「読み聞かせは子どものためにいい」とよく聞くものの、いざ書店に行くと、たくさんありすぎてどんなふうに選んでいいかわからない—。そんな方も多いのではないでしょうか。自分で選べないから、と配本サービスを利用されている方もいらっしゃると思います。配本サービスを否定するわけではありませんが、ぜひお子さんと一緒に書店に行き、一緒に選んでいただきたい。そのための手助けになればを思います。
絵本屋さん大賞とは?
月刊MOEという絵本とキャラクターを扱う雑誌が全国の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者1900人に対して実施したアンケートをもとに、その年に最も支持された絵本30冊を選定するというもの。第1回は2008年。
※写真は2014年受賞作品上位5位
過去の大賞作品
○2008年 『くまとやまねこ』(湯本香樹実/文 酒井駒子/絵 河出書房新社)
○2009年 『つみきのいえ』(加藤久仁生/文 平田研也/絵 白泉社)
○2010年 『うんこ!』(サトシン/文 西村敏雄/絵 文溪堂)
○2011年 『バムとケロのもりのこや』(島田ゆか/作 文溪堂)
○2012年 『あさになったのでまどをあけますよ』(荒井良二/作 偕成社)
○2013年 『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ/作 ブロンズ新社)
○2014年 『へいわってすてきだね』(安里有生/詩 長谷川義史/絵 ブロンズ新社)
※写真は2008年〈第1回〉大賞受賞作品
大賞以外にはこんな作品も
『もぐらバス』(2010年〈第3回〉2位 佐藤雅彦/原案 うちのますみ/文・絵 偕成社)
NHK Eテレ「ピタゴラスイッチ」を企画・監修などをされているお二人の作品です。自分たちの住む町の下にも同じような世界があるかもしれない、と子どもたちの想像をかきたてます。
『おおかみだぁ!』(2014年5位 セドリック・ラマディエ/文 ヴァンサン・ブルジョ/絵 谷川俊太郎/訳 ポプラ社)
「おおかみが くる…」さぁ、無事おおかみから逃げることができるでしょうか。本をめくる楽しさがより感じられる作品です。
一つのきっかけに
たくさんある絵本の中で選びやすいのは「自分が子どもころに読んだ本」でしょうか。長く愛され続ける本にはいいものが多いことは確かですが、そればっかりというわけにもいかないですよね。毎年発表される絵本屋さん大賞を参考にされると、これまでとは違った視点で絵本を選べると思います。しかし、決してこれがベストというわけではありません。お子さん一人一人によって興味の対象や感じ方は様々ですから。あくまでも選ぶ「きっかけ」としてご紹介しているということをご理解くださいね。
ぜひ「一緒に」選んでほしい
読み聞かせはコミュニケーションです。そのコミュニケーションは本を選ぶ時から始まっています。おこさんが今、何に興味があるのか。そういう話をしながら絵本コーナーで一緒に選んでいただきたいのです。その中ではもちろん「あ、この本はお母さんが子どものときに読んでいた本よ。」という話も出るでしょう。「これを描いた人は○○っている番組(本)も作って(描いて)いるのよ。」などの話もできますね。目の前には読み切れないほどの絵本が並んでいます。その中の1冊の本をきっかけに、親子の会話を楽しんでみませんか。