女の子の子育てにおいて、「人を愛し、人から愛される幸せな人生を、自らの生きがいをもって賢明に生きていくことができる女性」に育って欲しいと願う親御さんは多いと思います。もちろん、「よい学校に入って欲しい」「経済的に自立してほしい。」など、考え方は人それぞれですが、おそらく多くの親御さんの本音は、
娘が将来「幸せな人生」を送ることができる人間になること。
ではないでしょうか?ここでは、大切なお嬢さんが「幸せな人生を送れる大人」になっていくために、特に注意したいことを5つお伝えしたいと思います。
子どものためになる、一番望ましい叱り方
子どもを叱ったり、言い聞かせたりする時に大切なことは、きちんとメリハリをつけて、
「自分は今叱られている」
と、リアルに体で感じられるように伝えなければいえません。
ただし、大声で怒鳴ったり、ヒステリックにガミガミ言うのは逆効果です。
叱る時のポイントは、
①低めの落ち着いた声で、ゆっくりと話しかける。
②じっと子どもの目を見て、語りかける。
③何がどうダメなのか「具体的に」叱る。
④悪いことをしたときに「すぐ」叱る。
普段は優しくておおらかなお母さんが、いつもと違う接し方をすることが、「私は今叱られているんだ」という緊張感を与えます。ですので、普段からガミガミと怒鳴り立てるよりも、このようにメリハリをつけることでずっと伝わります。
「勉強しなさい!」をやめてみる
「幸せに生きていくためには、勉強して学力をつけさせることが重要」と考えている親は多いと思います。
しかし、人生を生きていく上で、何よりも重要なものの一つは、子どもが「これさえあれば幸せ!」と感じられる「没頭できる何か」を見つけることです。
我を忘れて没頭できる、心から夢中になれるものを見つけられることが、幸福な人生を送っていくためには、何よりも大切です。
勉強や習い事は、それを発見するための手段にすぎません。子どもに「幸せな人生を」と願うのなら、「勉強しなさい」とばかり言うのではなく、「お子さんが生涯にわたって夢中になれるのも探しのお手伝い」をしてあげるべきです。
例えば、土いじりばかりしている子に「服が汚れるからやめなさい!」と言ったり、熱心にマンガを描いている子どもに「マンガばかり描いて。いい加減にやめて勉強しなさい!」と言ってしまったり…
このようなことの繰り返しで、多くの親は子どもが夢中になれそうな行動の芽を摘んでしまっているのです。
子どもが何か、夢中になっているものがあったら、もしそれが親には意味のないものや役に立たないもののように思えても、できるだけやめさせず、前向きに見守ってあげましょう。
大切なのは、「親が子どもにしてほしいこと」をさせることではなく、「子どもが夢中になっている世界」を見守って、子どもの中に隠れている才能の芽をゆっくり育てていくことです。
子どもの「ハマっている」状態を見逃さない!
子どもは、何かに夢中になって我を忘れると、自分の世界にどっぷりと浸りきってしまうので、周囲のことがあまり入ってこなくなります。
お母さんからすると、「いい加減にしなさい!」と言いたくなるところですが、実はこんなときこそ、子どもの隠れた才能が光り輝き始める、宝のような瞬間です。早ければ2歳頃から、この「無我夢中の時間」が始まります。
この宝のような時間を、できれば大切に見守ってあげて下さい。
「働く楽しさ」を知っている女性に育てる
これからの不安定な世の中を考えると、女の子を「経済的に自立できる人」のように育てることは大切です。
確かに、結婚して子どもが生まれて、でも結婚相手にもし万が一のことがあったとき、そんなことを考えると、自分の娘が自分と自分の子どもの生活費を稼げるように経済力を身につけることは必要不可欠かもしれません。
しかし問題は、その「仕事の中身」です。したくもない仕事を生活のためにし続けるほど、苦痛なことはありません。
「経済的に自立してほしい」「手に職をつけてほしい」といった言葉を、女の子に直接言い続けると、その子は、「働く」ということに対して、「生活のために仕方なくすることだ」というイメージを抱いてしまいかねません。
もちろん、働くと言うことは楽しいことばかりではありません。しかし、そうした現実ばかり教える前に、まず「働くことのすばらしさ」「働くことの喜び」を娘さんに伝えてあげてください。
「勉強しなさい」と言われているとやる気をなくしてしまうのと同様に、「自立しなさい」「手に職をつけなさい」とばかり言われていると、子どもはやる気をなくしてしまいます。
「働く=楽しくて人や社会の役に立つこと」という思いをぜひ子どもに抱かせてください。
子どもは「身近な人との交流」から「したい仕事」をみつける
働くことの喜びや楽しさを子どもに伝えるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
お勧めの方法としては、お父さんお母さんのお友だちで、さまざまな仕事に就いている人たちを家に呼んで、直接お子さんと話をさせることです。
現場で働いている当事者から一対一で話を聴くのは、子どもにとってとても大きな刺激になります。
そもそも、多くの子どもたちは、世の中にあるいろいろな仕事をほとんど知りません。小学校3~4年生くらいの女の子に「大人になったら何になりたい?」と聞くと、学校の先生、保育士さん、お菓子屋さん、お花屋さんなどと応えることが多いのは、実際に知っている仕事がこれくらいしかないということが多いからです。
しかし、成長するとともに、いろいろな仕事のおもしろさや喜びを感じ取らせてあげたいものです。さまざまな仕事について、実際の様子を知ることができるチャンスを少しでもたくさん与えてあげましょう。
そのために、お母さん、お父さんの交友関係をフルに使って、家に来てもらったり、家族ぐるみの付き合いをこまめにすることで、いろいろな仕事に就いている人に実際に触れさせることが一番です。