妊娠経過が順調でも、元気に産まれてくるまで出産は何があるか分からないものです。脅かすわけではないけれど、万が一何かトラブルが起きた時に慌てないために知識として知っておいたほうがベターです。
微弱陣痛(びじゃくじんつう)
これは耳にしたことがある方も多いかと思います。
陣痛がなかなか強くならなかったり、陣痛と陣痛の間隔が長かったり、陣痛の時間が短かいなど陣痛の力が弱くて子宮口が開かなかったり、赤ちゃんを押し出すだけの子宮収縮が起きなかったりして赤ちゃんが出て来られない状態を微弱陣痛と言います。
原因は様々考えられ、子宮が大きくなり過ぎて筋肉が伸びきってしまっていることだったり、子宮筋腫などの子宮の病気が原因の場合もありますし、緊張や疲労というケースも。
破水後に長時間お産が進まないと、細菌に感染することもあるので危険なことも。
お産が長引くとママも赤ちゃんも疲れてしまいトラブルが起こることもあるので、分娩監視装置をつけ様子を見ながら陣痛促進剤を使用したり、場合によっては帝王切開になる事もあります。
回旋異常(かいせんいじょう)
赤ちゃんは回転しながら産道を通り、狭いところを通り抜けて産まれてきます。
この時何かの原因で、逆に回ってしまったりして回転がうまくいかないことを回旋異常(かいせんいじょう)と呼びます。
回転がうまくいかないと赤ちゃんはなかなか出てこられません。
お産に時間がかかってしまうとトラブルにつながることもあるため、鉗子分娩や吸引分娩をする事もあります。万が一赤ちゃんの心拍が低下した場合は帝王切開になる場合もあります。
胎児仮死(たいじかし)
何かが原因で分娩中赤ちゃんに酸素が行かなくなり、心拍数が低下または増加した状態を胎児仮死と言います。通常であれば赤ちゃんの心拍数は120~160/分。これより低下または増加した場合に胎児仮死が心配されます。
原因は様々で、長時間のお産や、胎盤機能の低下、臍帯巻絡など様々です。
その時の状況や原因によって処置の仕方が変わってきます。
場合によって、緊急を要する時は鉗子分娩や吸引分娩、または帝王切開になります。
児頭骨盤不均等(じとうこつばんふきんとう)/子宮頚管裂傷(しきゅうけいかんれっしょう)
【児頭骨盤不均等(じとうこつばんふきんとう)】
産道が赤ちゃんの頭のサイズより狭く、赤ちゃんが産道を通り抜けれない事を言います。
X線撮影で児童骨盤不均等と判断された場合は、はじめから帝王切開になりますが、お産が始まってみないとわからない場合には経膣分娩を試み、赤ちゃんが出てこられない時は帝王切開になります。
【子宮頚管裂傷(しきゅうけいかんれっしょう)】
赤ちゃんが子宮頚管を通過するときに子宮頸管が裂けてしまうことを子宮頚管裂傷と言います。(子宮頚管とは子宮と膣の間の細い部分)
原因は子宮頚管が十分に開ききっていない時に赤ちゃんが通ったり、巨大児などの場合です。 大量出血することがあるので危険です。
臍帯巻絡(さいたいけんらく)/癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)
【臍帯巻絡(さいたいけんらく)】
へその緒が赤ちゃんの手や足、首など体に巻きついてしまっていることを臍帯巻絡と言います。
へその緒が巻きついていても問題なく出産できる場合のほうが多いのですが、巻きつき方によっては予定日より早く帝王切開になる可能性も。
分娩途中でへその緒が圧迫されることで赤ちゃんの心拍が低下した時は、鉗子分娩や吸引分娩、または帝王切開になることもあります。
【癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)】
胎盤は赤ちゃんが出た数分後に後陣痛が起こり出てくるのですが通常ですが、まれに子宮にくっついて出てこない事があります。それを癒着胎盤と言います。その場合には医師が子宮に手を入れて胎盤をはがします。ほとんどの場合は簡単に剥がれるのですが、まれに深くまで絨毛組織が入りこんでいることがあり、その場合剥離面から大量出血することもあります。
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このようなトラブルは通常起こりえない事のほうが多いので、むやみに心配をする必要はありませんが、知識としてある程度知っておくことは大切なこと。私も実際第一子出産時に、回旋異常であごが引っかかってしまったため赤ちゃんが降りてこられず、分娩台まで行ったものの微弱陣痛で陣痛が引っ込んでしまったので促進剤を投与。結局吸引分娩で出産しましたが、その際の傷のせいで出血量が多く傷の痛みと貧血に悩まされることになりました。
実際、自分の身に降りかかってみるとその場その場で先生の言うことを聞き、出来ることをやるだけなのですが(陣痛中ですし)、知識もなかったため後になってどういう状態だったかを知りました。
お産は無事に終わるものだと疑いもしなかったので、こういう事態になる場合があることを知ってある程度の心構えをしておけばいざという時にうろたえたり必要以上に不安になったりしませんし、大切なことだと思いました。
とはいえ、同じ病院で同時期に出産されたママさん達が当時10名ほどいましたが、そのような出産になったのは私だけだったようです。
なので、必要以上に不安になることはありません!
私ももうすぐ3人目の出産を控えています。
お互い頑張って、赤ちゃんを産みましょうね。