言葉は人を笑顔にする力を持っています。反対に人を怒らせたり悲しくさせたりする力も併せ持っています。人は無意識的に言葉を選び、お互いのいい関係を維持しようとします。しかし、相手が我が子となると、不用意な言葉、思ったまま感じたままの言葉がどんどん出てしまいます。
親にとっては何気ない一言が子どもの心に大きく影響してしまいます。子どもの心を傷つける言葉がもう口癖のようになってしまっているときもあります。そのような、つい口から出てしまう気をつけたい言葉を5つ紹介します。
「もうっ!」
「もうっ!何やってるの!!」など、母親が子どもに一番多く発する言葉がこの「もう」ではないでしょうか。この言葉は、「私は怒った」という時に出やすく、言われた方は気分を害します。子どもも、「もうっ!」と言われるたびに、イヤな気持ちになっています。「もうっ!」と言いたくなった時は、「あーあ」と軽くため息をつくこと心が落ち着きますし、言わずにすむようになります。
「早く…!」
「もう!」と並んで母親が子どもに一番多く使う言葉が、「早く食べなさい」「早くしなさい」の「早く…!」です。
子どもは「早く…!」と急かされ続けるとストレスがたまり、かえって落ち着きを無くしていきます。その行動をさせたいときは「早く」の代わりに、「はい!」を入れ、「はい!食べようね」「はい!やろうね!」と言うようにすると、言い方も優しくなり、子どもも素直に聞いてくれることが多くなります。
「どうして…!?」
「どうして食べないの!?」「どうしてこぼすの!?」などです。形の上では単なる疑問形ですが、子どもには、自分の行動を否定され、自分に自信をなくす言葉として届きます。「どうして…!?」と聞かれて理由を言うと余計叱られることが多いため、そう言われた時はもう何も話さなくなってしまいます。
そんな時は「どうして…」と疑問形で言わず、ストレートに言ってあげましょう。「食べようね」「こぼさないでね」で大丈夫なのです。
「そんなことするなら~しません」
「お片付けしないならおやつな無いからね」「そんなことするならもう買わない」子どもが親の言うことを聞かない時、もっとも言ってしまいやすい言葉です。しかしこれは一種の「脅し」です。確かに即効性はあるかもしれませんが、それは仕方なく言うことを聞いただけです。これでは、何か罰がまっていないと動けない子どもになってしまいます。
そんな時は「お片付けしたらおやつにしようね」と逆の言い方にすると、意外とすんなり動いてくれることが多いです。
「違うでしょ!」
文字通り相手のことを否定するだけの言葉です。これをちょっとしたことでも言われ続けると、子どもは自分の言葉や行動に自信を持てなくなり、消極的な性格になってしまいます。たとえ違っていても、子どもはただ間違っただけで、故意ではないのです。
そんな時は、皮肉っぽく言うのではなく、どうすればいいのがストレートに教えてあげればいいのです。靴を履くのが左右反対だったなら「反対だよ」と、ストレートに正解を教えてあげることが大切です。