ハチミツは体に良いはずなのに、裏面の注意事項には「一歳未満の乳児には絶対に与えないで下さい。」
とかいてあります。
また、母子手帳や育児書などにも、同じようなことが書いてあります。
それは、どういう理由からなのでしょうか？
ポツリヌス菌のことを知っておこう
自然界にはポツリヌス菌という菌がいます。
ポツリヌス菌は、食中毒の原因にもなる菌としても、よく知られています。
ハチミツを採取して、瓶や容器に詰めるときに、稀にこの菌が混ざることがあって、乳児ポツリヌス症を引き起こす可能性があるのです。
普通は、ハチミツに含まれているポツリヌス菌の程度ならば安全だとされていますが、まだ免疫力が未熟な一歳未満の子供には、危険がある恐れがある為、与えない方がいいとされています。
ポツリヌス菌の毒素について
ポツリヌス菌の出す毒素は神経系統で、神経と筋肉の接合部に結合して、筋肉の麻痺を起こします。
腸管には平滑筋があり、腸の蠕動運動をしていますが、ポツリヌス菌症になった場合は麻痺してしまうため便秘になりやすくなります。
その上、全身の筋肉も麻痺してしまうので、呼吸が難しくなり人工呼吸器をつける必要性も出て来る可能性もあるのです。
そういう理由から、一歳未満の乳幼児にはハチミツは与えるべきではないとされているのです。
パンやお菓子にもハチミツが使用されている場合がある
例えば、普段何気なく食べているパンとか、焼き菓子、プリンとかにも、ハチミツを使用している場合があります。
加工してあるので、ほとんど影響はないものとされていますが、やはり親としては、気をつけたいポイントだと思います。
一歳以上にされば、腸内細菌が増えて、菌に対する抵抗力が強くなるとされていますが、心配な人はもう少し様子をみてからにするとか、最初はほんの少量ずつにするとか工夫をするのが安全だと思います。
妊婦さんがハチミツを食べても大丈夫？
大人が食べるのは、ほとんど心配はいらないし、胎児にも悪影響を及ぼすことはないと言われています。
ただし、それほど深刻ではありませんが、ハチミツを食べ過ぎると下痢をしやすいとも言われています。
ハチミツの成分は殆どが、糖分で、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、ショ糖などです。
この中で栄養源として優れているのは、果糖と、ブドウ糖です。
ハチミツが滋養強壮にいいと言われているのは、吸収されやすいブドウ糖が含まれているからですが、逆に果糖は、吸収され難いため、過剰に摂取した場合は、下痢になりやすいので、注意しましょう。
ハチミツは年齢に応じて適度に与えよう
上記に書いたように、過剰に摂取した場合は、下痢になりやすいですが、逆に言えば適度に摂ることで便秘の解消につながるという事になります。
大人の場合は、口内炎などにも効果がありますし、優れた自然からの贈り物だと思います。
ハチミツを子供に与える時には、年齢とともに量に注意してください。
