1歳半健診での言葉の遅れについて親が知っておくべきこと

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1歳半健診でことばの遅れを指摘されると心配なもの。

検査はどういった目的でするのか、どの点で「要経過観察」「専門機関の受診をすすめる」を判断するのか、親としてどうとらえるべきか。

一緒に考えていきましょう。



1歳半健診で言葉の遅れを指摘されたら…どうすべき?

生後1歳6ヵ月から2歳になるまでに受ける「1歳半健診」で、言葉の遅れを指摘されるケースがあります。乳児期の健診では、体重の増え方や首すわり、寝返り、おすわり、はいはい、つかまり立ちや伝い歩きなど、運動面の発達のチェックが中心ですが、1歳半健診を受けるころには、多くの子がひとり歩きを始めていることもあり、言葉の出具合や理解力など、情緒面の発達に問題がないかが、親の方も大きな関心・気がかりとなってくるものです。そこで健診で引っかかると、親は多少なりとも動揺や不安を感じます。

ことばはこんな過程を経て育っていく

ことばが出てくる仕組みは、よく、コップに水が溜まり、あふれ出す様子に例えられます。
「ことばとして外には現れていないけれどわかっていることば」がコップいっぱいにたまると、「話しことば」としてあふれ出てきます。特に単語獲得期、幼児期前期には、「ことばがなかなか出てこない」「単語が増えない」ということに目が行きがちですが、コップの形や、ことばがたまるスピードには、それぞれの子どもの個性があるのです。

ことばの遅れの背景

1. 生理的範囲の遅れのケース
たとえば早産、未熟児で生まれた等の経緯があり、発達を修正月齢で考える必要があるケース(現在ちょうど1歳になったけれど、2ヵ月早産で生まれたので、予定日から考えると生後10ヵ月に当たるなど)。

2. 環境が多少なりとも影響しているケース
自分の中にためる単語の数、ためるスピード、それらが意味のある言葉として文としてつながっていく時期には個人差がとても大きいが、たまたまその子に適した刺激が少ない状況で、ことばの出方に影響が出ている場合など。

3. ことばだけが遅いケース
聴力、理解力、行動にも問題が見られないが、3歳過ぎ~5歳近くなってしゃべり始めるなど、ことばだけが遅い。周りの子どもたちの多くがおしゃべり上手になっていく中、コミュニケーションにストレスを感じてしまう場合も。

4. 発達障害と診断されるケース

1歳半健診でのことばの発達のチェックポイント

1歳半健診では以下の項目が重要なチェックポイントになります。
・周囲の人とコミュニケーションが取れるか(視線が合うか、声がけに反応するか、「要求」以外に「共感」、「応答」する姿が見られるか)
・聴力に問題がないか
・身体全体の成長発達の遅れが、ことばの遅れとして出てきていないか
・発語能力の遅れがないか(呼吸の調節が適切か、「アーウー」「ぱっぱっ」などの喃語を発しているか、色々な音が作れているか)
・ことばがなかなか出てこないことや、日々の親子のコミュニケーションに関して、親が何らかの不安を感じていないか

1歳半健診は、母子保健法に定められた乳幼児健康診査の1つ。各市町村が実施し、基本的にすべての対象児が受けるシステムになっており、身体の発育状況、栄養状態、病気・障害やその可能性があるかどうかを診ます。特に重視されるのは、周囲とコミュニケーションが取れているかどうかです。

具体的には、次のような項目を設け、問診や、対面の声がけに対する反応でチェックしていきます。
・身の回りのことばがどのくらい理解できるか?
・身振りや音声のまねが見られるか?
・泣くときや怒ったとき以外の穏やかな場面でも、発声が見られるか?
・身振り手振りや発声など、複数のコミュニケーション手段を使ってやりとりしているか?
など総合的に見ていきます。

気にしなくてもいいパターンも多々あります。

ただ、ことばの出方がゆっくりで、健診時のチェックで期待通りの反応が見られなくても、問診によって、日常生活の中でことば以外の手段(身振り手振りや表情など)でコミュニケーションが取れていたり、自分の気持ちを表現できていたり、「ごみ、ポイして」などの簡単なことばの意味が理解できていたりする様子が確認できれば、「様子を見ましょう」となる場合がほとんどです。2歳を過ぎてからの再チェックの場を設定されるケースもあれば、そのまま3歳児健診を迎える場合もあります。

2歳を過ぎても単語が増えず、単語は出てきてもなかなか2語文に発展しないという状況が続くと、専門機関に相談をした方がよいのかどうかという親の心配が大きくなるようです。

筆者の子供は1歳半検診のときにことばの遅れを指摘されませんでしたが、自主的に地域の「言葉の教室」へ通い始めました。
その後、2歳半のときに知的障害の判定を受けました。
検診で指摘されなくても先々発達障害だと判定されるケースもありますが、逆に指摘されていても次の検診時にはなにもない場合もあります。
不安に思うことがあれば、単に結果だけを鵜呑みにせず、自分から質問をしたり、相談機関へ相談してみましょう!

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