妊娠中は食べるものや飲むものにいろんな制限がかかります。その一つが「お寿司」。10か月もお寿司が食べられないなんて…!そもそもお刺身は食べるとよくない、生魚は食べるとよくないといいますが、それは何故なのか?どうしても食べたい場合は何に気を付けたらいいのかをまとめてみました。
妊娠中は免疫力が低下する
妊娠すると平常時よりも免疫力が下がりがちです。普段なら全く問題のない食べ物でも食中毒を起こしてしまうこともあります。食中毒は下痢や、嘔吐、脱水症状などが続きます。それにより子宮が収縮され胎児に影響を与えたり、流産したりする可能性を高めてしまいます。
さらに、妊娠中に食中毒をおこしても対処ができないことがあります。妊娠中は薬に対して体が敏感になっていて効き目の強い薬は胎児への影響を考慮して服用することができません。薬も処方してもらうことも出来ず数日間、食中毒と戦う非常につらい状況を招きかねません。なので、妊娠中は刺身や生魚は食べない方がよいとされているわけです。
胎児に影響のある水銀
妊娠中にお寿司や刺身を食べないほうが良いというのは、食中毒を避けるためだけではありません。魚の種類よっては、食物連鎖の関係から特に体の大きな魚に関して水銀が多く含まれている場合があります。
この水銀は、微量であっても蓄積され続けることで胎児に影響を及ぼします。特に神経系に影響するとされていて、胎児に取り込まれてしまった場合、生後に1/1000秒以下で音に対する反応が遅れるとされています。これは重度のものではないとされていますが、いらない心配をするよりかは、食べるのを我慢する選択をする妊婦さんが多いようです。
糖質や塩分にも注意が必要
お寿司は魚だからヘルシーだと考える人が多いようですが、炭水化物の量も気にしなくてはいけません。お寿司はだいたい10貫程度で1人前とされていますが、そのときのご飯の量は、お茶碗で食べる量の1.4倍ほど。さらに、酢や砂糖で酢飯は作られているので糖質が加算されます。妊娠中は皮下脂肪が付きやすい時期なので、太り過ぎと診断をされている場合も食べる量を制限しなくてはいけません。
また、寿司酢の中には塩も使われています。食べる際はしょうゆをつけて食べることが当たり前なので、1人前(10貫程度)食した場合、およそ3gの塩分を摂取することになります。厚生省が定めた新しいナトリウム摂取量は女性が1日7g未満なので、むくみなどの症状がひどい人は注意が必要です。
妊娠中に食べられるお寿司のネタ
基本的には、水銀を含んでいない魚であれば食べても問題ありません。なので、カッパ巻き、かんぴょう巻きなどは、もちろん、いくら食べて大丈夫ですが…それではお寿司を食べている気分になれませんよね。
食中毒が心配な方は生魚を控え、ボイルされているものや、あぶってあるもの(エビ、アナゴ、卵)など調理がされているものを選ぶことをオススメします。ただし、牡蠣などの貝類には要注意!熱を通してあれば安心ではありません。ノロウィルスの危険性もあるため、できれば避けた方がよさそうです。
また下記の寿司ネタも食中毒に注意すれば食べても大丈夫な寿司ネタです。
・キハダ ・ビンナガ ・メジマグロ・ツナ缶 ・サケ ・アジ
・サバ ・イワシ ・サンマ・タイ ・ブリ ・カツオ
ツナ缶は、マグロが原料ですが、影響が低いことが確認されています。日本人が1食に食べる平均の量は刺身で約80グラムです。この量ならば食べても問題ないとされています。
妊娠中に食べない方がよい寿司ネタ
・メバチマグロ・本マグロ・メカジキ・金目鯛
・キダイ・マカジキ・ミナミマグロ(インドマグロ)
上記は水銀を含んでいる比較的、体の大きな魚です。妊娠中に食べることは控えましょう。