子ども同士、特に兄弟同士になればケンカするのは日常茶飯事で、「うちの子、なんで仲良くできないんだろう」ってイヤになったりしていませんか?
もちろん暴力をふるってケガなどしては一大事ですが、ちょっとしたケンカであれば、子どもたちの様子をよく見てみてください。
すぐに止めてしまうのは、子どもにとって大切な機会を失ってしまうことになるかもしれませんよ。
ケンカで育む3つの能力
ケンカをする原因の多くは、自分と相手との利害が一致しないこと。
自分の欲求が満たされないので不愉快になり、怒りを爆発させてしまうのです。
子どもが小さいうちは、言葉で伝えられずに手が出てしまうこともあるでしょう。
暴力はもちろんよくありませんが、ケンカを通して子どもたちはいろいろなことを学んでいるのだそうです。
日本と欧米の両方から優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴さんは、子どものケンカによって3つの能力が育まれているのだというアドバイスをしています。
その3つに沿って、我が家の息子たちのケンカを見てみることにしました。
「言葉で伝えること」が身に付く
我が家の息子たちは、ブロック遊びが大好きです。1つのセットを、2人で仲良く使っているのですが……時々、使いたいブロックが被ってしまうようです。
「これ、僕が先に使ってたんだよ!」
「いいじゃん、もう違うの作ってんだから」
「まだそれも使うの!」
親から見ればどれも同じブロックのようですが、色や大きさなど、子どもなりのこだわりを主張するんですよね。
「勝手に取らないでよ!」
「取ったんじゃないよ!!」
言い合っているうちに、エスカレートして手が出ることもしばしば……でも、よほど激しくなければ、我慢、我慢。
仲良く遊んでほしい、と思ってしまいますが、子どもたちはこうやって「自分の言いたいことを言葉で伝える」ことを覚えていくんだそうです。
「論理的思考や説得力、問題解決能力」が身に付く
毎日毎日「ママ、○○(弟)がブロックを貸してくれない」「ママ、お兄ちゃんがブロックを勝手に取った」など、小まめにケンカ報告をしてきます。
でも、上の子が年長になってからは、ほとんど間に入らず「いちいち言わなくていいから、自分たちで話し合いなさい」と言うようにしてみました。
「このブロックでおうちを作りたかったのに……」
「……じゃあいいよ。一緒におうちごっこやろうよ」
「うん、いいよ!」
どちらかが代案を出して、問題を解決するようになってきています。
そうやって話し合った結果こそ、報告してきてほしいものですが……いつの間にか、何もなかったかのように仲良く遊んでいるので、こちらが拍子抜けしてしまいます。これは男の子ならでは、なのでしょうかね。
「精神力」が身に付く
うまく話し合いがまとまればいいのですが、逆にケンカが激しくなる場合もあります。
「もういい!○○とは遊ばない!」
「お兄ちゃんなんか嫌い!」
心無い言葉が飛び交うことも、珍しくありません。
ですが、相手からこのような言葉を浴びせられることこそが、強い精神力を養うのに役立つのだそうです。
何度もケンカをすることで、感情のコントロールや我慢の仕方などが身についていきます。
うちの息子たちは……まだまだ発展途上のように見えますが、きっと少しずつ育ってくれているのでしょう。母はそう信じています。
子どものケンカに親は出ない
どんなに言ってきかせても、結局は子どもにケンカをさせない方法なんてあるわけないんですよね。
それなら、子どもがケンカしている時でもすぐに間に入ろうとせず、一呼吸おいて「今この子たちは学んでいるところなんだ」と理解してあげましょう。
子どものケンカは、大切な社会性を身につける絶好の機会です。
大人の感情や都合だけで奪ってしまうことがないように、そっと見守ってあげてもいいのだと思います。