子どもが成長していくには、楽しみながら学ぶこと、辛さや痛みを経験しながら学ぶことの2つの要素があります。辛さや痛みを伴う場合は、「勇気」が必要になります。その勇気とは、心の力とも言えます。ここでは、唱えることで勇気が付き、気持ちが前向きになれるじゅもんをご紹介します。
「必ず帰ってくるから大丈夫!」
初めての保育園やお留守番など、また日常の「ちょっと待っててね」という場合も、お母さんと離れる時には、子どもは不安を感じることがあります。お母さんにとっても、初めてのときはただでさえ不安なのに、子どもに泣かれたり、ぐずられたりすると、つい決心が揺らいでしまうこともあります。
しかし、子どもの心は柔軟です。母子分離は大切な自立の第一歩ですから、お母さん自身もこのじゅもんを唱えながら、子どもを信じて実行するようにしましょう。
「すぐによくなるから大丈夫だよ!」
転んだりぶつかったり、子どもにケガはつきものです。時にはお友だちとのやり取りの中でゴツンとやられて痛い!ということもあるでしょう。こんな時子どもにとっては、痛みそのものよりも、不安や怖さのほうに気を取られることが多いようです。転んでお母さんを見た時に、お母さんが「大丈夫だよ」という態度でいると、子どもはまず落ち着くことができます。
小さな危険や怪我を経験することは、子どもの危険回避能力を育てます。たくましい子に育ってほしい、そのためにも痛い思いをした子どもに勇気のじゅもんを贈ってあげてください。
「少しずつ上手になるから大丈夫!」
お手伝いをしようとしたのにうまくいかなかったり、他の子はできるのに自分だけできなかったりすることはたくさんあります。本人は一生懸命やっているのに、失敗した時は、子どもも落ち込みやすいものです。
しかし、幼い子供の個人差は、固定化した能力の差というよりも、発達度合いの違いであることがしばしばです。だから、今できなくても、発達が進めばできるようになっていくことがほとんどです。
また、得意不得意は誰にでもあるものです。少しぐらい苦手なことがあっても全然平気です。逆に大好きで得意なこともきっとあるはずです。
できないからといってすぐに手を貸してあげたくなるところですが、そこはぐっと我慢して、子どもを見守ってあげてください。そして、子どもが手助けを求めたときだけ助けてあげるようにしましょう。
「ゆっくり慣れていけば大丈夫!」
犬や猫といった動物や、滑り台や鉄棒を怖がるなど、大人から見れば大したことのないことでも、子どもはそれを怖がることがあります。
子どもによっては、無理強いすると余計怯えてしまうこともあるので、焦らずにゆっくりと子どもの心が「やりたくなる」のを待ちましょう。
それには、子どもが怖いと思うことを、お母さんが楽しそうにやって見せたり、お友だちがやっているのを一緒に見たりするといいでしょう。
そして、それができたときには「頑張ったね!」とその努力を誉めてあげてください。子どものやる気と自信につながります。
「けんかしちゃうことがあっても大丈夫!」
幼稚園も年長さんぐらいになると、いじめっ子がいたり、複雑なケンカが起こったりします。気持ちが傷ついたり、翌日まで気になったりということも増えてきます。
しかし、ケンカは子どもの遊び方の一つと言えるほどよく起こることで、そこからたくさんのことを学びます。日常的なケンカの範囲なら、大らかに構えていて大丈夫です。
それでも子どもがくよくよしてしまうなら、それはケンカしたことだけに意識が向いてしまうからです。そんな時は、他にも仲良しのお友だちがいることや、また仲良く遊べる日もあるということを伝えてあげましょう。