「子どもは才能より環境である」という言葉があります。育った環境によって、才能を引き出すこともできれば、才能を埋もれさせてしまうこともあります。しかし、中にはいくら環境を整えても「育てにくい」と感じる子がいますし、反対に、何もしなくても素直で「育てやすい」子もいます。これは、お母さんの育て方に問題があるわけではなくて、子どもに生まれ持って備わっている気質が影響しています。
育て方が悪かったのかしら?と悩んでいるお母さんに、ここでは子どもの5つの気質について説明します。子どもの気質を理解して、接し方を変えたら、子育てがうんと楽になるかもしれません。
エンジェルタイプ
すやすやと眠って過ごす。知らない人にでも寄っていき、笑ったりする。新しい環境でも次第に慣れて、楽しく遊ぶ。1日中ニコニコ笑っている。モービルなどを飽きずに眺め、じゃれる。おむつがぬれていてもあまり気にしない。
これらに多くあてはまる子どもは、「エンジェルタイプ」です。
抱っこするとじっとママの顔を見つめてまるで天使のよう。ママになれた幸せを実感させてくれる子どもです。誰にでも愛想がよく、穏やかでニコニコしているので周囲からも可愛がられます。誰とでも仲良くでき、お友だちともたくさん遊びます。自己主張はそれほど強くありませんが、周りの状況を把握する力があります。
テキストタイプ
決まった時間に食事をし、決まった時間に眠る。人を話をよく聞き、穏やかにしている。知らない人でも、次第になじんでいく。おもちゃを与えると手を伸ばしたり、微笑んだりする。おむつ替えや着替えにも素直に応じる。言葉を話したり、歩きだしたりするのが早い。
これらに多く当てはまる子どもは「テキストタイプ」です。
しっかり眠り、規則的におっぱいを飲むなど育児本通りにうまく成長していくタイプです。言語の発達も早く、理解力が高いので、集中すると能力を発揮します。一方、理屈っぽく行動力がない一面もあります。家庭内ではわがままだったり頑固な一面も見られます。緊張しやすくやや感情の起伏があるので、正しい自己評価力を身につけられるよう、できるだけ自己主張を受け入れてあげましょう。
アクティブタイプ
絶えず活発に動き回る。毎朝違った時間に起き、食事時間もバラバラである。新しいおもちゃや食べ物によっていき、手を伸ばしたりする。おむつ替えや着替えを嫌がり、暴れてじっとしていない。父親に遊んでもらうと、声高に笑う。あやされると空腹を忘れ、おもちゃを持たされると着替えの煩わしさを忘れる。
これらに多く当てはまる子どもは、「アクティブタイプ」です。
いつも大声をあげて泣き叫んだり、きょろきょろと周りに関心を持ったり、手足をばたつかせたりします。なかなか寝てくれません。比較的運動機能の発達は早めで、なんでも好奇心を持ち、歩き始めたら目が離せません。天真爛漫で子どもらしく、行動派で言葉の発達が遅めの場合もあります。元気に遊びますが、自我が強いのでお友だちとのけんかも絶えません。たくさん話しかけて、繰り返し集中できる活動を、たくさん与えてあげましょう。
デリケートタイプ
新しいおもちゃや食べ物は拒否したり、遠ざけたりする。知らない人やベビーシッターに慣れるのに、時間がかかる。新しい環境にはなかなか慣れず、母親のそばを離れない。空腹時もすすり泣く程度で、反応が静かである。光や音に敏感で、繊細な味の違いなどにも気が付く。衣服や手足に何かがぶつかったり、引っかかったりしても騒ぐことはない。
これらに多く当てはまる子どもは、「デリケートタイプ」です。
小さな音にも敏感で、驚いたり泣いたりするため、寝かしつけるのに苦労します。感受性が強く、母親の感情を敏感に察します。安心できる環境づくりができるようにしましょう。自然の草花、美しい音楽、色使いのきれいな絵本などに興味を示し、好きなことへの集中力はある一方、人見知りが激しく、新しい環境になじむのに時間がかかります。親しい友だちとは楽しく遊べますが、新しい先生やお友だちと仲良くなるのに時間がかかります。
ネガティブタイプ
新しいおもちゃや食べ物は嫌がり、騒ぎ立てる。知らない人やベビーシッターになれず、大声で泣く。おむつを替えようとすると、怒って泣き叫ぶ。揺すられて、あやされても泣き叫ぶ。おしゃぶりをすぐに吐き出す。食事中も泣いたり、着替えが終わるまで泣き続けたりする。
これらに多くあてはまる子どもは、「ネガティブタイプ」です。
おっぱいを飲むときも怒りながら飲んだり、眠るときもぐすりながら寝ることが多く、駄々をこねては親を困らせます。感情のコントロールがカギになるので、たっぷりとスキンシップを取ることが大切です。イヤイヤは不安の表れです。十分に話を聞いてあげましょう。責任を与え自立を促すと、能力を発揮できるかもしれません。