マタニティマークの問題点。付けると危険との意見もある

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2014年9月13日に内閣府が発表した「母子健康に関する世論調査(全国の成年男女3000人を対象)」で、このマークを知っている人は、男性が約41%、女性が約64%、6割の男性が知らないという結果になり、子育て支援策の周知ができていないことが明らかとなりました。

本記事では、マークの認知度アップと併せて、現状のマタニティマークの問題点などについて考えていきます。



マタニティマークとは

マタニティマークは、身体的な苦労の多い妊婦さんが、外見からは妊婦であることが分からず、周囲の人が配慮しにくいという問題を解決するために作られたものです。2006年に厚労省が作成し、運用が開始されています。

緊急時などに「妊婦であること」を周囲に示すことができ、的確な対応を素早く行うことができるという目的もあります。また、交通機関では、このマークを付けた方を見かけたら「心づかいをお願いします」とアナウンスしています。

しかし、実際の現場では「付ける派」と「付けない派」に別れるなど、複雑な状況になっています。

マーク着用が危険の声も

本来は「子ども」をみんなで守るという目的のもと、妊婦への「やさしい心づかい」を求めたこのマークでしたが、このマークを快く思わない人がいるのが事実です。

「妊婦が電車になんか乗るな!」と罵倒されたり、「席を譲れと言わんばかりで腹立たしい」などの声や、真偽のほどは不明ですが「明らかに故意にお腹を押された」、「お腹を蹴られた」などの話もネット上では確認でき、残念ながら「妊婦への嫌がらせ」が存在しています。

緊急時のために付けていたいと考えても「席を譲ってもらうつもりはないのに、前に立つと睨まれたりする。」、「基本的にマークは隠している」、「優先席に座った時だけ見えるようにしている」など、マークの使用に制限が掛かってしまっているとのこと。

複雑な心境も影響

実際に妊婦さんに話を伺ったところ、結婚や妊娠という話は、妊娠したくてもなかなか恵まれない人や、独身の方、子どもは持たないという方がいる状況で、言葉は悪いが「幸せアピール」「ひけらかし」を行っているようで、どう思われるのか不安だという。

また、身近な人間への配慮で付けていないということも。マタニティマークは、TPOに応じて付けたり隠したりという事が必要なものとなっているとのことでした。

モラルなきマークの使用も

「妊婦なのだから、席を譲ってもらって当然」という態度や、「マークを目の前にだされて「席譲って」と言われた」、「席を譲ったのに礼のひとつもない」など、使用者のモラルに疑問があがる体験談もネット上で散見されます。

また、マークの取得には必ずしも「母子手帳」の提示を求められず、雑誌の付録やオークションなどでも入手可能なことから、妊婦ではない人間の「悪用」という制度的な問題も存在します。

マタニティマークの今後

今回はマーク着用によるネガティブな面に焦点あてましたが、当然、メリットが無いわけではなく、心づかいをいただけたという声も多くあるのも事実です。

複雑な状況におかれてしまった「マタニティマーク」ですが、まずは認知度アップ、そしてどういうマークなのか理解が必要不可欠です。

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