知っておこう!出産時に起こりうるトラブルまとめ

3,827 views

いざ出産本番を迎えてから知るのでは遅すぎるのが出産トラブルのあれこれです。

ただでさえ陣痛の痛みでいっぱいいっぱいになっているときにトラブルの説明を受けてもきちんと理解できないですよね。

今回はそんな出産時に起こりうるトラブルについまとめてみました。



微弱陣痛

比較的、起こりやすいのが「微弱陣痛」です。
微弱陣痛とは本来時間がたつにつれてリズミカルに間隔は短く痛みは強くなるはずの陣痛がいつまでも弱いままの状態を言います。
また、一度強くなったのにある時点から弱まりそのまま弱い痛みが続く状態も同様です。
弱い陣痛が続くと子宮口が開き切らずお産が進まなくなります。
弱い痛みと言っても陣痛は陣痛ですので、長時間続けば母体の体力はどんどん消耗していき母子ともに良い状態とは言えません。
微弱陣痛が長くなりそうな場合や、破水してしまっている場合は陣痛促進剤を使用し強制的に強い陣痛を促す処置をとる産院が多いです。
陣痛促進剤には副作用やリスクもありますので事前に調べておくと良いですよ。

過強陣痛

微弱陣痛の真逆が「過強陣痛」です。
過強陣痛とはその名の通り強すぎる陣痛のことです。
お産の途中で急激に子宮の収縮が強くなり、その状態が続けば産道の中で圧迫された赤ちゃんが酸素不足や仮死状態に陥る危険があります。
また、母体も同様に酸素不足状態やごくまれではありますが子宮破裂を起こす場合も…
(子宮破裂の主な原因は巨大児・回旋異常・軟産道強靭などの異常があげられています。)
陣痛促進剤を使用している場合は過強陣痛が起こりやすい傾向がありますので事前に医師にしっかり確認するようにしましょう。
あまりに危険な状態が想定される場合は緊急帝王切開に切り替えられます。

回旋異常

お産の際に赤ちゃんがうまく回旋できず降りてこられない状態を「回旋異常」と言います。
赤ちゃんは通常、産道を通るとき回転(回旋)しながら降りてきます。
しかし何らかの原因で回転がうまくいかないとそのままお産が停滞し長引き母子ともに疲労してしまうので危険です。
原因として児童骨盤不均衡・子宮筋腫・支給形態異常・低位胎盤・低出生時・巨大児があげられています。
赤ちゃんと母体の状態に合わせて医師や助産師さんの処置で回転を促したり、吸引分娩や 鉗子分娩の処置がとられることが多いです。
また危険な状態に陥りそうな場合は緊急帝王切開に切り替わる可能性もあります。

臍帯トラブル

臍帯トラブルについては聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
臍帯が赤ちゃんの体に巻き付いていたり、赤ちゃんより先に母体の外に出てきてしまうといったケースは意外に多いです。
赤ちゃんの首や体に臍帯が巻き付いてしまう「臍帯巻絡(さいたいかんらく)」は全分娩の2割程度と言われています。
首に巻き付いている場合はほとんど心配ありませんが、他の部位に巻き付いている場合や赤ちゃんの状態により吸引分娩になることもあります。
また、臍帯が赤ちゃんより下に降りてきてしまっている場合(臍帯下垂)や赤ちゃんより先に母体の外に出てしまっている場合(臍帯脱出)は出産時に危険なので緊急帝王切開に切り替わる可能性があります。

分娩に伴う大量出血

お産では正常な場合でも大量に出血することが多いですが、出血量が800mlを超えた場合は異常出血として治療が行われます。
異常出血の原因には以下の理由があげられています。

・常位胎盤早期剥離
赤ちゃんが産まれる前に胎盤がはがれてしまうことを言います。
赤ちゃんへの酸素と栄養供給が停止し剥がれた部分からは大出血するので母子ともに危険な状態に陥るので即処置が必要です。

・癒着胎盤
胎盤の一部または全部が子宮壁に癒着し剥がれにくくなっているため産後の処置時に大出血する可能性があります。

・弛緩出血
産後の子宮収縮がおもわしくなく胎盤が剥がれた部分の血管が開いたままとなり大量出血を引き起こします。
子宮収縮剤の投与や子宮内の洗浄といった処置がとられることが多いです。

・子宮頸管・会陰裂傷
赤ちゃんが産道を通る際に子宮頸管や会陰が裂傷しそこから出血を引き起こします。
少し切れた程度ならば問題はありませんが出血量が多い場合は縫合します。

いずれの場合も早急に医師の判断により処置がとられますので、トラブルに直面しても慌てず取り乱さずしっかりと対処できるよう心構えておきましょう。
もちろん何事も起こらない場合もあります。

いかがでしたか?
出産時のトラブルは想像するだけで不安になってしまうかもしれませんが、避けようもなく起きるときは誰にでも起きるものです。
起きてしまってから慌てるのは逆効果ですのであらかじめ知識だけでも蓄えておきましょう。

こんな記事も読まれています