シングルマザーという言葉は今でこそ浸透してきたが、中身や実態を理解している人はごくわずかで、まだまだ日本国内には偏見がある。離婚等で両親が別々の住まいになった場合で、まだ子供が幼い場合は大抵は母親の元で過ごす事となる。大人になって「私は母親だけに育てられた」と言った場合、いけない事を聞いてしまったような顔をする人もいる。そんな偏見や片親だけで育った子供は不幸なのかについて知ってもらいたい。
1人で子供を育てると決めてからの事。
子供をどちらか片親だけで育てるという事は大変な事が多い。夫(妻)がいる状況で数日間一人で育児をするのとは訳が違う。まず絶対に必要なものは子供を育てていく為のお金の問題。片親になったら必然的に収入は自分の収入がメインとなる。ただ早急に別居や離婚をする事が必要になってからでもまずは冷静に。仮に仕事を確保出来ていない状態で離婚に踏み切った場合でも、子育てをスタートする事は出来る。1人になったからと言っても子供への愛情は変わらない!その気持ちがあれば何だって出来る。弱気な気持ちや不安な精神状況で親がいると子供はそれを感じ取ってしまう。乳児、幼児、児童など、子供の年齢に応じて対応はそれぞれ違うが1番重要なのは毅然とした母親(父親)でいる事。親も人間だから精神的に1人になればエネルギーも使い果てこれから先、1人で本当に大丈夫だろうか、など心配や不安が膨れ上がってくる時はある。ただ1人で育てる!と決めた瞬間から大事な事は、親も辛いがそれまでと変わらず子供に愛情を込めて接してあげてほしい。子供が笑顔でいてくれれば親が辛くても元気ももらえるから。
離婚をしてから子供を育てていくという事。
1人親になるには人によって理由は様々だと思う。未婚母、死別、離婚、別居など。ここでは「離婚」をして1人親になった場合に注意してほしい事を一緒に考えてほしい。まず、離婚した際の子供の年齢で親から子への対応は変える必要は殆ど無い。どの年齢に子供がなっても親と子供は、お互いに選んで出会った存在では無いという事。子供の立場になって考える事が大事だ。離婚の場合、別の場所での生活が始まるだけで片親のもう一方の片親の存在があるはずだ。一緒に暮らしている親は、どうしても無意識に元夫婦だった相手の事を悪く口に出してしまいがちだ。子供の体の半分にはその片親の血も流れているという事を絶対に忘れてはいけない。幼い間は、一緒に暮らしている親がいなかったら一人で生きていけない事を子供は理解している。だから片親の言葉に反論をする事はまず無い。
ただ、時を経て小学生の中盤くらいになってくると、片方の親の悪口を言うと夫婦は他人だが、子供にとっては両親あっての自分の存在。一緒に暮らしている親が悪口ばかり言っていると、信頼心がなくなってくる。どんなにひどい目にあって離婚をし子供と暮らしだしたとしても、離婚した片親の悪口を子供に言ってはいけない。子供はいずれ成長して、自分の両親はなぜ離婚したのだろう?と考え理解出来る日がくる。「悪口も言わずに一生懸命自分を育ててくれたのか」といずれ思ってくれるような日が必ずくる。子供の体には両親の血が流れているという事を決して忘れないで育ててあげる事。子供は親をしっかり観察している。親本人が気づいていない事でも子供は見ている。その事を忘れず子供の事をしっかり観て共に成長していく事が、離婚をして最善だったと振り返れる日が訪れる。
手のかからない良い子には注意が必要。
片親で育てるという事は仕事、家事、育児と自分の趣味も出来るか出来ないか?という程、忙しくストレスも多い。そういう親を毎日近くで観ている子供は成長と共に少し背伸びをしてしまう子供さんがいます。本当はもっと話をしたい、ベタベタとくっつきたい、本を読んで欲しい、今日あった事をいっぱい聞いてほしいなど、子供なりに心の中での思いがある時でも自分のママは忙しそうとわかっています。学校(保育園)が終わり家へ戻る。急いで食事をする、宿題をする、TVを見るお風呂へ入る、気づけば「寝る時間よ」と言われる家庭は多いのではないだろうか?どんなにお母さん(お父さん)が仕事で疲れてストレスだらけでも
1日に30分でも10分でも構いません。子供さんに、「今日何かあった?」という問いつめでは無く、子供さんの方から話しやすいような場の空気を作ってあげましょう。話をしてくれた時には子供の会話にダメ出しは禁物です。勿論、命に関わるような危険な事があった時にはしっかり伝えなくてはいけません。それ以外は、子供には子供達の世界があります。会話に使う時間よりも中身が大事です。大人から見れば小さな世界です。でも子供がもしも、幼稚園、小学校で、いじめにあっているとしたら?子供が親に言いやすい環境というのは、突然作れるものではありません。乳児の時から初めておいても遅くありません。子供は、親の顔色を観ています。親の状況を伺っています。自分の為に忙しく疲れている顔やイライラしている雰囲気であればもしもイジメにあっていたとしても、勉強について悩んでいたとしても、その日あった事で不思議な事があったとしても、親には言えないまま自分で完結してしまいがちです。特に手のかからない育てやすい子供で、親から見て良い子であれば尚更です。子供の出しているサインを見逃してはいけません。「忙しかったから子供の様子、状況がわからなかった。」これは、親の「言い訳」です。
成長過程において、親にしっかり甘える事が出来なかった子供は、成人してから何らかの問題が生じる事が多いとされています。どこかの時点で精神年齢がストップしてしまったような状況です。でも成人していれば誰かに甘えるという事は出来ず、社会に出てから自信をなくしたり、喪失感を持っていたり、何か悪い事が起きると他人の責任にしたりと責任転化をする事に慣れてしまう人間になりかねません。
大人社会には、想像以上に多いのが、鬱状態の症状を持った方々です。幼少期、児童期、思春期、そのくらい迄の間に、親の思いや期待を一心に背負ってきた子供が背伸びをして成長した時、「親が〜〜だったから、私は今もその影響で、◯◯だ」という現象が多いのです。これは、自分の子供が社会へ出た時、一緒について歩きまわり「私の子供は本当は良い子なんです」と言い続ける事は出来ない事に気づかず子育てをしてしまった親へのしっぺ返しでもあります。
ただ、子供は自分の親の事をどうしても好きになれなくても自分の親である事に間違いは無いという事だけは認める他以外ないのです。他人の責任にしたり、親の責任にして成長してしまったら、まわりまわって親は子供を案じながら死へ旅立たなくてはいけなくなるという事です。幼い時にわがままを言ったり、反抗してきたら、それは私に甘えているのだとまずは、受け止めてあげて下さい。落ち着かせてから、こういうわがままはどうしていけないのかをしっかりと子供の目線まで降りて伝える事で子供は地に足をつけ、自分の向かうべき道をまっすぐ歩いてくれます。「手のかかる子程、可愛いい」と言う言葉を聞いた事があるかと思います。それだけ子供に時間や精神を費やしたからこそ子供が成長した時に可愛かったと思い出せる事なのだと思ってください。
育児に正解も理想も無し。
1人で子供を育てていく中で、ぶちあたる壁は沢山あると思う。その中でも、子育てには「正解」など無いという事。「三つ子の魂100まで」という昔の人が言った言葉は遠からず近からずな事も育児中にはあると思う。ただ、1人で子供を育てる中でもうどうしたらいいの!とヒステリックになってしまう事が育児中には何度か出てくると思います。そんな時、両親が揃っている場合、子供と自分(母親)の間にクッション的な役割をしてくれる存在があるわけです。1人親にはクッション的な存在がいる人は社会に遠慮する事なく利用して良いと思いますが、もし誰も子供との間にクッション的な存在になっている人がいない場合は、子供が成人するまでは、子供に毅然と伝えたら良いと思います。何がいけない事、悪い事。その事をまずは親自身が理解していなくてはいけません。電車やバスに乗っていても時々います。はい??と思ってしまうお母さん、お父さん。
子供達がうるさく騒いだりしていると、「怒られるよ!」と注意している親御さん。確かに子育てに正解はありません。ただ、一般常識というものはあるはずです。誰かに怒られるから電車内でうるさく騒いではいけないのではありません。お母さん同士が大きな声で賑やかにお話しをしていると、その子供達も同じ事をしているのす。少しだけ日常を振り返ってみるのも良いかもしれません。
子供を見れば、家庭内が丸見えです。
理想的な家族を思い描いてそのとおりならなかった時、親も人間なのでどうしてこうなるのか?悩んだり焦ったりするかもしれません。それならば理想を持つよりも現実を受け入れしっかり足元を見て、前へ進んでいけるお母さん(お父さん)の姿を子供さんに見せてあげて下さい。
離婚した相手の写真をどうするか
離婚した際、離婚するくらいなので当然パートナーの顔など二度と見たくないというのが正直な心情だと思います。でも、そこに子供という存在がいる場合は離婚が決まって別々の場所で暮らす事になった時には、子供さんと別に暮らす事になった片方の親の写真を沢山残しておいてあげて下さい。子供が大人になるまでに何度か自分の存在を確認したくなる難しい年齢や状況になった時、離れてしまった親の写真は子供を強くしてくれる事もあるかもしれません。自分は愛されて
この世に生まれてきたのだという事を確信します。両親は憎み合って離れていないと子供が色々な事を理解出来るようになるまでは思わせないであげて下さい。両親が憎み合っていたり喧嘩していたり離婚してしまった家庭の子供は、自分の存在がいけなかったのでは無いか?良い子では無かったからか?などと思い込んでしまう子供がいます。離婚する前の両親の喧嘩を記憶している子供は、成長した時、無意識に他人を笑わせようとしたりその場の空気を読むという子供が多い。ムードメーカーに自分がならなくてはいけないと無意識に思う習慣ができているのです。
つまり、子供が本当は辛いと思っている事や気持ちを表に出すのが下手になるという事です。
離婚をする事に、子供は一切の罪がありません。
子供の立場からすると、どちらも自分の親です。
一人では生きていけません。あなたが産まれてきてくれた事、それをママもパパも周囲のみんなも本当に大喜びしたのだという事を伝えすぎなくらい何度でも言ってあげて下さい。子供のお誕生日の日でも良いかもしれません。お誕生日というのは、ケーキを食べたりプレゼントをもらう日ではありません。あなたが産まれてきた事、今も1年ずつ成長しているという事を確認出来る素敵な日です。だからみんなでお祝いをするものなのだと伝えてあげて下さい。一人で子育てをしていると
大きなお誕生日パーティーを開く事は難しいかもしれません。仮に2人だけのお誕生日のお祝いであったとしたら、それはチャンスです!子供さんが生まれるまでのお母さんの気持ち。産まれた瞬間の時の気持ち。初めてミルクを飲んだ日の事。初めて寝返りをした時。何でも思い出した事で構いません。いずれ子供は巣立っていきます。それまでの間に、沢山の言葉を残してあげましょう。