家庭でできるシュタイナー教育の取り入れ方

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シュタイナーの考えでは、人間は7年ごとに節目が訪れると言っています。特に最初の7年は、からだを作ることが課題となっていて、幼児期に体がしっかりと成長することで、意志力や行動力を生み出すための源になります。この時期は、きれいなものを見ることによって、きれいな心が身に付き、おいしいものを食べることで、おいしさの味覚が分かるようになります。ですので、この時期は子どもに吸収されてよいものを準備してあげることが大切です。また、模倣時期でもあるので、親や周りの大人は、子どもにとって模倣されてよい存在でなければなりません。



異年齢の子どもと遊ぶとやさしさが育つ

子どもは、子ども同士の小さな社会の中で、子どもたちがそれぞれの性質やタイミングを直感的に認識して、知らない間に子ども自らが、さまざまなことを互いに教えあい、学びあっています。特に、年齢を超えた子ども同士が一緒にいるという「場」のなかで起こっています。
最近では幼稚園や保育園でよく見かける、〝縦割り保育〟によって、子どもたちが持つ豊かな〝模倣で育つ力の原理〟が大きくはたらきます。小さい子どもは、自分もお兄ちゃん、お姉ちゃんのようにしたいという欲求が出てきます。
子どもたちは、彼らだけの「小さな社会」を形成し、その中で大人が教えることができないものを学び合っています。
このようなことを、家庭の中で生かすためには、兄弟姉妹がいる子どもであれば、お母さんやお父さんが「下の子は上の子を尊敬の念をもって模倣する」ということをしっかり認識することが大切です。
お兄ちゃんお姉ちゃんがどんな態度を下の子に示すことができるのかを、親がうまく誘導してあげましょう。同時にそれは、お兄ちゃんやお姉ちゃんへの教育にもなります。

自然にふれあうことを大事にする

子どもは、最初に一度楽しい経験をすると、次の行動がみるみる変わってきます。
例えば、親と一緒によく海や川で魚を獲って遊んでいたりすると、魚が大好きでよく食べれるようになったり、野原でピクニックをして花をつんだりすることで、花や木の実などに興味をもち、自分から図鑑で調べてみたりするようになります。
もちろん、動物園にいって動物と出会うこともとてもいいことです。しかし、大勢の人々が集まっている場所は、子どもにとって刺激的すぎますし、親も子どもも疲れ果てしまいます。
時々、家族みんなで自然な場所に出かけて自然とふれあう体験をさせてあげることで、子どもの視野がグンと広がります。

テレビがいけないのはなぜ?

子どもは日々変化し続けていて、小学生くらいになると学校で何があったかなどは親に見えなくなる部分も多くなります。それくらいの年齢の子どもは、たとえ学校で嫌なことがあっても親に直接言うことも少なくなっていきます。
たからこそ、子どもが家に帰ってきたときの表情や、受け答えや顔色の違いから、親は「あ、何かあったんじゃないかな?」と推測し、子どもの小さな危険信号を察しなければなりません。
そんな時に、テレビやゲームに子守をさせてしまっていると、そういった子どもの心の変化を見逃してしまうことになります。
さらに、〝テレビを見る〟という行為が、〝受動的〟であるのにも問題があります。幼児期に必要なのは、能動的にからだを動かしながら、〝脳とからだが一体となって学んでいく〟という行為です。つまり、汗を流して、からだを使って喜びを持つ、ということです。
幼児期は遊びを通じて意志が育つ時期です。その遊びとは、リアルな体験の中でこそ身に付くのです。

子どものからだや暮らしの自然なリズムを大切に

子どもたちにとっての「生きる力の育成」のためには、何よりも〝家庭と言う母体が大切〟だということです。特に、幼児期、0歳から7歳までは、母親とのかかわりが大切です。
しかし、最近のお母さんたちが、きちんと自信を持って子どもと関わっているかと言うと、実際は不安なお母さんが多いと思います。
家族での食卓を大切にするあまり、お父さんが帰ってくるまでテレビなどを見て待っていたりして、結果的に子どもの就寝時間が遅くなってしまうというケースも多くなっています。
しかし、お父さんにはお父さんの世界があって、子どもには子どもの世界があります。だから、お母さんは、とにかく子どもの世界を守るために、きちんと8時半には寝かせて、10時間は眠らせてあげましょう。
子どもの睡眠というのが、脳をつくるうえでいかに大切な行為なのかを認識し、子どもの睡眠をベースにして、家族の一日の生活リズムをつくるのがお母さんの役目です。お父さんに振り回されないで、子どもの暮らしの基本を守ってあげましょう。

まとめ

シュタイナー教育とは心の教育です。子どもは自然に、内的な世界を育てていきます。そしてそれがすべてつながっていきます。
風を感じ、雲の動きに目を凝らし、太陽のあたたかさを肌で感じる。土の感触、かたい木の肌、やわらかな葉っぱ。良い匂いの草花。
このような自然を体いっぱいに感じながら、子どもの間隔を無限に広げてあげることが親の役目なのではないでしょうか。

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