第一子を必死に育て、この子に兄弟がいたらいいなと思われることもあるでしょう。
ご家族にとってまた新しい命を迎えることは、この上ない喜びとなると思います。
しかし、赤ちゃん返りに手を焼いたり、赤ちゃん優先で我慢させてしまうのではないかと心配になったり。
親も子も不安や戸惑いを持つことは当然だと思います。
そんなママさんとお子さんに贈りたい絵本をご紹介します。
おはなしの中での体験が少しでもお役に立てばと願っています。
リサのいもうと
ブロンズ新社 2001年
文 アン・グッドマン
絵 ゲオルグ・ハレンスレーベン
訳 石津ちひろ
有名なリサとガスパールシリーズの絵本です。
リサは既に上にお姉ちゃんがいて今回妹がうまれるのですが、本当にハラハラドキドキするほど感情表現がストレート!
幼児くらいの年齢のお子さんだったら、「えーそんなこと言っていいの~?」なんてゲラゲラと笑ってしまうことでしょう!
冒頭から文句たれているし赤ちゃんへの嫉妬も隠さないのですが、それもまたお母さんへの愛情の裏返しとなると涙がにじみました。
「赤ちゃんはかわいい」ことは本能でわかるのだと思いますが、感情が全然追いつかないのですよね。
ブラックな気持ちをリサが大いに代弁してくれるので、気が楽になる絵本です。
最後は素直なリサらしく、素敵な姿を見せてくれます。
ねえだっこして
金の星社 2004年
文 竹下文子
絵 田中清代
この絵本はネコちゃんが主人公です。
心地よくて大好きなお母さんのまなざし、膝の上、突然小さな赤ちゃんに取られてしまいます。
物を言わないネコだからこその切なさ。
「もしかしたら上の子もこういう風に感じているのかな?感じさせてしまうのかな?」「私もそうだった…」と胸が苦しくなってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そのときの心の動きやポロリと流した涙を忘れずにいたら大丈夫です、きっと!
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あかちゃんがやってきた
福音館書店 2009年
作 角野栄子
絵 はたこうしろう
かわいらしく明るいおはなしの絵本です。
男の子に、お母さんがこっそり「赤ちゃんがうまれること」をささやきます。
でもすぐはうまれなくて、だんだんお母さんのお腹が大きくなって、赤ちゃんのグッズをたっぷり買いに行って、おばあちゃんが様子を見にきて…
病院にお父さんと一緒に行くと、お母さんと赤ちゃんに会えました。
まだ想像もつかない赤ちゃんへ思いを巡らせたり、ママだけで病院に行くけれどあとで会えるよ!と不安を軽減させたり、上のお子さんを預けてご出産される方に最適な1冊だと思います。
最後には読者にびっくりのサプライズが!
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おへそのあな
BL出版 2006年
長谷川義史
おなかの中にいる赤ちゃんがおへそから外をのぞいている!?
赤ちゃん当人が主人公のおはなしです。
おへそのあなから見ているし聞いているし匂いも感じられる赤ちゃん。
みんなに待ち望まれ、大きな愛に包まれてうまれる赤ちゃん。
ポップなタッチの絵で、味があって本当に愛おしくなります。
「○○の声も聞こえているんじゃない?」なんて話を子どもにすると、嬉々としてお話してくれる日もあれば、「え~いいよ~」と拒否する日も様々ありましたが、お腹の中に命が存在しているという未知の世界を感じてくれたようです。
そして何より、○○(上の子)もこうやって温かく迎えられたんだよ。
おじいちゃんおばあちゃんもママのお友達もみんなあなたに会いにきてくれて、誕生を喜んでくれたんだよ。
赤ちゃんがうまれてもあなたもかけがえのない大事な子だよ、というメッセージが伝わればいいなと思います。
あなたがとってもかわいい
金の星社 2008年
みやにしたつや
こちらも、お兄ちゃんお姉ちゃんもとってもかわいい赤ちゃんだったんだよ。
あなたもこうやってかわいがられてきたんだよ。というメッセージを伝えたくて購入したのを覚えています。
母親自身も赤ちゃんの世話に追われる日々で、自分のこともままなりません。
どうしても上の子まで目が行き届かないことがあるでしょう。
自分の二人目育児を思い出しても記憶がないほど、本当に心身ともに忙しい日々でした。
上の子へ愛情をかけてやれなかった罪悪感が今でもたっぷりありますが、自分も癒されるためにこの本をたまに読み返しています。