2人目の赤ちゃんを出産する時に「VBAC」と呼ばれる出産方法があると帝王切開のママは知るはずです。お産に関しての言葉なのですが、VBACとは何か、する際の注意点や条件について解説します。
芸能人でも木下優樹菜さん、坂下千里子さんもVBAC経験者。普通分娩で産んでみたいと感じる人の出産、リスクやデメリット、メリットはどういったことがあるのでしょうか。
VBAC(ブイバック)とは何?
VBAC(ブイバック)とは 「帝王切開の後で経膣出産をすること」です。
つまり、2人目出産の出産方法で、1人目出産の時にはあまり考えないことかもしれません。
帝王切開で1人目を産むと、2人目も帝王切開になることが普通です。しかし、母親によっては自然分娩を経験してみたいと考える人がいます。そういった人は、1人目は帝王切開で出産しても2人目は自然分娩で出産します。これをVBACといいます。
VBACの正式名称は、「Vaginal Birth After Caesarean」です。
VBACのメリットとは何?
ブイバックのメリットは、ズバリ帝王切開をしなくてもいいこと。
帝王切開をする=お腹を切るわけなので、手術後はすぐに歩けません。手足のむくみもあります。入院期間も長期になってしまうため帝王切開を回避したいと思うママもいます。
帝王切開でも傷口が癒着しないように産後は散歩をしたり、歩くことをすすめられますが、それが大変でトラウマになるママもいます。
VBACでは、産後すぐに動くことができ、おっぱいを与えることも比較的簡単。入院期間も帝王切開と比べて一般的に3日~5日ほど短いです。
VBACで膣から産む経験もできるため、とても貴重だと考える人もいます。
VBACのデメリットとは何?
VBACのデメリットは、子宮破裂が起こるリスクがあることです。
ブイバックの子宮破裂率は、0.4%~0.5%。全体の出産における確率からすると低いものの、予定帝王切開と比較すると2倍の発生率になってしまいます。医療機関でも帝王切開をした母親に対して、自然分娩をすすめない医師がいます。万が一、母親の身体にリスクがある場合も帝王切開に切り替える必要があるため、高度な医療技術が必要です。
子宮破裂が起きると、最悪な場合母子ともに亡くなってしまうことがあります。
子宮破裂が起こっても
・母子とも健康な場合
・赤ちゃんが死亡する場合
・母子ともに死亡する場合
があります。問題ないケースもあるものの、赤ちゃんの死亡率リスクも予定帝王切開より高く、危険度の高い出産です。
また、帝王切開では保険対象ですがVBACは保険対象外。帝王切開の場合の方がブイバックよりも安く出産ができます。
また、通常の経膣分娩よりもVBACでは緊急対応も必要なため、麻酔科医の待機や輸血の準備なども含めて予想以上の高額になることもあります。
VBACを受けることができる妊婦さんの条件
VBACを受けるためには条件があります。
・帝王切開の理由が「骨盤の大きさ」「産道の問題」ではないこと→骨盤の大きさ、産道の問題なら、帝王切開を選択する
・帝王切開は1回のみのこと→2回以上だと子宮破裂のリスクが大きくなる
・帝王切開の術後が順調で健康体
・経膣分娩に対してのリスクがないこと
・本人が希望して家族も希望していること
・いざとなった時には緊急帝王切開、子宮破裂のための緊急手術が受けられること
これらの条件を全て兼ね備えていてはじめて、VBACの手術を受けられます。
VBACを取り入れている病院は少ないです。緊急帝王切開に対応できる病院でなくてはいけなく、
・輸血
・手術の準備
・麻酔科医がいる
・小児科医がいる
・緊急対応ができる病院
ではないと受けることができないです。また、NICU(新生児集中治療室)が併設されている、MFICU(母体胎児集中治療室)がある病院だと安心できます。
出産方法には大きく2つ!帝王切開・普通分娩
分娩方法は、大きく2つあります。自然分娩と帝王切開です。
・自然分娩
母子とも健康な場合、ママがリラックスして出産します。自然分娩には、お風呂の中の「水中出産」、座った状態での出産「座位」、ママがパパにつかまり立ちする「立位」、よつんばいで出産することもあります。
・帝王切開
帝王切開は、ママが感染症で赤ちゃんに危険がありそうな場合、逆子の場合、双子の場合、母親の身体が小さく骨盤から頭が出ないなど出産が難しい場合は、予定帝王切開のこともあります。
また、このほかに医療行為を伴っての分娩は、緊急出産・緊急分娩とも言われます。この場合、ママ、赤ちゃんに危険な場合に行われます。
昔からのお産は自然分娩ですが、母体、赤ちゃんの健康を考えて帝王切開を選択する人も増えてきました。
タレントの木下優樹菜さんも、VBAC経験者。お笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史さんの奥さんで、2人の女の子を育てています。木下さんいわく、「悩んだ末リスクがある自然分娩にチャレンジした」「私のような親不孝だった人間は陣痛を体験するべき」と話しています。1人目の莉々菜ちゃんは帝王切開。
このほか、坂下千里子さんもVBACを経験。帝王切開の傷が裂けることもあるVBACですが、自然分娩をしたいと熱望するママもいます。リスクを認識して挑むならできる病院を検索してみるのもいいかもしれません。