しようなどという方はいらっしゃらないでしょうけれど…。予期せず新郎新婦の秘密をばらしまうことがあります。これは、筆者がゲストとして参加した結婚式で目にしたことなのですが…。
「新郎新婦は、交際中にふたりでグァム旅行に行っっていましたね、その幸せそうな姿をみているこちらまで幸せにしてもらいました。」といったエピソード。
おふたりが、会社関係者やご両親に、ご旅行に行かれることをどのように話していたのかによっては、披露宴の席で図らずも暴露話をしてしまったことになります!
有給の申請で、上司には遠方に住む親戚の法事と言っていたり。ご家族には同性の友人との旅行と説明していたり。そんなケースもありますよ。
有人代表スピーチの際には、いろいろな立場のゲストさんの前だという自覚が必要です。特に、嫁姑問題の火種になりかねない話題には注意が必要です。
素敵なスピーチにするために
以上のように、結婚式でのスピーチ・花嫁の手紙には、紹介するのにふさわしくないエピソードがあると考えられます。
忌み言葉を避けるですとか、あまり長いスピーチにしない、ということ以上に、配慮が必要なことかもしれませんよ。
必要なのは「聞いた方はどう思うかな?これは皆で共有したい話題といえるかな?」ということを、落ち着いて確認することです。できれば、原稿は余裕を持って仕上げ、信頼できる誰かにチェックしてもらいましょう。