粉ミルクを買いに行ったドラッグストアで、似ているけれどよく見たら微妙に違う、そんなミルクを見たことはありませんか。
それは「フォローアップミルク」といって、9カ月を過ぎた頃から与えるようにと販売されているものです。でもこれって、本当に必要なのでしょうか? 完全母乳でも、切り替えなければいけないのでしょうか?
よく分からないけど、少し安いからこれでいいか……なんて、軽い気持ちで買ってしまう前に、フォローアップミルクについて少し調べてみました。
育児用ミルクとどう違う?
フォローアップミルクには、離乳食で不足しがちな栄養素を多く含んでいます。育児用ミルクに比べると、タンパク質・鉄分・炭水化物が多く、反対に脂肪分やカロリーが若干少なめに作られていますね。また、銅や亜鉛なども入っていません。
また、各メーカ―によって差はありますが、フォローアップミルクの方が400~500円程度お安くなっているようです。家計に優しいお値段ですが、だからといって容易に切り替えることは禁物です。
どんな時に飲めばいい?
フォローアップミルクは、その名の通り栄養を補い助ける(=フォロー)ためのものですので、離乳食をしっかり食べてくれる赤ちゃんなら、実は必要ないんです。
以下の項目に当てはまるかな?という場合は、利用を検討してみましょう。
・離乳食が3回になってから母乳が出にくくなり、栄養不足が気になる
・ミルク以外のものを飲む練習をさせたいが、まだ1歳未満なので牛乳を飲ませられない
・離乳食をあまり食べてくれない、あるいは好き嫌いが多く、栄養が偏りがち
いつからいつまで飲むの?
フォローアップミルクは「9カ月から」と表記されているものが多いですが、9カ月になったらすぐに飲ませければいけないわけではありません。離乳食が3回になった頃を見計らってあげるのがよいようです。ただし、9カ月未満の赤ちゃんにとっては逆に栄養バランスが崩れてしまいますので、避けてくださいね。
また、各メーカーが3歳ごろまでの摂取を薦めているようですが、いつまで飲ませるかは人それぞれ。普通の食事へシフトするためにも、アレルギーに注意しながら、なるべく牛乳へ移行していくようにしましょう。
どんなふうに飲ませたらいいの?
基本は、普通の育児用ミルクと同じです。哺乳瓶でもかまいませんが、練習も兼ねてコップやストローのついたマグで飲ませることをオススメします。
書かれている分量を守って、おやつの時間や離乳食後に与えるといいようです。与えすぎると、栄養過剰になって腎臓などに負担をかけてしまいかねませんので、離乳食の量を考えながら、バランスよくあげましょう。体重や成長曲線といったお子さんの成長具合をチェックしながら、その子に合った量を与えることが大事です。
絶対に必要なの?
上でも触れましたが、赤ちゃんなら誰しも必要、というわけではありません。
WHOはフォローアップミルクを「食品」であると定義していますし、小児学会にいたっては「必要なし」としています。また、厚生省によると「フォローアップミルクは1歳近くになり何らかの理由で離乳食の摂取が少なく蛋白質などの不足が懸念される場合や、鉄欠乏の恐れがある場合に」必要であると書かれています。
離乳食をしっかり取れているなら、無理に飲む必要はありません。病気のときや、離乳食にムラがある場合などにあげるとよいでしょう。
子育て全般にいえることですが、こうしなければいけないという固定観念は捨てて、お子さんに合わせた対応をとってあげられるといいですね。