シュタイナー教育を家庭から始めよう。自由への教育ですくすく子育て♪

2,618 views

子どもの力が「内側から育まれる」ことを大切にしているシュタイナー教育。そして、シュタイナー教育では幼児期の子どもたちの意識はまだまだ未発達であり、ファンタジーの世界に生きているとしています。同時に幼児期にこそ本当の意味での人間らしい感性、生きていく心(意志)をゆっくり、ゆったり育てていくことが必要であるとしています。

個性を重視し、自然の中で子どもの愛と意志を育てる「自由への教育」であるシュタイナー教育を家庭で行うポイントをご紹介します。



子どもは身近な人をまねして育つ

幼児期の子どもは全身が感覚器官となっていて、自分の目の前で起こっていることをすべて受け入れます。それは大人が意識的に行うことだけでなく、無意識的なもの(癖、しぐさ)や、大人の心の内面までも模倣します。
つまり、幼児期の子どもたちは、模倣を通して、自分のなかにさまざまなものを吸収していくのです。
シュタイナー教育では、子どもに「こうなってほしい」と願うとき、それを子どもたちに「○○しましょう」と説明するのではなく、大人が子どもにあるべき姿を実践して、その姿を子どもがまねをしていく中で、身につけて行くように導いていきます。
例えば、あいさつをきちんとする、靴を脱いだら揃える、お行儀よく食事をするなど、子どもにその方法を教える前に、大人が率先して楽しく、正しくそれらの行為をして、子どもがそれを自然にまねしたい、まねしようとしていくように導きます。
大人がきちんとした姿を見せることで子どもたちは健やかに育っていきます。だからこそ、大人は自分の行動に責任をもち、子どもに常に見られているという意識を持って生活していかなければいけません。

静かで安心できる場所が子どもの心を育てる

子どもを取り巻く人的、物的すべてにおいて、安心、安全で豊かな「環境」を作りだすことが、シュタイナー教育の基本です。
一般的に「元気な子ども」とは、とにかく一日中、大声で騒いで、元気いっぱい遊んでいる姿を想像します。そして、お母さんもついつい大声になってしまいがちです。
しかし、「元気」というのは大声を張り上げて、飛び回っていることだけではありません。大声を張り上げなくても、子どもたちには静かに集中する元気な姿というのもあります。
もともと、子どもの聴覚は大人のレベルとは違います。ちょっとしたまわりの声でも敏感に反応します。ですので、子どもと会話するときには、すっと腰を落として、子どもと同じ目線になり、子どもの耳元でささやく程度で十分です。そうすることで、子どもも、そのレベルで落ち着いた反応をしてくれます。
子どもに向かって大きな声を出したり、大きな音を立てて廊下を歩いたり、布団をバンバン叩いたりして、常に大きな音を立てると、子どもの耳にはお母さんの想像以上の大音響で響いていると思ってください。そのなかで、子どもは興奮してしまって、平安な心の状態を見失ってしまいます。
大切なのは、いつでもどこでも、子どもにとって安心できる〝心のゆりかご〟になれるように工夫することです。お母さんのちょっとした配慮で、子どもの心が静まって安心し、その安らぎの中で、子どもの魂がすくすくと育っていくようになります。

知育より、体を育てる教育を

シュタイナーは、幼児期を「からだを育てる時期」と言っています。この時期の感情や思考は膜でおおわれているような状態なので、無理に引き出してはいけません。
現代では、文字や数などの「思考」をかきたてる早期教育に重きを置く部分もありますが、それらは幼児期にはまだ必要はありません。
何かを教えたければ、わらべ歌をうたってあげましょう。そして、十分眠り、たくさん食べて、たくさん体を動かすことが大切です。

リズムの大切さ

子どもが幼い時期は、〝すべてが模倣〟なので、この時期には〝よい生活のリズムと繰り返し〟がとにかく大切です。特に、一年のリズム、一週間のリズム、毎日のリズムとその繰り返し(流れ)が子どもの成長に大きく影響します。
内と外、集中と拡散のリズムを毎日繰り返す中で、子どもの心の調和、安定が促されていきます。同時に集中力が増し、落ち着いて生活ができるようになります。

まとめ

シュタイナー教育は、日本の昔ながらの子育てと同じです。
日本でも昔から「三つ子の魂百まで」という言い方があります。この考え方と似ています。
子育ては、親が謙虚でなければけないとか、子どもを一人の人間として見つめるなかで、親子の精神性を高めていこうというところなども、日本で普通に営まれてきた子育ての基本的な考え方とシュタイナー教育の考え方は一緒です。
まずは子どものありのままの姿を受け止めて、親が一緒に考えながら歩んでいくことが大切です。

こんな記事も読まれています