赤ちゃんが順を追って言葉を獲得していくために重要な指さしについて

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言葉の発達の前の段階の、指さしが重要だということはあまり知られてはいないようです。今回は赤ちゃんの指さしがどのように発達していくか、説明します。ただ、このトピックはあくまで目安であり、発達の早い子、遅い子がいるのであまり神経質にならないほうがよいでしょう。



赤ちゃんが順を追って言葉を獲得していくために重要な指さしについて

言葉の発達の前の段階の、指さしが重要だということはあまり知られてはいないようです。今回は赤ちゃんの指さしがどのように発達していくか、説明します。ただ、このトピックはあくまで目安であり、発達の早い子、遅い子がいるのであまり神経質にならないほうがよいでしょう。

指さしの2項関係

0歳9か月~10か月になると、「○○があるね」と、親が指さした方向を見ます。これが指さしのはじまりです。0歳11か月になると、見つけたものを「あっあっ」と言いながら指さします。これが指さしの2項関係のはじまりです。1歳0か月になると、自分の欲しいものをしきりに指さします。2項関係ができることによって、何かを見つけて興味を覚えたということがわかるでしょう。

指さしの3項関係

1歳0か月から1歳6か月ほどになると、自分の見つけたものをしきりに指さししながら母親の方を振り返ります。これが指さしの3項関係の始まりです。そして1歳6か月以降になると、「○○はどれ?」と聞かれ、指さしして教えてくれるようになります。また、自分の好きなもの、欲しいものをしきりに指さししながら母親の方を振り返り、取ってほしいと伝えることもできるようになります。この三項関係が自分の中にある要求などを人に伝えようとする言葉の土台となるのです。

単語の獲得~2語文への発達

1歳を過ぎるころから、喃語からだんだんと単語を話すようになっていきます。1歳半検診では、4語から5語ほどしゃべることが出来ればよいとされていますが、著者の知人の子供のように、単語数が足りていても、言葉の理解の遅れなどがある場合もあるので、発達については保健センターのスタッフなど、プロに任せた方がよいでしょう。

2歳を過ぎるころから、2語文がはじまるようです。2歳0か月で200語に到達するころになると「わんわん、来た」「ごはん、食べる」など、言葉を2つ並べて話すようになります。2歳6か月になると、単語が400語に到達し、2語文のレパートリーも増え、まんべんなく2語文が操れるようになるようです。

環境的要因(テレビをつけっぱなしにしないでください)

家にいるときに、親がテレビをつけっぱなしにすることから、指さしの発達が見られない子供が増えています。テレビは様々な色が映し出され、魅力的な映像と音で子供を魅了します。テレビがつけっぱなしの環境のせいで、生後に獲得すべきコミュニケーションの能力を親と子供との間で身につけることが難しくなっているケースが最近ではとても多いようです。著者の知人の子供は、テレビをつけっぱなしにしていたことから、1歳半検診のころには親が指さしした方向を見ることもありませんでした。しかし、テレビを見る時間を制限した頃から指さしがほかの子供に追いついてくるとともに、言葉も発達し始め、2歳半にはうるさいくらいしゃべるようになりました。

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