熱中症!甲子園に学ぶ子どものお出かけでやりがちなNG集

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夏はキャンプやスポーツ観戦など、団体での外出が多くなります。

いっぱい楽しんで欲しいけど、厳しい暑さのなか、熱中症で倒れてしまう人が多くなっています。

今回は、子どもが外出先でやってしまいそうなNG行動を集めました。



NGその1 濡れタオルを首に巻く

濡れたタオルを首に巻くのは、熱中症対策の定番ですが、これには注意が必要です。
そもそも濡れタオルが、熱中症予防になるのは、首の後ろが冷やされるから。
首の後ろの大きな動脈が冷えると、そこで冷やされた血液が全身を回って体温を下げてくれます。

甲子園の応援団も、氷を大量に用意して、冷たい濡れタオルを配ります。
これで顔や首を冷やすと生き返ります。

でも、真夏の暑さの中、濡れタオルが冷たいのは一瞬、すぐに蒸しタオルになってしまいます。
蒸しタオルは、首の後ろを温めるので全身の保温に役立ちます。
また、首からの空気の出入りを防ぎ、洋服の中の湿気や熱気を逃しません。

ということで、完全に逆効果になってしまいます。
野球の応援団も、使った濡れタオルはさっさと返して、また応援に専念します。
濡れタオルをもらったら、冷たい間だけ気持ちよく使って、いつまでも首に巻いておかないようにしましょう。

NGその2 のどが渇くまで飲み物を温存する

午前中は涼しいから、飲み物はお昼まで我慢しよう。
朝たっぷり飲んだから、面倒だし、今は飲まなくていいや。
こんなふうに、考えてしまうお子さん、多いんです。

でも、これは危険!
だんだん暑くなって熱中症になる寸前、のどの渇きは全然感じないんです。
のどがカラカラに乾いてから熱中症になるわけではなく、のどがかわかないまま熱中症で倒れてしまいます。

だから、給水タイムは必ず水分を取りましょう。
甲子園の応援団は、切りの良い所でタイミングよく給水しています。
飲み損ねると大変なので、チャンスがあればこまめにのみます。

のどが渇く前に飲む。暑い所に行く前に飲む。が基本です。
そのために、重くても十分な水分を用意して出かけましょう。
水分は、水より麦茶、麦茶よりスポーツドリンクがいいです。

NGその3 お出かけ1日目は元気だから少しくらい無理してもいい

旅行で体調を崩す人は、案外1日目から調子が悪くなります。
熱中症の場合も、1日目こそ注意が必要です。

人間は、徐々に暑さに慣れて夏を乗り切り、次に寒さに慣れて冬を乗り越えます。
急に暑くなったり寒くなったりすることには耐えられません。
高温の所で上手に汗をかけるようになるには、3日はかかるそうです。

野球の選手が、猛暑日に長時間全力で戦えるのは、長期に渡る訓練があるからです。
涼しい地方の選手は、早めに甲子園入りして暑さに慣れることもありますよね。

子どもの外出も初日から油断しないように。
とくに、前の日に嬉しくて眠れなかった場合は、熱中症にもなりやすいから要注意です。
また、同じ理由で、前の日よりグンと気温が上がった日も注意が必要です。

NGその4 今日は曇っているから大丈夫

熱中症による死亡事故は、直射日光の当たる屋外に集中しているわけではありません。
ニュースを見ていると、むしろ、室内の方が多い気がしますし、曇りの日にも発生しています。

熱中症は、体温調節がうまくできなくなって起こります。
体温を下げるため、ふつう次の3つを行っています。
・血流をよくして、熱を体外に出す
・汗をいっぱい流して、熱を外に逃がす
・骨格筋をゆるめて熱をあまり発生させない

室内や曇りの日、少し気温が低い日は、湿度が高くなる傾向があります。
湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、汗をかいても体温を下げることができません。
だから、湿度が高いときは、熱中症になりやすいときです。

甲子園は「蒸し暑い」とよく言われます。
暑いだけでなく「蒸している」つまり「湿度が高い」から、本当に過酷です。
曇りの日も、もちろん晴れの日と同じように、暑さ対策をおこたりません。

NGその5 みんな大丈夫なんだから、私も大丈夫

少し無理してもみんなと合わせることが大事なこともありますが、体調に関しては、協調性は捨てましょう。
30人で野球をして、1万人が応援していて、倒れるのは1人か数人です。
ほとんどの人は大丈夫なんです。

自分の体調が悪いときは、無理をせず、別行動で休憩をする勇気も必要です。
具合が悪くなったら、遠慮しないで誰かに話して休むように。

親が一緒でない外出はとくに心配ですが、子どもにとっては貴重な経験になります。
しっかり準備をして送り出して、元気に帰ってくるのを待ちたいですね。

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