産後 おかあさんの体に起きる様々な変化

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出産直後はまるで交通事故に遭ったときと同じくらいのダメージがある、と聞いたことがありますが、本当にその通り、まさに満身創痍です。こんなに色々あるなんて…と思うほど。
産後の体の変化にはどんなものがあるのでしょう?



会陰切開の後の痛み

出産時に多くの妊婦は会陰切開をします。会陰切開とは、膣と肛門の間の皮膚を切って入り口を広げ、赤ちゃんが出て来やすいようにする事です。
会陰切開後の痛みや痛む期間は、傷の大きさや縫合に使った糸の種類、縫い方によって差があります。溶けない糸を使った場合は縫合した糸がひきつれて強く痛むこともありますが、5~6日楽になります。
抜糸をする(3.4日目)と多少楽になり、1週間すると普通に歩けるくらい楽になります。
とける糸を使用した場合抜糸しません。最近は抜糸なしが多いですね。

関節痛

出産後は体の関節の痛み、きしみが起こりやすくなります。原因はホルモンバランスが変わる事、授乳によりカルシウムが不足する事、赤ちゃんの抱っこなど足腰に負担がかかる生活になる事、妊娠中の体重増加など様々です。関節の中でも腰と膝は特に痛みます。腰痛の場合は出産によって骨盤がゆがむ事も原因のひとつに考えられます。

また妊娠中は、ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)という、炎症を抑える作用を持つホルモンが多量に分泌されますが、出産後はホルモンのバランスが変化してその結果、膝の炎症が表面化して痛みが強く出てくることがあります。しかしこの場合は生理が再開されるとホルモンバランスが安定して痛みがなくなります。

普段なら何とも思わないような動作が苦痛になるため、周りの家族や夫に事情を話し理解と協力を得るようにしましょう。床に座ることが多い場合や布団で寝る場合は、座椅子を使うと足腰への負担を減らせます。また歪んだ骨盤を引き締めるには、骨盤ベルトや産褥ガードルも有効です。

腱鞘炎(ばね指)

産後に女性が腱鞘炎になる原因は、おむつの交換や入浴で赤ちゃんを入れる時に、手首に必要以上の力が入るためです。
腱鞘炎になるママは大半が、第一子を授かった新米ママです。赤ちゃんに慎重になりすぎるあまりに、ちょっとした動作にも力が入ってしまいます。

おもに背中から頸椎と手首に力が入ってしまいやすく、赤ちゃんをしっかりと抱っこして落とさないようしようと必然的に手首を酷使しているのです。

腱鞘炎の痛みはあるとき突然やってくるので、その痛みのショックから重篤な病気になったと思うママさんも少なくはありません。
また産後のホルモンバランスの関係で腱鞘炎になりやすくなっています。
対処法としては我慢は禁物です。整形外科にかかるのが一番です。受診すると始めは問診から始まり、レントゲンを撮って更に状態をみます。

痛みの程度にもよりますがロキソニンテープの貼り薬や、ボルタレンのゲルクリームなどが病院によっては処方されます。痛みが酷く育児に差支えが出る範囲では直接患部に鎮痛剤の注射を打ちます。

痛みが出ている間は基本的に手首を酷使しないことがいち早い痛み解消に繋がります。もし、実家など甘えられる場所が近ければ、何日かご主人に御暇を貰って、赤ちゃんと一緒に里帰りしてみてもよいですね。

気になる痛みですが、不思議といつの間にか消えてしまっているのが特徴です。どうでしょう、大体子供が生後5ヶ月を迎える頃には嘘のように治っています。育児が慣れて、肩の力が抜けてきた証拠かもしれません。

抜け毛

本来女性は、男性と比べ、体質的に抜け毛になりにくく、抜け毛の悩みもかなり限定されています。その中で、産後抜け毛は、女性特有の抜け毛の悩みであり、産後、という限られた時期に起きるものという意味では、抜け毛としては特殊なものともいえるでしょう。

産後抜け毛が始まる時期は、個人差はありますが、おおむね産後2ヶ月を過ぎた頃から始まり、産後6ヶ月を過ぎる頃までは、かなり大量の抜け毛が続いていきます。
シャンプー時だけではなく、昼間の抜け毛も多くて、「産後はカーペットの掃除をすると、くっついてくる抜け毛でうんざりした。」というお話も聞きます。

科学的に証明されたわけではありませんが、男の子の産後のほうが、女の子の産後よりも、抜け毛の量が多かったような気がする、という意見もあります。
また、初産の産後抜け毛が、一番激しいようです。

妊娠中はプロゲステロンが優位に働いていますが産後、毛髪を発達させる役割のエストロゲンが急激に増加し、妊娠中に抜けるはずだった毛が一気にごっそり抜けるのです。産後半年目くらいにたくさん抜ける事もありますが、これは母乳の質が変わる為です。 髪の毛の栄養は血液の残りでまかなわれていてるのですが、産後半年目くらいで赤ちゃんの歯が生え始めると母乳の質も変わり、それに合わせてリセットするように髪の毛も一気に抜けます。

過食・体重増加

産後太りで多いのがストレスからの過食です。
また、産後はどうしても体が疲れているので、甘いものがほしくなります。
しかも、夜に寝られない、助けてもらえない、など育児のストレスが多いのでしんどいことから、発散がてらお菓子をバリバリ食べてしまいやすい!

でもお菓子をどんどんたべると、運動量は少ない産後なので、赤ちゃんが母乳を卒業する前から太ってしまったり、母乳の出が悪くなったりします。

母乳が原因の場合は卒乳と同時に食欲もおさまります。授乳期は栄養が必要なので食欲自体は問題ないのですが、高脂肪なものや甘いものばかり食べてしまうと乳腺炎の原因にもなりますし、赤ちゃんにも良くありません。母乳をあげている時の食事は低脂肪、高タンパクを心がけ、カロリーの低い和食を中心に食べるようにしましょう。1ヶ月健診で異常がなければ運動をしてカロリーを消費し、筋肉をつけて新陳代謝を良くしましょう。

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