2歳を過ぎると、多くの子どもが突然何にでも「イヤイヤ」ばかりを言うようになります。イヤイヤ期とも呼ばれ、とにかくイヤイヤとダダをこね、時には床にひっくり返って泣きだしたりと、親にとっては頭を悩ませることばかりです。そもそもこの反抗期はいつからいつまでなのでしょうか?年齢別の子どもの心の発達に沿って考えてみましょう。
1歳ごろ
反抗期は、必ずしも2~3歳になってから始まるというわけではありません。この頃になると目立ってくるだけで、実はもっと前から日々の生活の中で自己主張をしようとしています。
それまでは、全部お母さんにやってもらっていたのに、自分でごはんを食べたがる、おもちゃを自分で取り出したがる、洋服を着たり、脱いだりしたがる…など、親にやってもらうのを嫌がり、何でも自分でやりたがる時期です。自分でやりたいのと、自分でできるのとは違います。子どもは自分で何でもやれると信じているので、いざやってみてできないと泣いたり怒ったりします。
2歳ごろ
本格的な「イヤイヤ期」のはじまりです。
とにかく、何をさせようとしても、返事は必ず「イヤ!」で、何一つ素直にしようとしません。
親にとってはとても扱いにくい時期ですが、子どもが成長するためには、絶対に必要なプロセスです。これは、誰かに教えてもらったからではなく、子どもの内から自然に出てくる衝動なのです。
この時期の自分で何かをしたい、自分の力で解決したいというこころを伸ばしていけるかどうかは、親の関わり方にかかっています。
下手でも時間がかかっても、少しずつ子どもにやらせるようにしましょう。
イライラするかもしれません。早く早くとつい手を出してしまいたくなるかもしれません。しかし、この時期親に求められるのは、子どもを待つこと、口や手を出さないこと、そして子どもがかんしゃくを起こさないように、上手に手助けすることです。
3歳ごろ
この時期の子どもは自分は絶対に正しいと思っています。世の中は自分を中心にまわっていると思っているので、「自分の考え」を強く主張しようとします。
しかし、親からすると、子どもが大人の世界のワクをはみ出してしまうことをすると、「いけません」と叱り制止してしまいます。
子どもは、自分の考えや気持ちが押さえつけられてしまうので、「反抗」というかたちをとってしまいます。
4歳ごろ
4歳近くなると、自分の感情や意思を上手にことばにして伝えることができるようになります。
この頃にお友だちとたくさん遊んぶ経験をすることで、相手の存在を理解できるようになり、「自分がいつも正しいわけではない」ことも分かってきます。
「自分が絶対」の見方から、相手の存在を認めたうえでの「相対的」な見方ができるようになります。
親のほうも、ほとんどのことを任せておいても大丈夫だと思えるようになり、自由にさせることが多くなり、子どもがかんしゃくを起こすことも少なくなります。これで反抗期は卒業と言えるでしょう。
まとめ
こどもの「イヤ」は、自己主張の始まりで自立への一歩です。これまで、お母さんの世界の中だけで生きてきた子どもが、自分のやり方でやりたいという気持ちが芽生えてきた証拠です。
お母さんは、自分の世界からどんどん出て行こうとする我が子を見て、戸惑い、なんとなく淋しくて悲しい気持ちになってしまいます。
しかし、この時期に親がどう接してあげられるかで、「こころ」の成長に大きく影響してきます。ですので、いまは「心を育てている時期なんだ」と思い、温かく見守ってあげましょう。