女の子は、最も身近である母親に対して、「愛されたい」「受け入れてもらいたい」と、強く願っています。まだ子どもが幼いお母さんには少し先のことになりますが、思春期以降の母娘の関係について、母娘の絆を深めるために普段から心がけておきたい5つのことをお伝えします。
お母さんの「期待のかけずぎ」が女の子をつぶす
子どもに期待をかけるのは悪いことではありません。期待されないのも子どもにとっては辛いことです。しかし、子どもは親がわざわざ強い期待をかけなくても、「親の期待に応えたい、親を喜ばせたい」と思っているものです。だからこそ、親が期待をかけすぎてしまうと、子どもにとっては成長どころか、かえってプレッシャーになってしまいます。
子どもに必要なのは、期待ではなく応援することです。
「お母さんを裏切ってもいいんだよ。期待に応え過ぎなくってもいいんだよ。」
この言葉一つで、女の子の方に重くのしかかったプレッシャーを軽くしてあげることができます。
母親は娘を「自分の一部」と思いがちなもの
「自分がしてもらえなかったことを娘にしてやりたい」と思うお母さんは多いのではないでしょうか。このように、母親は自分の親、特に母親にしてもらえなかったことを、娘にしてあげたいと考えがちです。
しかし、自分が手に入れられなかったものを与えてやるのが、子どものためになるとは限りません。子どもは母親とは別の人格です。子どもによって、必要とするものはそれぞれ異なります。
親がすべき努力は、「その子が自分でしたいと思って頑張るのを支えること」で、「自分がしてもらえなかったことを与えてやること」ではありません。
「母親の期待に応えたい」と思う娘にとって、母親の思いは重荷以外の何物でもありません。娘のためを思うのなら、かなえられなかった自分の願望ではなく、娘自信が望んでいるものは何かを考えるべきです。
母親がすべきことは、ありのままの娘を応援し、支え、見守ってあげることです。
「理想の母親像」にとらわれなくていい
子どもが思春期に入り始めると、お母さんは我が子のさまざまな心の変化についていけず、イライラした毎日を送ってしまいます。
娘の気持ちを理解してあげたいとは思うけれど、心配が先に出てしまって、大らかにも寛大にもなれない。
大らかで心が広くて、何があっても動じないのがいい母親。母親たるもの、怒ったり騒いだりせず、子どもを温かく見守ってやらなくてはいけない。
頭では分かっているのに、どうしてもそんないい母親にはなれない。と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、思春期の子どもは、親の手を離れてどんどん成長していくものです。いちいち心配していたら、お母さんの身が持ちません。だから、ちょっとだけ力を抜いてみてもいいのです。
子どもの安全を守るための、最低限のルールはきちんと決める必要はありますが、少しだけ子どもの気持ちを理解して、信じて少し冒険させてあげてもいいのです。
お母さん自身の「イライラやカリカリ」との上手な付き合い方
子育てがうまくいかないと、誰手もイライラするものです。自己嫌悪に陥ったり、自分を情けなく感じたりすることも少なくないはずです。
子どもの思わぬ行動に、落ち着きを失って騒いでしまう。自立しつつある子どもに、ハラハラと心配ばかりしてしまう。子育てとは、親自身がそんな風に揺れながら、子どもの成長を見守っていくプロセスなのかもしれません。
特に女の子の場合、小学生くらいまでは育てやすいので、思春期になって突然訪れる出来事に、戸惑う親も多いのです。
イライラしてしまうことも多くなるので、そのイライラやストレスを子どもにぶつけてしまわないように、吐き出してしまう必要があります。
その具体的は方法としては、
・ぬいぐるみを用意して、パンチ!する
・「ワーッ」と大きな声を出してから、紙をちぎる
・一人でカラオケに行って、30分で5曲くらい歌いまくる
などはいかがでしょうか。
そして、子どもがイライラ、カリカリしているときにも、子どもと一緒にやってみるのをおすすめします。思いっきりストレスを発散させてあげましょう。
「上から目線」をやめて「同じ目線」になる
『関係が悪くなった場所で、関係は改善しない。』これは、心理学の基本的な法則です。大切な話をするときには、いつもと場所を変えるのは、非常に有効な方法です。
さらに、思春期の子どもと話をするには、「言って聞かせてやる」という「上から目線」を改めて、子どもと同じ「同じ目線」に立って、子どもを尊重する態度を示すことが大切です。
大切な話は、子どもとおいしいものを食べながら、具体的にお願い口調で話をするのが一番です。
親が子どもにへりくだって下手に出れば、子どもをますますつけあがらせるだけだと思う人もいるかもしれません。しかし、思春期の子どもが親の言うことを聞き入れたがらないのは、親のそうした「上から目線」を嫌うからです。
思春期の子どもは、「自分の気持ちを尊重してほしい」「命令するのはやめてほしい」という気持ちが強いので、子どもに「これまでのような上から目線はやめて、あなたの気持ちを理解するつもりだよ」という親の姿勢を伝えることは大きな意味があります。