集団生活が始まったら気を付けたい子どもの感染症まとめ

4,214 views

幼稚園や保育園、小学校に入学して集団生活が始まると、様々な感染症に感染してしまいがちです。 特に春~夏の季節に注意するべき、主な感染症の症状や対策について紹介します。 なるべく感染しないように、また、感染してしまったら他の人に移さないように みんなで予防を心がけましょう。



咽頭結膜熱(プール熱)

夏に多く、8月が感染のピーク。5歳以下の小児に多く、幼稚園や
保育園の特にプールでの集団感染が見られ。プールに入らなくても飛沫や糞便を通して感染します。うがい、手洗い、プールの塩素消毒などで、ある程度予防できます。学校伝染病の一つであり、主要症状がなくなった後、2日間登校禁止となります。
【病原体】 アデノウイルス
【症状】 39℃前後の発熱、結膜炎、のどの痛み
【治療法】のどや目やにからウイルスを検出する簡易診断キットがありますので、診断がつきやすくなりました。熱やのどの痛みを抑える解熱鎮痛薬を使うことがあります。高い熱が何日も続くので不安になりますが、解熱剤を使いすぎないようにします。元気がなくぐったりするとき、水分をあまり取れないときは、かかりつけ医を受診しましょう。

溶連菌感染症

溶連菌は別の大きな病気(合併症)の原因になりやすい細菌。溶連菌を完全に退治するまで、10日間~2週間ほど抗生物質を飲み続ける必要がある。
完治したかどうかは、発症時の症状が改善した2〜3週間後に尿検査をしてわかります。
【病原体】 A群溶血性レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)
【症状】 発熱(38~39℃)と、のどの痛み、嘔吐などから症状が始まる。その後、かゆみを伴う赤く細かい発しんが体や手足に現れたり、舌に苺のようなブツブツが発生(イチゴ舌)することもある。
【治療法】迅速診断キットでのどや鼻の粘液を調べると10分くらいで診断がつきます。溶連菌感染と診断がついたら10日から2週間の間抗生物質を飲みます。これは溶連菌が再発しやすく、再発を繰り返しているうちに、急性腎炎やリウマチ熱といった余病を併発するのを予防するためです。

伝染性紅斑(リンゴ病)

小学校で流行することが多く、数年に一度大流行する傾向がある。ほおに蝶の形の紅斑ができることから、リンゴ病と呼ばれる。
【病原体】 ヒトパルボウイルス
【症状】 左右の頬のびまん性紅斑、四肢の網目状の紅斑
【治療法】自然になおります。関節痛が強いときは鎮痛剤、かゆみが強いときはかゆみ止めを使用します。 入浴はかまいませんが、熱い風呂に長時間入ると発赤が強くなってきますので注意しましょう。屋外で長時間日光に当たっても発赤が強くなってきます

手足口病

夏に多く、7月が感染のピーク。乳幼児期(4歳以下)に好発する。
【病原体】 コサッキーウイルス エンテロウイルス
【症状】 頬の粘膜、手の平、足の裏などに小水疱を形成、かさぶたにならずに治る。
【治療法】治療をしなくても、自然に治る場合がほとんどです。発熱や口の中にできた粘膜疹による痛みが強い場合は、鎮痛解熱剤を使用します。口の中が痛くて水分を取れないとき、高熱を続くときは、かかりつけ医の診察を受けましょう

伝染性軟属腫(水いぼ)

皮膚の接触により感染、主にプールなどで感染が広がりやすい。
小児科などで、麻酔シールを貼ってからピンセットなどでとってもらう。
【病原体】 伝染性軟属腫ウイルス
【症状】 中心にくぼみがある半球状の皮疹ができる。痒み、痛みなどはない。いじると飛火する。
【治療法】一般的には、ピンセットで水いぼの中心にある芯をつまんで取り除きます。痛みを伴うため麻酔シールを貼ってから処置することが多いです。

こんな記事も読まれています