1歳半になると離乳食も終わり、歯も生えてきて、大人と同じ食事が食べられるようになります。同時に、好き嫌いが出てくるのもこの時期。子供の情緒面の発達としては9ヶ月から1歳ごろの「人見知り」に続いて、自我が出てきたことで、食事が大変という声もたくさん聞いてきました。とくに好き嫌いが激しく、口をぎゅっと閉じて嫌いなものを受け付けない、無理に食べさせようとすると火のついたように、大泣きして… という光景が日常茶飯事でしょうか。とくに、野菜嫌いなお子さんも多いのですが、好きなものだけを食べさせるわけにもいかず、困ったママ・パパに、野菜の素材を生かしたレシピを紹介します。
にんじんのソテー
まず、子供が嫌いな野菜、にんじん。生臭くて、青臭くて、細かく刻んでもなかなか口に入れてくれなかったり、吐き出したり。
βカロテン(ビタミンA)をはじめ、にんじんには大切な栄養も多く、子供にはぜひ食べさせたいものです。しかしなかなかレシピもないし、濃い味付けもしたくない。そんなママにおススメなのが、ただのソテー、です。
ポイントは、にんじんの皮をむいた後、最初に軽く塩もみして、さらに薄めの塩水で水から湯がくこと。湯がきすぎたら形が崩れるのでだめです。
そのあとで、輪切りかスティックにして、サラダオイルかオリーブオイルでこんがりと焼き目がつくまで焼きましょう。とても甘いですよ。
電子レンジでも、濡れペーパータオルで包んで蒸したあと、フライパンでソテーをすると、同じように中までやわらかく、甘い1品の出来上がりです。
ピーマン入りのハンバーグ
子供が嫌いな野菜NO1はピーマンでしょうか。わが家の娘も、セロリとピーマンは、見るだけで目に涙をためるくらい嫌いでした。
焼いたりスープにしたり、ひき肉をつめたり、フライにもしましたがやはりだめ。
しかし不思議とハンバーグに入れたら、少し大きめでも、「ピーマンって味ないね」と食べてくれるようになりました。
わが家の下の娘はアトピー性皮膚炎だったので、つなぎに卵を使うことができず、少しぱさぱさしたハンバーグでしたが、しっかり牛と豚のミンチだけをこねて粘りを出した後、たまねぎとピーマンの賽の目を、ごろごろと入れて、整形しました。
もちろん、娘たちにも手伝わせて、一口サイズのハンバーグがたくさんできました。
くぼみをつけて焼くのですが、フライパンではなくオーブンで焼くと、表面がこんがり、肉汁も閉じ込めて、たまねぎの甘さとピーマンの苦味が、それなりに混ざっておいしく出来上がりました。
たまねぎとにんじんとベーコンの串焼き
子供が大好きなソーセージ。少し塩分もありますがベーコンの厚切りもおいしいですね。
ブロックのベーコンを買ってきて、3センチ角切りにして、湯通ししますと、その湯もコンソメやブイヨンなどのスープの出汁になりますし、ベーコンの塩気も減ります。
この塩気を減らしたベーコンは、野菜との相性が抜群。特にわが家では、子供の苦手なにんじんと、ベーコンで挟んで串焼きにしました。
大きな竹串で、何個ものベーコンとにんじん、そして焼くと甘くなるたまねぎをグサッと串刺しにするだけ。中東料理のケバブを見て思いつきました。
もちろんタレなくてもおいしいですし、大きな竹串は危ないというママは、爪楊枝でにんじんとベーコンの2個だけ刺して焼いてそのまま食卓へ。
子供たちに手伝わせると、嫌いなにんじんでも食べるようになりました。
かぼちゃとひき肉を炊く
秋から冬にかけては、かぼちゃやサツマイモがおいしい時期。
かぼちゃが嫌いなお子さんはあまりいないと思いますが、栄養が豊富な野菜ですので、毎日のように食卓に出してください。
かぼちゃの煮物だけでは飽きてしまいますから、わが家でもさまざまなレシピを試してみましたが、好評だったのが、かぼちゃチップスと、かぼちゃとひき肉の炊き合わせ。
かぼちゃチップスは、スライサーでかぼちゃを薄く切って、ただ焼くだけ。両面をこんがりと焼くだけなので簡単料理ですが、本当に安価で栄養満点。
そして炊き合わせは、5センチ程度にカットしたかぼちゃをゴロゴロとなべに入れて、みりんもしくはお酒としょうゆで煮るだけなのですが、ポイントは、出し昆布を少し入れること、かぼちゃの皮の難い部分は、それだけを小さく切って入れること。かぼちゃの皮付きは見た目にきれいですが、青い皮が硬くて嫌いなお子さんもいますので、栄養のある皮まで食べるには、一工夫してください。
最後に、鳥でも豚でも良いのですが合い挽きミンチをなべの中に入れるのですが、ちょっと多いかな? という量を投入。栄養の吸収が良くなる両素材です。
無理をしないで食材そのものを味わって
野菜が嫌いになるお子さんはたくさんいます。
ママもパパも心当たりがあるでしょう。だから当たり前のこととして受け止めてあげてください。
野菜嫌いをなくそう! と肩肘張ってがんばると、ママも疲れてしまいますし、ついつい子供を怒鳴ってしまいます。無理やり食べさせても、その場は食べるかもしれませんが、将来大きくなっても食べつづけるようにするには、「野菜のおいしさ」を、親子で味わいましょう。
よく「家庭菜園」でトマトを育てるとか、ベランダ菜園のススメなどの記事も目にしますが、私が娘を育ててきて思うのは、楽しい食卓の雰囲気と、お手伝いが大事だということです。
楽しい夕食は、おかず全てがおいしく思えますし、いくら手抜きだからといっても、ママやパパが一所懸命作ったのを見ている子供たちは、学校や幼稚園の話をしながら良くかんで食べます。
そしてもう少し大きくなれば、お手伝いをしたがりますから、チャンスですね。子供の包丁は、よく切れるものを買ってあげてください。