お魚が嫌いな子供さん、た~くさんいます。なまぐさかったり、骨があったり。お肉は食べるのに、お魚はだめというお子さん、無理やり食べさせようとすると、背中をのけぞって、嫌がったり、口を一文字に閉じて、頑として開けなかったり。そんなことを繰り返しでいると余計に嫌いになっちゃいます。やっぱり、おいしく、大好きだから楽しいご飯の時間になります。この前提で、お魚メニューを工夫してみましょう。と言っても、高級料理でもなければ、時間も、特別な技術もいりません。いつものクッキングで十分。お魚は賢い子供になる栄養素もたくさん含まれていますから、ぜひたくさん食べて大きく育てましょう。
タイのつみれ
ミートボールの好きなお子さんは多い。それなら、お魚の「フィッシュボール」をつくってみませんか。
かんたんです。小麦粉と、アレルギーがなければ卵。この2つがあれば、どんなお魚でもつみれになります。かまぼこやちくわが好きなお子さんなら、つみれも大好きになります。
ミキサーがあれば、細い骨は取らなくても、そのまま投入したらよいですし、お子さんと一緒に、すり鉢でするのも楽しいですよ。道具がなくても、包丁で、細かく切り刻んで、包丁の腹、もしくはお玉じゃくしでつぶして丸めるだけ。ビニール袋に入れて揉んでもよいです。
アジやイワシなどの赤身のお魚だと、より栄養もありますが、最初は、タイなどの白身で淡白なお魚から始めてみるとよいかもしれません。
味付けは、醤油と、そして少量の牛乳(アレルギーがない場合)で十分。お鍋にしても、そのまま湯がいてお好みのソースをかけても。ソテーも、お魚のうまみが出ておいしいですよ。
小さく丸めるのがポイント。早く火が通りますし、栄養分も閉じ込めておくことができますから。
シャケのカナッペ
お魚を小さく切るときに、■(四角)に切ってみましょう。
特にお勧めなのが、シャケを正方形に切って上にチーズを乗せて焼くだけのカナッペ。ときどきイタリア風の居酒屋バルのオードブルにあったりしますね。
変わった形のものは、子供が興味を持ち、口に入れる楽しみにもなります。
色や見栄えも大切。ほかには、つまようじでナスやオクラなどのお野菜と、エビ(アレルギーがない場合)を串刺しにしたマグロ、なんていうのも楽しいですよ。こちらには、デミグラスソースをかけてみましょう。
おこさんの手が伸びますよ。
ヒラメのスチームクッキング
魚の原型がなくなるように加工したメニューをクリアしたら、次は、切り身を使ったメニューに挑戦してみましょう。
こちらも淡白なヒラメ(カレイでも可)からスタート。多いのは煮付けですが、子どもは結構食べにくい。ぽろぽろこぼれてしまうし、スプーンでもすくいにくいですから、そこでお勧めなのが、スチーム。蒸すんです。ご家庭に蒸し器がなくても、水を沸騰させて蒸気がでるところに、お魚を置ければ、どんな器具でもOK。落としブタでも、お茶碗とざるでも、ざるそば用のざるでも。お魚の下に、クッキングペーパー(キッチンペーパーではなく、剥離できるもの)を敷いておくと、そのままお皿に滑らせて盛りつけることができますよ。
かんたんに塩で味付けするだけで十分。もの足りなければ、食べる時にお醤油か、ドレッシング(ごまだれがおすすめ)をかけてください。
嫌いな人参やピーマンを、細く切ったり、花びらに切ったりして、かざりつけも楽しんでください。サツマイモやトウモロコシを添えるのもGOOD。
ブリやハマチもお勧め。いくら蒸し焼きと言っても、少しお魚が固くなり、ぱさぱさしてきますので、お魚を薄めに切ること、もしくはスーパーのお刺身を買ってきて使うのもよいですね。
サバの蒸し焼き
保育園の離乳食では、白身→赤身→背の青い魚、サバやサンマの順番で離乳食を進めてきました。「青い魚」はアレルギーの心配もありますから。
さて、このサバ。味噌、あるいはしょうゆの煮付けがメジャーですが、嫌いなお子さん結構多いんですね。共通しているのは「へんなにおい」。やはり青味の魚の生臭さは、独特ですからね。
煮付けで、ショウガの刻みとともに、が一番ですが、お子さんは結構苦手。西洋のパセリや東南アジアのコリアンダーなどの渋みやピリリ感が良いときもあります。
それよりも、生臭い魚の調理法は、湯通しすること、ぬめりを取ること、そして皮をはぐこと。これだけでも、臭みはぜんぜん違いますよ。はぎ取った皮は、捨てずに、カリカリに焼いて、もしくは油で揚げて、ちょっと濃いめの味付けにして1品になります。川の下には栄養がたくさんあると分析されていますから、捨てないでくださいね。
煮付けの汁が「臭い」というお子さんには、蒸し焼き。蒸すだけでなく、大目の水とともに焼くと、意外においしいサバ。フライパンに油をひかずにそのまま、3枚におろしたサバを、塩と軽くゆかり(シソを乾燥させたふりかけ)をふりかけて、大目の水で焼くだけ。蒸すだけだと、いまひとつ食感がよくないサバも、焼くことでパリリと身が締まりますし、食べ甲斐がありますよ。
楽しみながらクッキング
いかがでしたか。
まだまだ魚のレシピはたくさんありますが、ここでは簡単に、どなたでも短時間で、キッチンツールがそろっていなくても調理できるレシピを紹介してみました。
魚の特性を知って、生かしながら、いやなところを具体的に取り除きながら、楽しいご飯の時間になるよう、いろいろと工夫してみてください。
あと、親子でクッキングも、お魚好きになるきっかけになりますよ。切り身やお刺身だけでなく、お魚屋さんやスーパーで買ってきたままの、お頭(かしら)付きのお魚に、子供は目を丸くするでしょう。そんな「かわいい」お魚さんの命をいただくこと、そしてママが楽しく調理をすることで、子供の魚への見方もかわります。
水族館や、魚の絵本、図鑑なども上手に使ってみてください。