マタニティマーク問題の本当のこと。本当に危ないの??

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妊婦のみなさんは少なからず耳にしたことがあるのではないでしょうか。「マタニティマーク問題」。このマークをつけていると、嫌がらせを受ける、だからつけない人が増えているという話を耳にしますが、本当にそうなのでしょうか?妊婦のみなさんには特に知っておいてほしい、マタニティマーク問題の本当のこと。

マタニティマークとは。

ちょっと偏見かもしれないですが、割と都内ではこのマーク、浸透しているように思います。でも、以前関西の主人の実家へ行ったとき、このマークをつけていると珍しがられ「恥ずかしくない?」と聞かれたこともあります。実際2014年の調査では男性の6割ほどがこのマークを知らない、ということでその認知度があまり高くないことが問題視されてもいました。
そもそもこのマタニティマーク、いったい何のためのものなのか。
2006年に厚労省が作成し、運用が開始され、緊急時などに「妊婦であること」を周囲に示すことができ、的確な対応を素早く行うことができるという目的があり、交通機関では、このマークを付けた方を見かけたら「心づかいをお願いします」とアナウンスしていますね。

マタニティマーク着用でトラブル?

「妊婦なんかが電車に乗るな!」と怒鳴られたり、「席を譲ってほしいアピールに見えて腹立たしい」などの声や、真偽のほどは不明ですが「明らかに故意にお腹を押された」、「お腹を蹴られた」などの話もネット上では確認でき、「妊婦への嫌がらせ」が存在しているとか。

また、妊婦側からの発信ではなくても
「マタニティマークに気づかず、席を譲らずいたら、実は妊婦だったらしい女性に「普通席譲るでしょ!!!」と睨まれた」などの、図々しい態度の妊婦さんに会いました、という投稿を見ることがあります。

そうしたことから、マタニティマークをつけているとトラブルのもとになると思い、あえてつけない妊婦さんや隠している妊婦さんも多いそうです。

本当にマタニティマークでトラブルになるの?

私は現在3人目を妊娠中。
上の二人はフルタイムで仕事をしていましたので、ラッシュとまではいきませんが、そこそこ混み合う電車を利用しての通勤となりました。
マタニティマークを普通につけていましたが、いやがらせを受けたことなど一度もありませんし、周りに沢山いる妊婦経験者からも、そんな嫌がらせをうけたなんて話は聞いたことがありません。
どちらかというと、親切にしていただいたことのほうが多かったのです。
そしてよく聞く偽装妊婦。本当は妊婦ではないっぽいのにこのマークを提示して席を譲ってもらっている女性がいるそうなのですが、そんな人にも出会ったことがありませんし、そんな女性を見たよって話も直接には聞いたことがないのです。
すべてはネットの中の情報だけ。

なので、このマタニティマークのトラブル話を聞いたとき、思ってしまったのです。「一部のレアケースを拾い上げて、みんなが過剰反応しているのでは?」と。

マタニティマークをつけている人に席を譲る必要があるのか?

必ずしも譲る必要はない。そう思います。
妊娠中は通常時よりも色々なトラブルを体に抱えていることが多いです。
初期のつわりも(人それぞれですが)きついですし、お腹が大きくなればなったで腰痛や貧血などに悩まされている方も多いです。
でも、妊婦以外だって同じではないしょうか?具合が悪いけど仕事を休めず通勤している人もいる。パッと見分からないけれど、身体にトラブルを抱えていたり、しんどい思いをしている人は多いのです。それをみんな、我慢して電車を利用しているわけです。
あまりにも具合が悪ければ途中下車などしてやり過ごす、なんてこと経験している人も多いはず。
それなのに、妊婦は特別扱いで、あのマークをつけていたら席を譲ってあげてね、というアピールが人々に「なんだか納得いかない」という気持ちにさせてしまうのだと思うのです。特に妊婦は、その人の意思によって「妊娠」しているはずなのにって、余計に「納得いかない」、そう思われてしまうのではないかな、と思います。

まとめ

結局のところ、私が思うのは、あのマークはやっぱり必要です。
外出先で何かあった時、自分が妊娠していると知らせる手段はあったほうが良い。もちろんそんな事態はあまり起こりうることではありません。
しかし、私自身の経験なのですが、2人目妊娠中にあわやという事があったのです。
二人目は経過は非常に順調。その日も普通に出勤し、仕事を終えての帰宅中の電車で、急激に気分が悪くなりました。
座っていても冷汗が出てお腹も張って、じっとしていられないような気分の悪さでいつもとは明らかに違いました。
とにかく何とかしないと、と思い、次の停車駅でやっとの思いでホームに降りて、水もないけれど念のため持っていた張り止めの薬を飲みこんで、なんとかやり過ごしたことがあります。立ち上がると目の前がちかちかして倒れてしまいそうだったのですが、たまたま降りた駅が小さい駅で駅には駅員さんもいなくてどうしようかと思ったものでした。あの時、もし意識を失っていたら、私が妊婦であることを一目瞭然で伝える手段はあのマーク以外なかったと思うのです。

出産するまでは、何があるのか分からないからこそ、あのマークは必要だと思うのです。

ただ、あのマークをつけて電車に乗る時には周りの人に気を使わせないようにと思ってカバンの内側につけています。
お腹が大きくなってからは席と扉の隅に立って、誰かの前に立つようなことがないようにとしています。
私は別に座りたいわけではないですが、前に立たれた人は気まずい。だって「妊婦には席を譲ろう」って流れがあるからそれをしないのはマナー違反のような気がしてしまう。そんな思いを自分のせいで人にさせたくはないですよね。
そうした意味でマタニティマークを隠して電車に乗ってるという話は聞きますし、私もそのうちの一人です。

みなさん、嫌がらせを受けたという話を聞いて、お腹の赤ちゃんに何かあっては怖いし予防の意味も込めてつけなかったりするのだと思いますが、互いに互いのことを思いやっていれば、あのマークをつけていることが原因で何かトラブルになるようなことはレアケースだと思うのです。

あまりネット上の情報がすべてであると思わずに、必要以上に怖がることなく、
このマークの本来の意味を考えて少なくとも持ち歩くべきではあると、私は思います。

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