子どもの食物アレルギーについての基礎知識まとめ

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筆者の息子は乳製品を食べ、それが口の周りなどに付くと、赤く腫れ少し痒みもあるようです。ですので、かかりつけ医からは、「付いたらすぐに洗い流すように」と言われています。

これも一種の食物アレルギーですが、予防することはできるのでしょうか?他のものも注意して食べさせた方が良いのでしょうか?

<予防することはできる?>

よく妊娠中に牛乳や卵などを食べすぎると、産まれてくる子どものアレルゲンになる傾向がある、ということを聞いたりしますが、これは本当なのでしょうか?
実は、これは全く関係なく予防効果は無いそうです。
お母さんの中には、アレルギーを心配するあまり、妊娠中に限らず、授乳中や離乳食などで、牛乳や卵、小麦粉などを、まだアレルギーの症状が出ていないにもかかわらず排除してしまっている方もいるようですが、これは効果がありません。
我が息子も、口の周りの赤味はありますが、重篤な症状は無いことから、医師からは「食べられるなら食べた方が良い」と言われています。

<母乳は大丈夫?>

母乳には子どもをアレルギーにする要素はありません。むしろ、食物アレルギーを抑える物質が含まれているとのこと。
ただし、母乳育児中に子どもが食物アレルギーと診断された場合には、母親がその食品を除去する必要が出てくることもあります。とは言え、それにより母親の栄養障害が引き起こされたり、母親のストレスになってしまったりする場合には、母乳育児にこだわらず、アレルギー用ミルクへの切り替えという選択肢もあります。いずれにせよ、医師とご相談ください。

<花粉症だと果物はNG?>

先日、某テレビ番組で花粉症と果物のアレルギーの関連性について特集が組まれていました。
我が息子もアレルギー検査で花粉がアレルゲンと診断されたときに、医師からは「果物は大丈夫?」と聞かれたのですが、これは、果物と花粉が構造の近いタンパク質を持っているため、花粉症の人は果物がアレルゲンになることがあるからだそうです。
構造が似ているのは、例えば、ハンノキや白樺花粉とリンゴ、桃、苺など、ブタクサでメロンやキュウリなど、スギ花粉でトマトなどがあるそうです。全員がそうではありませんが、心配な場合には、様子を見ながら少量ずつ食べさせるようにしましょう。

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<卵アレルギーだけど予防接種は受けられる?>

インフルエンザのワクチンに関しては、製造の過程で卵が使われていますが、最近では感染したワクチンにはほとんど卵の残留物はないようです。
卵アレルギーの程度にもよるようですが、軽いアレルギーであれば問題はありません。重篤な症状が出てくる場合には、予防接種前に医師に相談してください。

<最後に>

筆者の息子の場合、最初は口の周りが軽く赤くなる程度なので、あまり気にしていなかったのですが、手に少量ヨーグルトが付いた状態で顔中を触ってしまったときに、ひどく痒がって赤味もひどくなってしまったので(特に目の周り)、それからは十分気を付けるようになりました。
ですが、アレルギーを恐れて栄養のあるものをどんどん除去してしまっては、健康や成長に悪影響を与えてしまいます。医師や専門家などに相談し、必要最小限の除去を行い、楽しく食生活が送れるようにしたいですね。

参考:「気になる食物アレルギー」監修/斎藤博久(国立成育医療センター研究所 免疫アレルギー研究部 部長)、お話/大矢幸弘(国立成育医療センター 第一専門診療部アレルギー科 医長)『NHK すくすく子育て March 2009』

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