危険な歯みがき!乳幼児の歯ブラシによる事故5パターン

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歯みがきは子どもの健康のために欠かせない習慣です。ところが歯みがき中に歯ブラシで口の中を切る事故が発生しています。今回は、とても危険な歯みがき中の事故について、東京消防庁や国民生活センターに寄せられた事例を紹介します。



パターン1:歯ブラシを口に入れたまま移動して転倒

・歩きながら歯みがきをしていて転倒し、左上奥の歯茎に歯ブラシが刺さった。(2歳女の子・重症)
・歯みがきをしながら歩いていて転倒し、歯ブラシが右頬に刺さった。(1歳女の子・中等症)
・歯みがきをしながら走っていて転倒し、口腔深部に歯ブラシが刺さった。(2歳女の子・中等症)
・歩きながら歯みがきをしていて前向きに転倒し、右咽頭に裂傷ができた。(2歳男の子・中等症)
・歯ブラシを口に入れたまま歩いていたら布団につまずき転倒し、口の中を切った。(1歳男の子・軽傷)

歯みがき中の事故で一番多いのがこのタイプです。生命に危険がある重症の例もあるので恐ろしいのですが、歯みがき中に歩き回る子どもはとても多く危険です。

【歯ブラシを口に入れたまま、歩いたり走ったりさせない】
当たり前のことですが、絶対気をつけるべきです。

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201506/hamigaki.html

パターン2:歯みがき中に人や物と接触

・親の膝枕で兄を歯みがき中弟が親に抱きついてきて、歯ブラシで口の中を切った。(6歳男の子・中等症)
・歯ブラシをくわえたまま兄とじゃれていて兄に押されて転倒し、口の中を切った。(1歳男の子・中等症)
・歯ブラシをくわえたまま兄に追いかけられながら走ってソファーにぶつかり、歯ブラシがのどに刺さった。(1歳男の子・中等症)
・歯ブラシを口に入れたまま走り回りって壁にぶつかり、口の中を切った。(2歳女の子・中等症)
・歯ブラシを口にくわえたまま走り回ってソファーにぶつかり、口の中を切った。(1歳男の子・中等症)

ただ立っているだけでも転びやすい乳幼児が、歯ブラシを持って片手がふさがれているのだから、どんな事故が起きてもおかしくありません。

【歯みがき中は周囲にも気を配る】
兄弟ではしゃいでいて事故になるケースが多いので、とくに注意を払う必要があります。

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-kouhouka/pdf/230602.pdf

パターン3:椅子や踏み台に乗って歯みがきをしていて転倒

・椅子の上で歯ブラシをくわえていて転落し、頬部に歯ブラシが刺さった。(2歳男の子・中等症)
・高さ30㎝の椅子の上に立って歯みがきをしていて転落し、左上の臼歯内側に歯ブラシが刺さった。(1歳男の子・軽症)

洗面台に向かって歯みがきができるようになると、もう大丈夫だと思って目を離してしまうことがあると思います。乳幼児は頭が重く倒れやすいので、高い場所での歯みがきはとても危険です。

【不安定な場所で歯みがきをさせない!】
どうしても踏み台が必要な場合は、できるだけ安定した大きなものを用意して、親がそばで見守りましょう。

http://www.fdma.go.jp/html/misc/210608_kyuukyuu_jiko/pdf/01_sankou_210608.pdf

パターン4:赤ちゃんが歯みがき中に動いてしまう

歯ブラシを口にくわえたままハイハイをしようとして口の中を切った。(1歳女の子・軽症)
歯ブラシの練習をしているときに寝返りをして、 歯ブラシが喉の奥にあたり受傷した。(1歳男の子・軽症)

東京消防庁の調査では、歯みがき中に事故にあう年齢は1歳の子が最も多く、次いで2歳・3歳の順に続きます。乳幼児の4人に1人は歯ブラシによりケガをしたり、しそうになったりした経験があるそうです。また、0歳の赤ちゃんの半数以上が歯ブラシを手に持ったり口にくわえたりしたまま歩き回っているそうです。

【赤ちゃんに一人で歯みがきをさせない】
赤ちゃんの場合は、親がみがいてあげる方が良いです。一人で歯みがきをする練習を早く始めたいなら、赤ちゃん専用の歯ブラシを買って、親がしっかり見守る必要があります。コブや安全器具のついたものや持ち手がリング状のものなら、ケガをしにくくなります。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130328_5.html

パターン5:その他こんなことでも事故になる!

・すわって歯ブラシをくわえていて前のめりに倒れ、 喉からの出血が止まらなくなった。(1歳男の子・中等症)
・歯ブラシをくわえて飛び跳ねていたところ転倒し、口の中に歯ブラシが刺さった。(3歳男の子・中等症)
・歯ブラシを口にくわえて遊んでいて転倒し、口の中を切った。(5歳6か月・軽症)

小さな子どもは転びやすい上に、人が考えつかないような動きをすることがあるので注意が必要です。

【歯みがき中は目を離さず見守る】
国民生活センターの調査では、歯みがき中の事故を危ないと感じていない親が20%くらいいるという結果が出ています。確かに子どもの歯みがき中に、隣で注意していれば安全にみがくことができます。一方歯ブラシのパッケージに「歯ブラシをくわえたまま遊ばない」と書いてあることを知っている親は4割に満たないという結果も出ています。危険性をしっかり分かった上で、楽しく歯みがきの習慣をつけてあげたいですね。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20130328_5.pdf

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