注意欠陥多動性障害(AD/HD)の子に見られる特徴的な行動

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「片時もじっとしていられない」「一緒にスーパーにいくことすら不可能」など他の事同じようにできない“発達障害”と言われる子供がいます。

新学期が始まり、保育園や幼稚園などに入園すると他の子との違いが目立つようになってきます。

そこで今回は発達障害の中でも注意欠陥多動性障害(AD/HD)の特徴的な行動とサポート方法についてご紹介したいと思います。



1. 発達障害の種類

日本の発達障害者支援法によれば、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」が発達障害とされています。
その中で知的障害を伴わないものとして
・学習障害(LD)
・注意欠陥多動性障害(AD/HD)
・高機能広汎性発達障害(高機能PDD)があります。

2. 注意欠陥多動性障害(AD/HD)の特徴的な行動

・落ち着きがなく、注意を持続することが難しい
 →授業中立ち歩く、または途中でどこかに行ってしまう。
・気が散りやすい。集中力が続かない。
 →与えられた課題が終わっていなくてもあちこち手を出してしまう。
・失くし物や忘れ物をしやすい
 →おもちゃや文具など失くし物や落し物が多い。宿題等忘れ物をすることがよくある。
・ルールが守れない
 →衝動を抑えることが出来ず、待つことが苦手なので順番を守ることが出来ない。割り込みをしてしまう。

3. 発達障害は不幸?

「自分の子供に障害があったら…」と打ちのめされる人もいるでしょう。
確かに集団生活の中で“不便”なことはありますが、それは“不幸”なことではありません。
一番不幸なのは、障害の特性を周囲に理解されることなく、家庭や学校で叱られてばかりになってしまうことです。
また、ママ自身も「自分の育て方のせい」と責めたり、周囲から「あなたの育て方が悪い」「躾が出来ていない」と責められたりと、子育てを楽しめずに子供にも悪影響を与えてしまいます。

4. AD/HDの子供との接し方

・よく褒めてあげる
 →悪いことをした場合は叱っても構いませんが、何よりも褒めてあげることが大事です。
・才能を発見する
 →自分の好きなことに関しては集中力を遺憾なく発揮することが多いです。子供が興味のあることを発見し、サポートしてあげれば才能を伸ばしてあげることが出来ます。
・不安の軽減を図る
 →突然の予定変更などに強い不安を感じるため、予定の変更は最小限とし、予測可能で安全な環境にします。また、不意打ち等びっくりするようなことはしないように気を付けます。

5. AD/HDについての注意点

AD/HDは誤診が多い障害でもあります。特に早生まれの小さい子供や、低学年のうちは誤診に要注意です。
・忘れ物が多いからとAD/HDを疑う前に忘れ物トレーニングをしてあげてください。子供の忘れ物は親の少しのお手伝いで改善されます。
・AD/HDは多動性を伴わない注意欠陥障害はあっても、注意欠陥障害を伴わない多動性のみの症状はありません。多動性が気になる場合は、注意欠陥の症状も当てはまるか注意してみてください。
・小さい子供の場合は誤診されるケースが多いので、1度診断された場合は成長してからもう1度診断を受けなおして下さい。
・AD/HDの診断には時間と根気が必要です。適切な病院を選び、諦めず根気強く何度も足を運んで下さい。
・薬物治療は危険を伴います。特に小さい子供の薬物治療は慎重にしてください。薬物治療の前に、他の医師や支援センターの意見を聞くことも大切です。

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