意外と多い!知っておきたいお産の種類と方法まとめ

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分娩の方法にも色々と種類があるのはご存知ですか?

芸能人の「私は○○分娩でした」なんて報告でもよく聞く分娩スタイルをご紹介していきます。

自分に合った分娩スタイルを見つけてみましょう。



分娩台を使わない!?フリースタイル分娩

分娩台を使わず妊婦さんが「産みやすい」と思うスタイルで分娩に挑めるのが「フリースタイル分娩」です。
分娩台に恐怖心を持ってしまう妊婦さんも少なくはないので、そんな方におススメの方法になります。
そもそも分娩台がなかった時代はすべてフリースタイル分娩でしたが、欧米の分娩台文化が入ってきてからはそちらが主流になったようですね。
フリースタイルのメリットデメリットについてもご紹介しておきます。

フリースタイル分娩のメリット

・分娩室ではなく畳の部屋など妊婦さんがリラックスできる空間で出産することができるので心身ともにリラックスした状態で産めます。
・薬剤投与やその他の医療措置が他の分娩スタイルよりも軽減される傾向があるため産後の母体回復が早いといわれています。
・出産直後からの母子同室が可能であったり、母乳育児への移行もスムーズに進められます。
・自宅出産も可能な場合があります。

また、分娩費用も40万前後と通常の分娩と変わらないので並行して検討することができますよ。

フリースタイル分娩のデメリット

・フリースタイル分娩を行える多くが助産院です。
 助産院は病因と異なり医療行為に制限があるため、各種検査や超音波検査などは別の医療機関にかかる必要があります。
・双子や逆子、前置胎盤などの出産時にリスクが高く医療措置が必要と判断される場合は分娩を断られる可能性があります。
 同じように帝王切開の経験者や持病のある妊婦さんも断られる可能性が高いです。
・分娩時に予期せぬ事態が生じた場合、その場では対応しきれないので助産師が同行し他の近隣医療機関へ移動となる場合があります。

フリースタイル分娩の取り扱いは主に助産院となりますが、助産師さんのいる産院や積極的にフリースタイルを導入している産院も増えてきています。
設備の整った産院でのフリースタイル分娩であればデメリットの項目がだいぶカバーされますよ。

呼吸がポイント!ラマーズ法・ソフロジー法

通常の分娩のスタイルですが呼吸法を取り入れることでよりリラックスした状態で出産に挑めるのが「ラマーズ法・ソフロジー法」です。
ラマーズ法は「ヒ・ヒ・フー」の呼吸法で有名な呼吸法なのでよくご存じの方も多いのではないでしょうか?
息を吐くことを意識しながら筋肉を緩めてリラックスするラマーズ法なら陣痛の痛みを軽減しつつ上手にいきむことができるので分娩がスムーズに進みます。
また、ソフロジー法は最近になって取り入れている産院が増えた呼吸法です。
陣痛を痛みとして捉えるのではなく、お産に必要なエネルギーとしてとらえる考え方を基本としています。
妊娠中にヨガや座禅を通して呼吸法やイメージトレーニングを繰り返すのが特徴的です。

いずれの場合も分娩自体は基本的に分娩台を使う一般的なスタイルですので費用も通常と変わりはありません。
またラマーズ法やソフロジー法をうたっていない産院でも希望すれば取り入れてくれる場合もありますのですでに通院されている方は一度相談してみるのも良いかもしれません。
それぞれに呼吸法のみをレクチャーする教室も最近ではありますのでそちらもチェックしてみてくださいね。

麻酔を使って痛みを和らげる!無痛分娩・和痛分娩

陣痛や出産時の痛みに恐怖心を抱く女性も多いですよね?
そんな女性ならば一度は気にしたことがあるのが「無痛分娩」ではないでしょうか。
日本で行われている「無痛分娩は」基本的にほとんどが麻酔で出産時の痛みを和らげる「和痛分娩」であることをまず知っておきましょう。
まったく痛みを感じない出産というわけではありません。
体力に自信がない方や痛みに弱い方、心臓などに持病のある方におススメの分娩スタイルです。

分娩の際は帝王切開に用いるのと同様で背中の脊柱にある硬膜外に麻酔を注入することで痛みを軽減させる方法と、麻酔ガスを吸入する方法があります。
現在では安全面から硬膜外麻酔が主流となっているようです。

「無痛分娩・和痛分娩」のメリットデメリットについてもご紹介しておきます。
メリット

・痛みが少ないということは最大のメリットです。
・産後の母体回復が早い傾向があります。
・過強陣痛などで痛みに耐えられなくなった場合にも有効な手段です。

デメリット

・いきむタイミングがわかりづらいので助産師さんにサポートしてもらいながらになります。
 自分では判断しづらいためうまくいきめずお産自体が長引く可能性もあります。
・麻酔を使うので一時的に体に麻痺の症状が出る場合があります。
・陣痛が微弱になることで最終的に吸引分娩などになり赤ちゃんへの負担が大きくなる可能性があります。
・施設により費用に大きく差が出るようです。
 分娩費用に含まれている施設から追加で数万円~10万円以上かかる場合があります。

産後の後陣痛や縫合による痛みは通常と同じようにありますので鎮痛剤などの処方があります。
無痛分娩を行っている産院はまだ少なく予約も取りづらいので希望する場合はしっかりと下調べをして行くようにしましょう。

心身ともにリラックス!水中分娩

30度程度の温水プールのような設備の中で分娩するスタイルが「水中分娩」です。
羊水と同程度の温度と環境なので赤ちゃんがよりリラックスした状態で自然と外の環境になじめるのがこのスタイルの特徴です。
妊婦さんも浮力が働くため力を入れすぎることがないので体への負担が最小限で済むともいわれています。
また、統計によると会陰切開の割合が少ないといわれているのもうれしいポイントではないでしょうか?

メリットデメリットについてもご紹介していきます。
メリット

・陣痛による痛みが軽減されるといわれています。
・水中という環境で心身ともにリラックスした状態で挑めるので比較的お産がスムーズに進みます。
・赤ちゃんは空気中で生まれるよりも水中で生まれるほうが外傷も少なく抵抗も少ないといわれています。
・出産後そのまま水中で赤ちゃんを抱くことができます。

デメリット
・水温により体が温まり血行が促進されるので出血量が増える可能性があります。
・微弱陣痛になる場合があります。
・水の清浄が保たれていないと赤ちゃんに菌が感染する恐れがあります。
(設備についてしっかりと確認しておきましょう)
・専用の設備を備えた産院・病院でなければ不可能です。

最近ではモデルの長谷川潤さんが水中分娩をしたことで知られていますが、日本ではまだまだ取り入れている産院・病院が少ないのが事実です。
希望する場合は分娩予約などがとれるかどうかよく調べてから行くようにしてください。

みんなが気になる帝王切開のあれこれ(経験談)

できれば普通分娩(経膣分娩)で産むのが理想的ですが帝王切開も間違いなく一つの出産です。
帝王切開に抵抗を感じる妊婦さんも多いと思います。
実は私自身もそうでした。しかし二人の子供を帝王切開で出産した今、すべての女性に正しい知識を知っておいてほしいと願います。

まず、帝王切開と一口に言っても2種類あります。
1つは予定帝王切開です。
正期産以降でベストなタイミングを選び出産日を決めます。
逆子や前置胎盤、双子(双子以上)、帝王切開の経験者、40歳以上の初産婦などは予定帝王切開での出産となることが多いです。
いずれの場合も出血量などのリスクが高く母子ともに安全に確実にお産を終えるために最も有効な手段ですので知っておきましょう。
もう1つは緊急帝王切開です。
通常通り陣痛を迎え普通分娩(経膣分娩)で出産に挑んでいる中でなんらかの予期せぬ事態が生じた場合に切り替えられます。
例えば、破水後に微弱陣痛となりお産がそのまま長引くと胎児が危険な場合などです。

いずれの帝王切開でも腰椎麻酔か硬膜外麻酔(あるいは併用)という部分麻酔をしてからの手術となるので意識ははっきりとしています。
そのため赤ちゃんの産声も聞くことができますし、握手や頬ずりもさせてもらえます。
(カンガルーケアや立ち合い出産はできません)
お腹にメスを入れてから赤ちゃんを取り出すまでは3~5分と早いですがその後の母体の処置に40分~1時間ほどかかります。
産後は普通分娩の場合よりも回復に時間がかかり入院期間も長くなりますが抜糸の心配はないです。
費用の面でも普通分娩とは異なるため高額になりますが、保険が適用される部分があったり高額医療費保障制度によって免除される額が大きいので前もって調べておきましょう。

私は一人目を緊急帝王切開、二人目を予定帝王切開で産みました。
帝王切開は痛みがなくて楽なお産というイメージを持っていた私は最初とても抵抗がありました。
しかし…お腹を切って赤ちゃんを出すとき男性医師二人がかりで子宮をぎゅうぎゅう押すんです…
麻酔は部分麻酔なので軽い痛みや引っ張られる感覚もあります。
産後はもちろん傷口の痛みに加え後陣痛もあります。
赤ちゃんを産みだす部分こそ違えど出産であることに変わりはありませんでした。
傷口も下腹部横切開だったためさほど目立ちません。
(場合により縦切開となるとおへその下から縦に傷口ができるので多少目立ちます)
また帝王切開経験者だと子宮の状態から二人目以降も帝王切開での出産を勧められることが多いですが、産院によってはVバック(帝王切開経験者の経膣分娩)を行ってくれるところもあります。
希望する場合は産院を選んでいくようにしてください。

いかがでしたか?お役に立ちましたでしょうか?
妊婦が十人いればお産の方法も十あるといわれます。
自分に合ったスタイルを見つけてみてくださいね。

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