2歳は知恵の発達にともない、「やりたいこと」と「できること」のギャップからイライラしやすい時期です。子どもの言葉をオウム返しのように繰り返すことで、感情を受け止めることが大切です。タッチングや抱きしめを心がけてイライラを静めてあげましょう。
ムチャな要求をして泣くときは承認とタッチングをする
2歳になる頃は、第一次反抗期真っ盛りです。この頃は、知能が発達してきて、自分のしたいこと、やりたいことを主張するようになります。何をしても「イヤイヤ」と大人の言うことには従わず、その割には主張が一貫していないのでいったいどうしたらいいのかと、お母さんにとっては悩みの多い時期です。体の機能も言葉の発達も未熟なので、やりたくても思い通りにできず、そして伝えたいこともうまく言葉にできない…たくさんの感情はわいてくるのに、知っている言葉は「ダメ」「イヤ」くらい。子どもも子どもなりにたくさんの葛藤と戦っているのです。そんなときは、まず感情を受け止めてあげてください。子どもがイライラしたり、感情的になる一番の原因は、主張が通らないことではなく、主張が理解してもらえないからです。ですから、子どもの感情を口にしてあげ、背中をポンポンとタッチングするだけで、親に理解してもらえたと思い、落ち着いてきます。しかし、感情を受け止めたからと言って、子どもの言うことを全部聞く必要はありません。
「パンがほしいのね」「でも、パンはないの」「ご飯ならあるよ」
というように、子どもの「イヤイヤ」は「感情を受け入れ、行動は正す」で対処してみましょう。
「これじゃないとダメ!」というこだわりは、承認と抱きしめでおさめていく
2歳は秩序期とも言われ、こだわりを見せる時期でもあります。「ママと一緒じゃないとねんねしない」「今日は長靴じゃないとイヤ」などと、自分なりのルールを決めて主張して、思い通りにいかないと、駄々をこねます。これは知能が発達し、社会のルールや役割を認識しだした証拠です。どうしてもこれじゃないとイヤ!と子どもが泣き叫ぶときは、まず「そうね。これじゃないとイヤなんだね」と感情を受け止めて言葉にしてあげましょう。それでも落ち着かない場合は、ぎゅっと抱きしめて「ママもこれがいいと思うよ」ととりあえず共感します。そしてやさしく「でもごめんね。今日はこれはだめなんだよ」と繰り返します。すぐに落ち着くとは限りませんが、ママが自分の気持ちを理解してくれているということは分かってくれていますので、落ち着くのを待ちましょう。
「言うことは聞かないぞ!」という主張は、受け入れて、流す
2歳の頃は最初の反抗期を迎える時期といわれます。子どもは、反抗しながら自我を確立していきます。反抗とは、自分の存在や意思を主張し、社会の中で生きていくために大切な、人間のもつ性質なのです。
この反抗についての対処法ですが、例えば「ご飯食べない!」と言い出したら、「そう、食べないのね」と受け流した後、お母さんがおいしそうにご飯を食べましょう。残念ながら反抗期に反抗をやめさせることはできません。上手に受け入れ、受け流しながら、「いずれおさまる」とつぶやいて乗り越えましょう。
「一人でやる!」と言って集中しているときは無言で見守る
2歳児は反抗期である一方、知能も著しく発達します。言葉をよく話し、親の言ったことをかなり理解できるようになります。そして、集中力のつく時期でもあります。子どもが一人でじっと遊んでいるときは集中しているときです。決して声をかけず、そっとしておいてあげてください。そして、急に「ママ抱っこしてー」と言ってきたときは、思う存分集中して遊んで満足した時です。「アーン」と泣いてきたときは、何かできないことなどにぶつかり、気持ちがそれてしまったのでしょう。「できなかったんだね」とその気持ちを受け入れて言葉にしてあげましょう。
うまくできなくて泣きわめくときは「手伝おうか?」「ママがやろうか?」と質問してみる
2歳児がイライラする理由は二つあります。一つは伝えたいことを理解してもらえないとき、もう一つは、イメージ通りにできないときです。できないイライラには、一度ぎゅっと抱きしめ、タッチングしながら「できなかったんだね」と感情を受け入れたうえで、「手伝ってあげようか?」「代わりにやってあげようか?」と聞いてみましょう。そして、全くやってあげるのではなく、少しだけ手助けをしてあげ、課題を一つ一つクリアしていくことで、「できた!」という達成感を味わう経験ができます。