ひとり遊びが出来る月齢から小学生時期の子供を育児中の親の中には育児放棄をしてしまう親や、反抗時期が始まった頃には親の思い通りにならず親が一人でイライラしたりストレスを抱えてしまう事もある。そこから虐待に繋がってしまう前に知ってほしい事。家族内だけではなく、周囲の他人や大人が子供にもっと関心を持つような社会になってほしい。
そもそもネグレクトって何?
「ネグレクト」という言葉は育児中の親御さんには浸透しつつあるのかと思います。子育てを放棄した人の事だと思っている人が多いかもしれません。実はこれは確かに間違っていません。詳しく中身を言うと、乳児、幼児、児童、高齢者、障がい者、ペット等も含めてネグレクトは存在します。ここでは育児中の方を例として伝えると、育児に疲れていたり等の理由で子供が泣いていても無視し続ける。おむつを替えない。食事をきちんと食べさせる行為が無い為、年齢相応な成長では無い事が多い。お風呂にも入っていない子供が多い為に体が汚れたままの子供が多く、不潔な状態が続きます。身体的なネグレクトは1、2歳の子供に多くみられています。次が「心理的ネグレクト」です。
話をしようとしている子供を無視する、部屋に閉じ込める。長時間1人で留守番状態なども多く、1人で家の中にいる間に事故が多い事も現実です。あとは大きな声で怒鳴り続ける、年齢が上がるに連れて子供は自分に自信を失ってしまっており、親や周囲に気にいられるよう顔色を伺ったり静かに話す、または話さない。周囲の大人にわざと不自然に笑ってみせたりするようになります。まだ幼い子供は泣き疲れて眠る事もあるでしょうが、きちんとした食事を与えられていない事が多く、栄養に問題が多いという共通点もあります。特に母親に問題がある場合は、「子供のせいで自分があれも出来なくなった、これも出来なくなった」と思い込んでしまう事が多く悪循環を繰り返します。残念ながら子供を純粋に可愛いと思えない事も共通しています。育児放棄の実態としては、身体的な問題よりも、心理的虐待の期間の方が年齢が大きくなってからも続く為に長期に渡る「ネグレクト」が多いとされています。ネグレクトに関しては乳児、幼児、児童に限らず、高齢者や障害者にも共通しますが、幼い子供へのネグレクトに関して言えば周囲の大人が気づける事もあります。近所で妊娠中だった女性が子供を連れて歩いているのを1度も見たことが無いなど気になる事があったら匿名で大丈夫なので、児童相談へ連絡するという行動を取ってあげて下さい。他人の家庭に口を出せないと考える人も少なくありませんが、子供は1人で生きられません。他人に関心を持つ大人がいれば無力の幼い子供たちを救う事が可能になるのです。
見て見ぬふりはダメな事なのか?
子供が1人遊びが出来る頃の時期になると子供の世界が徐々に出来上がる。子供が何かを持って集中している時にはあえて声をかけてあげる必要はありません。子供が何かに集中している時には危険が無いかを少し離れた所で見守る程度で構いません。子供の集中力をつける事は、その後の成長に大きな影響を与える事が多々あるはずです。大人が良かれてと思って沢山のおもちゃを買い与えるよりも子供が何に興味を持ち出すのかを見守ってあげてください。例えば、おもちゃ売り場へ行ったとします。同じ場所を何度も回ってみてください。何度も同じ場所をくるくる回っていて、同じおもちゃに興味を持っていたとしたら、それは子供の将来への投資になるかもしれません。何にこの子は向いているか?興味を持っているか?それはずっと先にわかる事も増えてくるはずです。みんなが持っているから買ってあげなくては可哀想なのかと思う必要はありません。家の中、外遊び、
その時には、見て見ぬふりが大事になる事があります。
例えば、大人から見れば汚いから触らないで欲しい、子供同士で遊んでいる間に喧嘩が始まるなど子供の世界は家の中から外の世界へとどんどん広がるはずです。ギリギリまで子供の世界にいる時間は見て見ぬふりも重要だと思います。危険が無い限り親は子供を見守る。子供が親を思い出して振り返った時にそこに親がいて笑顔で微笑んであげるだけで安心してまた子供の世界で遊ぶ事ができます。保育園、幼稚園へ行く年齢になった頃、親は一緒に入れません。その時に子供は親と離れても安心して園へ行けるかどうかという結果が出ます。どんなに時代が変わっても子供と親の信頼関係の重要さは成長した子供の将来に繋がるという事だけは変わらない事を信じて子育てのヒントにして下さい。
本当にそうなのか?夫婦の関係が子育てに影響する事
乳児、幼児には両親が何を話しているか?大人の会話など理解出来ていないであろうと思って無意識に会話をしている家庭は意外に多いのでは無いだろうか?赤ちゃんであっても幼児であってもその時は意味が理解出来なくても両親の空気、その場の温度感を感じて記憶しています。夫婦の関係が悪くなってしまった時に母親は精神的に不安定な状況になる人もいます。例えば、「キッチンドリンカー」という言葉。これは母親がクッキングをしながらお酒を飲んでいる状況です。最初はお酒を少しだけ?たしなむ程度だったはずが、気づけばお酒が無ければ日常が過ごせない程になっていた場合、そこにいる子供はどういう精神状態になるでしょうか。母親はいつもお酒の臭いがしていたという記憶が成長しても消えません。勿論、母親であっても1人の人間です。精神状態が不安定になる事によって、子供が可愛いと思えない、子育てが出来なくなる。酷くなれば子供を置いたまま出かける。つまりネグレクトに繋がる可能性があるという事です。夫婦で協力して子育てを楽しんでいる空気や温度感のある家庭で育つ子供は、安心感を常に持って成長し、外の世界へ自分から行く事が出来、心身共に健康的に成長します。家の中で両親が憎み合っている、会話が無い、母親がイライラしている、これは母親だけの責任ではありません。父親は母親以上に子育てに目を向ける事が子育ての成長に重要である事を知ってもらいましょう。安心して子供が外の世界へ行く事と家に帰りたくないと思って外の世界へ行くのでは全然違うという事を両親で話してみる時間を作る事も大事です。
ネグレクトの環境で育った子供たちのその後って?
ネグレクトのあった環境の中で育ち成長した子供の将来。虐待、ネグレクトのまま育児中だった親は子供が成人してからの事まで考える余裕すら無かったはずです。子供の心の傷が消えて無くなるという事はごく稀です。大半は成人するまでに何らかの行動を起こします。自分の価値を大事に思えないまま成長している為に、自傷行為や過食、拒食などの行動が少しずつ出る子供が多く見らます。成人し、社会へ出てからは特に自分に自信を無くしている人が多い為、周囲との協調性が無かったり他人との距離感を上手く取れなかったりという事などがあります。本人にとっては不自由な日常生活を送る事になります。やがて子供自身が家庭を持ち子供を育てる事になった時に負の連鎖のごとく自分の子供を虐待してしまう行動が出る人も多くいます。
ネグレクトの行動に自分が当てはまっているのでは?と思った時
1人めの子供の時は、つきっきりで子供との時間が保てていたのに、2人め、3人めとなると、全てを完璧にこなせない事で母親はイライラやストレスが積もる事もあるだろう。そんな中で、自分は子供に対してこのままではネグレクトの状況になるんでは無いか?と悩んでしまうお母さん達が少なくない。「ネグレクト」というのは、意図的に子供に対して無視をする事に繋がっているので、「私はそこに当てはまっていないだろうか?そうならないだろうか?」と心配に思っているお母さん達は問題ありません。兄弟姉妹が増えた事によって必然的にお母さんは忙しくなります。最初の子供さんの時に比べて2番目の子供、3番目の子供となってくるとどこかで手抜きが出てくるのが自然です。それはネグレクトとは言いません。仕事を持っているお母さんの場合、仕事、家庭、育児だけではなくそれ以外にもママ友やご近所、親戚等に気を使う事も出てきて大忙しです。1人で全てを完璧にこなす事よりも、私、子育てに疲れてるかも?と思った時には他人に話す事が本当は1番ですが中々家庭内の事を話しづらいと思った時はそこで我慢せず、全国の自治体には子育てについての相談が出来る所があるはずですから、思いきってそういう時は、仕事の休みを1日でも構わないので取って他人に今の状況を話してみてください。
「私の子育て今のままで大丈夫かな。」
実はそう思えるお母さんは、素晴らしいお母さんです。真面目に真剣に子供の事を想っているという証拠。他人に話すという事は恥ずかしい事ではありません。子供も家庭も仕事も完璧に出来なくても子供の目には頑張ってくれているお母さんという印象を理解してくれる日がきます。