ママのメンタルヘルス〜産後うつって?〜

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結婚、妊娠、出産…大きな人生の節目を迎える度に、幸せを感じる一方で情緒不安定になる場合もあります。

産後はうつ病になりやすい、と聞いた事はありませんか?産院や母親教室でそういった話をされたママもいる事でしょう。ママ自身も、周りも「SOS」に気付く事はママと子供を守る事になります。

今回は、そんな「産後うつ」について分かりやすくまとめました。



産後のママはストレスフル

そもそも、産後はホルモンバランスの急激な変化により、ちょっとした事でイライラしてしまったり、意味もなく涙が出てきたりするものです。人によっては、同じような事が妊娠時にも起こっていたかもしれませんね。
自分で感情をコントロールできず、余裕がなくなって笑顔も消えてしまいがちです。周りも、目線が子供中心になってしまう事が多く、そうなるとママの変化にはなかなか気付けません。

ママは大きな幸せとは裏腹に、大きなストレスを抱えるでしょう。授乳のこと、夜泣き、おむつ替え…止まっている暇なく進む日々が待ち構えているからです。可愛い子供の為なのだからと頑張りすぎてしまったり、マイナスな事を考えてしまう自分が許せなかったりして、それらが自覚のあるなしに関わらずストレスとなっていくのです。

また、核家族化している現代ですから、子供と二人でいる時間も多く、話し相手や先輩ママである大人が側にいない閉鎖的な環境であるというのも、一つのストレス要因かもしれません。しかし、それが当たり前の環境であるがために、むしろ干渉を好まない人が多くなっている現実もあり、一筋縄ではいかなくなっています。

産後うつになっていない?チェックしてみよう

自分や、周りのママが産後うつになっていないかどうかチェックしてみましょう。以下の引用文は『エジンバラ産後うつ病自己調査票』というもので、厚労省など公的機関でも採用されています。

<参考>John, C. et al.『エディンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)日本語版』 産後うつ病ガイドブック:EPDS を活用するために 岡野ほか訳.東京、南山堂、2006

ご出産おめでとうございます。ご出産からいままでのあいだにどのようにお感じになったかをお知らせください。今日だけでなく、過去7日間にあなたが感じられたことに最も近い答えにアンダーラインを引いてください。必ず10項目に答えてください。

【質問】
1、笑うことができたし、物事のおかしい面もわかった。
(0)いつもと同様にできた
(1)あまりできなかった
(2)明らかにできなかった
(3)まったくできなかった

2、物事を楽しみにして待った。
(0)いつもと同様にできた
(1)あまりできなかった
(2)明らかにできなかった
(3)まったくできなかった

3、物事がうまくいかなかったとき、自分を不必要に責めた。
(3)はい、たいていそうだった
(2)はい、ときどきそうだった
(1)いいえ、あまりたびたびではない
(0)いいえ、そうではなかった

4、はっきりとした理由もないのに不安になったり、心配した。
(3)はい、しょっちゅうあった 
(2)はい、ときどきあった 
(1)ほとんどそうではなかった
(0)いいえ、そうではなかった

5、はっきりした理由もないのに恐怖に襲われた。
(3)はい、しょっちゅうあった 
(2)はい、ときどきあった 
(1)いいえ、めったになかった 
(0)いいえ、まったくなかった

6、することがたくさんあって大変だった。
(3)はい、たいてい対処できなかった 
(2)はい、いつものようにはうまく対処しなかった
(1)いいえ、たいていうまく対処した
(0)いいえ、普段通りに対処した

7、不幸せなので、眠りにくかった。
(3)はい、ほとんどいつもそうだった
(2)はい、ときどきそうだった
(1)いいえ、あまりたびたびではなかった
(0)いいえ、まったくなかった

8、悲しくなったり、惨めになった。
(3)はい、たいていそうだった
(2)はい、かなりしばしばそうだった
(1)いいえ、あまりたびたびではなかった
(0)いいえ、まったくそうではなかった

9、不幸せなので、泣けてきた。
(3)はい、たいていそうだった
(2)はい、かなりしばしばそうだった
(1)いいえ、ほんのときどきあった
(0)いいえ、まったくそうではなかった

10、自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた。
(3)はい、かなりしばしばそうだった
(2)ときどきそうだった
(1)めったになかった
(0)まったくなかった

各質問とも4段階の評価で、10項目を合計してください。質問表で9点以上(欧米では10~13点以上)の場合、産後うつ病の疑いがあります。
その時は、早めに専門の医師(わからなければ出産した病院の医師)に相談するようにしてください。

http://allabout.co.jp/gm/gc/322189/2/

「私あてはまっている…?」と思ったら

産後約10日の間は、気分が落ち込むなどいわゆるマタニティブルーと呼ばれる現象が、多くのママに起こります。これは先程も記述した通り、ホルモンバランスが急激に変化する事が主な原因のようです。
誰にでもあり得る事で、一般的には自然に解消されていくため、過剰に心配する必要はありませんが、数週間や1ヶ月2ヶ月など過ぎても続くようであれば、受診してみましょう。

自分は怠けているだけなのではないか、などと考えて無理をしたり、恥ずかしく思ったり、ましてや自分を責めたりはしないで下さい。周りも同様で、そのように本人を扱わないであげてください。
産後うつは、治療を必要とする病気であるため、体の病気と同じように早めの発見が重要になってきます。

真面目で責任感が強いママほど、重症化しやすい傾向があるとも言われています。子育ては一人が頑張るものではありません。家族でも、友人でも、時には病院や公共機関でも、頼る事を恐れたり恥じたりしないで下さい。
2人目以降の出産時でも、起こる可能性はあります。1人目は大丈夫だったからとは思わず、おかしいと思ったら相談してみましょう。

ママだけじゃない?!パパの産後うつ

少しずつ明らかになってきているのが、男性の産後うつです。特に、同居しているパパに多く見られるようです。

なぜこのような事が起きるのでしょうか。昔のように父母など家族と同居はせず、自分たちだけで生活する場合が多い現代ですから、子育てに悩み戸惑った時、家庭内に頼れる人がいないという事にも原因があります。同居にはストレスなどデメリットもありますが、子育てを経験した人がそばにいるというメリットもあるのです。
ご近所との付き合いにも同様の事が言えるでしょう。

また、主夫という選択肢やイクメンなどの言葉が生まれている中、それによって悩みを抱える男性も多いようです。そして、男性が女性と大きく異なるのは、そういった悩みを友人に相談するというケースが少ないという事です。育児の悩みについて、男性は抱え込んでしまう傾向があるのです。

育児はどちらかだけが頑張るものではないのは言わずもがなです。パパとママのどちらかがうつ状態になってしまう事は、育児にマイナスな影響を与えます。
男女では、一般的に悩み方も解決方法も差がありますから、お互いにそういった違いを認め合う事から始めると良いでしょう。

どうしたらいい?産後うつ対策

産後うつになる人は、真面目で頑張り屋である場合が多いとの事でした。完璧主義の人もまた例外ではありません。
現代では、子育ては女性だけの仕事ではなく、夫婦で行うものだという考え方が一般的になりつつあります。とはいえ、ママはパパよりも早く親としての思考や行動が身につくため、特にはじめのうちは育児はママがメインになりがちです。
また、男性にも家事や育児に参加してもらいたいと考える一方で、慣れない作業に戸惑うパパにイライラしてしまったり、結局自分で仕事を抱え込んだりしてしまう事が多いのです。

誰でも慣れないうちは、うまくいかないものです。たとえば家事や育児を分担していきたいと考えているならば、大きな心を持って少しずつ進めていきましょう。言葉足らずになりがちだったり、イライラをただぶつけたりするのではなく、自分は今余裕がないのだという事を伝えるだけでも違います。
頼る事が苦手なママは、ほんの小さい事からで良いので、家族に頼み事をしてみましょう。人は協力し合って生きていくものです。頼った分は、後で自分に余裕がある時にその人を手伝えば良いのです。

日中自分と子供以外誰もいないというママは多いでしょう。児童会館や公共施設に足を運ぶのも良いかもしれません。はじめは勇気がいるかもしれませんが、大抵の場合みんなはじめは同じなのです。子育てサロンに訪れるママは、同じような不安を抱えている場合が多いですから、むしろ肩の荷が降りた気分になる事もあるようです。

人にどう思われるか、人がどうしているか、そういった事を気にしすぎない事も大切です。ただ、その考えが自由な解釈により間違った方向に進んでしまう場合もありますが、頑張り過ぎているママや真面目で完璧主義のママは「人は人」という考え方を持つ事で心のバランスがとれるようになるのです。

失敗を恐れず、たとえ失敗してもくよくよしたり自分を責めたりしない事が、マタニティーブルーを吹き飛ばし、産後うつを予防するメンタル作りになるでしょう。もし産後うつになってしまっても同様です。リラックスして育児に臨みましょう。

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