冬に多くなる乳幼児突然死症候群SIDS予防のポイント

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元気にかわいく笑っていた赤ちゃんが、何の前触れもなく急に死んでしまう。こんな悲しいことは考えたくもありませんが、親として知っておくべき病気です。現代医学をもってしても原因も対処法もはっきりしない病気「乳幼児突然死症候群」についてまとめました。



11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です

厚生労働省は平成11年から、11月を「乳幼児突然死症候群の対策強化月間」と決めて、毎年この病気に対する関心を喚起し、重点的に啓発活動を実施しています。

乳幼児突然死症候群で死亡する赤ちゃんの数は、平成9年の538人をピークに減少傾向にあり、平成25年は125人でした。
対策強化月間を始めた平成11年は412人だったので、3分の1以下に減少しています。
これは厚生省の勧める対策がある程度効果的だったと思われますが、依然として乳幼児の死亡原因の3位で、6000人~7000人に1人の割合で発症していいます

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062600.html

乳幼児突然死症候群の原因は不明

赤ちゃんの命を突然奪う怖い病気なのに、いまだに原因は分かっていません。
平成9年度の厚生省の研究で、乳幼児突然死症候群のリスクが高くなる要因がわかって、これが今の対策につながっています。

●乳幼児突然死症候群になりやすい赤ちゃんの傾向
・男の子
・早産の子
・低体重で生まれた子
・人工栄養で育っている子

●乳幼児突然死症候群になりやすい時期
・冬
・早朝から午前中

●乳幼児突然死症候群になりやすい環境
・うつぶせ寝
・両親の喫煙

このほか、双子・母の年齢が25歳未満・第3子以降であることも、乳幼児突然死症候群のリスクが高くなる要因としてあげられています。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html

あおむけ寝にしよう

乳幼児突然死症候群のほとんどは、寝ている間に起こり、あおむけ寝よりうつぶせ寝の方が多いことがわかっています。
日本にうつぶせ寝をもたらしたアメリカでも、小児科学会が横向きかあおむけで寝ることを推奨するようになりました。

12月~5月や早朝4時~午前中に多くなるので、とくに注意が必要になります。
赤ちゃんが寝ているときも、できるだけ一人にしないで、ときどき様子をみてあげられるといいですね。

睡眠中の赤ちゃんを見守る方法として、添い寝が奨励されていたこともありましたが、添い寝は危ないという説もあります。
大人のやわらかい布団で一緒に寝るのは、赤ちゃんにとってよくないようなので、避けた方が無難です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/sids_kenkyu.pdf

たばこはやめよう

たばこは赤ちゃんに有害です。
妊娠中・授乳中に母親が喫煙している場合は、赤ちゃんの体重が増えにくいなどの重大な悪影響があります。

乳幼児突然死症候群の発症率は、両親が喫煙する場合、両親が喫煙しない場合の4.7倍になるという報告があります。
妊娠中に喫煙者のそばにいることや、赤ちゃんのいる部屋で煙草を吸う人がいることでも、乳幼児突然死症候群のリスクが高まります。
さらに、たばこを吸う親が添い寝すると乳幼児突然死症候群になりやすいというデータもあります。

赤ちゃんを育てるなら、たばこはやめるべきです。

http://h-nishida.com/03sids_suimin.html

できるだけ母乳で育てよう

母乳はどんな観点から見ても素晴らしい栄養源で、赤ちゃんにとってもママにとっても母乳育児は良いことだらけです。
乳幼児突然死症候群についても、リスクを下げる効果があるようです。
アメリカでは、100%母乳で育った赤ちゃんは乳幼児突然死症候群のリスクが3分の1になる、という報告もあります。
生後2か月~6か月は、乳幼児突然死症候群が特に多い時期なので「できるだけ母乳」を心がけましょう。

乳幼児突然死症候群の原因はわかっていませんが、「うつぶせ寝・両親が喫煙・母乳でない」場合、「あおむけ寝・両親の喫煙なし・母乳」に比べて、3.00~4.83倍の高確率で乳幼児突然死症候群を発症するという研究結果があります。
乳幼児突然死症候群は、発症=死亡の恐ろしい病気です。
発症してから後悔しても遅いので、できる努力はして、大切な赤ちゃんの命を守りましょう。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/sids_leaflet_01.pdf

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