昔より発達障害と診断されている子どもが多くなったように感じます。
それは、ただそういった子どもが増えたからというわけではなく、「困っている子ども」を少しでも多く見つけることができるようになっただけです。
もし、わが子が発達障害と診断されたとして。
とても不安になると思います。
少しでも前を向くことができたとき、実践してみてほしいことがあります。
もちろん、発達障害といってもいろいろなタイプがありますし、みんなに有効というわけではありません。
子どもと自分が少しでも生きやすくなるため。ちょっと工夫してみませんか?
スモールステップの積み重ねで、成功体験を
発達障害の子どもたちは、どうしても自己肯定感が低くなりがちです。
定型発達の、同じくらいの子どもたちがなんなくクリアしているのを見ると、親としても「どうしてできなんだろう」と焦って、同じ目標を定めていきがちです。
いきなり、その子にとって大きな目標が目の前にドーンと立ちはだかると、どうしても不安が大きくなってしまいます。
なので、大きな目標をいきなり掲げるのではなく、それをいくつかに区切って体験させてみてください。
例えば、平均台を歩くのに4分の1ずつ歩かせて、少しずつクリアさせていって、最後に全て歩けたという成功体験を持たせるというものです。
これは定型発達の子どもたちにも有効なものだと思います。
できるだけ肯定的な言葉かけをする
子どもをしかる時、注意する時に、どうしても否定的な言葉を遣いがちです。
発達障害の子どもには否定的な言葉を理解しづらかったりします。
例えば走ってはいけないところで、「走ったらだめ」というのではなく、「歩きます」などの肯定的で短い言葉で伝えます。
自分自身も否定的な言葉を口にするより、肯定的な言葉を口にしたほうが余裕がうまれますし、そのあとに子どもを褒めることもできるようになります。
子どもの近くで指示を出す
キッチンで食事の支度をしていて、少し離れたリビングで遊んでいる子どもに、ごはん前に片づけて欲しい時。
あなたならどうやって伝えますか?
多くの人は、その場から離れた子どもに大きい声で用件を伝えると思います。
発達障害の子どもたちは、指示がすっと通りにくかったりします。
何度も伝えているのに、まるで耳栓をしているかのような状態の時もあります。
指示を出すとき、忙しいですが、近くまで寄って伝えるように
してみてください。
事前に情報を伝えておく
発達障害の子どもたちは、見通しがつかないことにとても不安になることがあります。
いつもと違う場所、いつもと違う行動、そういったことが不安要素になりえるのです。
あらかじめいつもと違うことをするとわかっているとき、スムーズに動いてほしいとき、事前に何度も口に出して予習させてあげてください。
「今日はこれから●●にいって、■■をして、▲▲で帰るよ」などといった感じで大丈夫です。
これは何度か繰り返して伝えると、より効果的です。
気がきかないようになって、言葉を引き出す
人間関係では、気を遣うことや気が利くことが潤滑油になったりして、とても重要です。
でも、子どもに対してなんでも先回りしてやってあげたりすると、せっかくの言葉を引き出すチャンスを奪ってしまっていることになります。
例えば、子どもが高いところにあるものを取ってほしがっていたとして、いつもならスッと取って渡してあげていたところを、わからないふりをして「どうしたの?」「どうしてほしいの?」と言ってみてください。
言葉がまだの子も、ジェスチャーなどで取ってほしいことをアピールするようになると思います。
日常生活の中で、言葉などを引き出すチャンスはたくさんありますよ。
いかがでしたか?
実は筆者の長男が高機能自閉症です。
いろいろと悩んだこともあったし、苦しんだこともありました。
診断されて1年経過した今でもやっぱり悩むこともあります。
それでも息子はすごく成長したし、立派になってきました。
発達障害と診断されたことで、子どもへの困ったことが対処しやすくなったと思います。
子ども自身も困っていたことを理解してもらえるようになったということです。
色々な方法で療育などができますが、まずはお母さんから子どもへの接し方に工夫をしてみてください。
きっと何らかの変化がみられるはずです。