初めてのママ友は構えずにいこう

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これからママになる女性、そして、ママになったばかりの女性。今までの自分がいた世界とは大きく異なる、「子育て」という世界に属するようになったとき、「ママ友」という響きに漠然とした不安を持っている方も少なくないようです。そもそも、「ママ友」とは何なのでしょうか。ママの世界ってやっかいなのでしょうか。子どもの赤ちゃん期にママが体験する「初めてのママ友」をテーマに考えてみたいと思います。



ママ友ってどういう存在?

「子どもを持つ不安」をテーマにしたネット上の掲示板などで、「ママ友ができるか不安」「ママ友付き合いが面倒くさそう」といった話題を見かけることがあります。ママになる前の女性にも、「ママ友」という存在への関心は小さくないようです。そもそも、「ママ友」とはどういった存在でしょうか。

振り返ってみると、自分がそれまで「友だち」になってきたのはどのような人たちでしょうか。幼少期や学校に通っている頃だったら、近所の子、同じ園や学校に通う子、自然と気が合ってよく遊ぶ子、習い事や部活を通して苦楽を共にしている仲間など。「社会に出たら真の友達ってできにくいよね」と思うのは必然の流れ。職場の同期などで大切な仲間ができることもあるでしょうが、仕事を通した関係には、多かれ少なかれ、色々な思惑も絡むもの。大切な仕事仲間がいても、学生時代からの仲間と会うとホッとしたり……。

そして、「子どもを通したママどうしの付き合い」ととらえた関係では、中心にあるのは、自分とは別の存在である「子ども」です。自分そのものを通したつながりではない関係で、価値観の違いを感じたり、居心地の悪さを感じたりすることもあるかもしれません。「子どもを通したつながり」という状況から多少なりとも生まれる緊張感も、影響を与えているのかもしれません。

「ママ友」が気になるのはなぜ?

そもそも、ママ友という響きに不安を覚える背景には、「ママ友を作った方がいいのかな」「ママどうし、うまく付き合わなきゃ」という思いがありますよね。なぜ、「ママ友」が気になるのでしょうか。

初めての赤ちゃんが生まれると、月齢が同じくらいの赤ちゃんの情報を得たいと思うようになります。健診や親子の集いの場などで近い月齢の赤ちゃんがたくさん集う場に行くと、今後も情報交換が続けられたらいいなあと思うこともあるでしょう。妊娠中の母親学級や、産後のお母さんや赤ちゃんが集う場で、スムーズに友達を作り、その後もお付き合いが続いているケースを見ると、うらやましく思ってしまうものです。

赤ちゃん期にママ友は絶対必要?

以前よく聞かれた「公園デビュー」という言葉は、最近は死語になりつつあるのでしょうか。子育てを通した交流サイトなどでの情報交換も活発になり、最近では各地で、公共施設での親子の集いの場や、自主サークルも増えてきています。そういった場が公園に代わって、子どもを通した交流の場の主役になってきているようです。

確かに、親子が集う場で、同じ空間にいる赤ちゃんどうしが刺激を受け合い、今までできそうでできなかった寝返りができるようになったり、親が人見知りだと感じていた赤ちゃんが、お母さん以外の大人に表情豊かに働きかけたりするなどの様子もよく見られます。そういった光景を目の前にするのは親も嬉しいものですね。しかし、そのような場に出かける機会がなくても、赤ちゃんの成長に全く問題がないことも事実です。集いの場に出かけて、かえってお母さんが気疲れしてしまうようだったら、赤ちゃんにもプラスには働かないですし、無理に出かける必要もありません。試しに単発で出かけられる場にちょっと顔を出してみて、お母さん自身が楽しいと思えるかどうか。その気持ちを大切にし、無理をしないでほしいなと思います。

ママ友をめぐる悩みに正解はない

一方で、ママどうしの付き合いが続いたり、その輪が広がってきたりした際に、出てくる悩みもあるようです。

「子連れランチによく誘ってもらって嬉しいけれど、お財布との兼ね合いが……」「ぐずりがちな我が子を連れて外食に行くのは気が重いけど、断ったら感じ悪いかな」「まだ知り合ってそう長くもないのに、子どもや自分のことを通り越して、夫の仕事のことなどを聞かれると構えてしまう」「車の相乗りって今まで経験がなくて不安だけど、車がない友達を乗せてあげなければ冷たく思われてしまうだろうか」などのお話を耳にすることもあります。今まで想定しなかったような状況に、ただでさえ赤ちゃんのお世話であまり余裕がない状態の心が敏感に反応し、「上手に対応しなければ気まずくなったりするのかな?!」と思ってしまうこともあるでしょう。

そういったことに対する「正解」はありません。「自分がどうしたいか」が一番大切な部分。自分の中で「ここは参加したい」「こういった場合は遠慮しよう」「不安な部分は自分でラインを引こう」という基準をしっかり持つことができれば、それが、お母さんにとってもお子さんにとっても好ましい状況なのではないかと思います。

大切なのは「ママ友」にこだわりすぎないこと

どうしても赤ちゃんのことが優先になる時期には、あえて、自分の好きなこと、自分がリフレッシュできる場について考えてみてはどうでしょうか。赤ちゃんのいる母親対象に、母親自身が身体を動かしたり、自分が好きなことを体験したり学んだりできる、子連れOKや託児付きの場。自分のやりたいことで選んだ場で、結果的に小さな子がいる母親どうしで知り合えたという場合の方が、親どうしの心の距離があっという間に縮まることもあるようです。

保育園生活を送るようになった場合には、毎日の付き合いが濃くないため、あまり「ママ友」ということに気を遣うことは多くないようです。一方で、子どもが幼稚園に通うようになると、園行事を始めとする濃い交流が生まれます。そこから楽しいママ友付き合いが広がるケースもあれば、いま一つなじめないと思っても全くかかわらないわけにはいかず負担に感じてしまうケースもあるかもしれません。しかし、後者の場合でも、それ以前に、「自分」を通したつながりを持つことができていれば、気楽に構えられるのではないでしょうか。

気楽に構えることができたら、ママ友に関する不安は大方解決できたようなものです。子どもという存在を通したつながりは、価値観や生活スタイルも様々なたくさんの人に出会う貴重な機会でもあるととらえることもできます。また、たまたまママとして出会った人たちから、多様なキャリアや趣味を聞いて楽しい刺激を受けることもあります。

人と人がつながるのには、いくつかの要素が存在します。「ママ」だけでつながるのではなく、つながった1つの要素が「ママどうし」だった、という関係もできていくと楽しいですね!

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