さかごってどんな状態?お産までに治るの?

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妊娠後期になると、赤ちゃんは頭を下にした姿勢で落ち着きます。

しかし中には足やおしりが下になっている、いわゆる「さかご」になる赤ちゃんも少なくありません。

お産の時までに自然に治ることも多い「さかご」ですが、どうしてなるのでしょうか?

今回は「さかご」についてのお話をさせて頂きます。



どうして「さかご」になるの?

妊娠30週を過ぎた頃になると、お腹の中の赤ちゃんは頭を下にした「頭位」の姿勢で落ちつくのが一般的です。

これに対して、足やおしりが下になっているのが「さかご(骨盤位)」。
原因はいくつかあり、赤ちゃん側の要因では双子以上の多児妊娠であることや、胎児奇形など。
母体側の要因では前置胎盤などの胎盤の位置問題や、子宮筋腫、双角子宮などが考えられます。

ですが、原因がわかるのはほんの一部で、ほとんどは何故「さかご」になったか分からないことも多いのです。

「さかご」はどんな格好をしているの?

「さかご」というと、誰もが、通常と逆で頭を上にしているイメージを浮かべると思いますが、赤ちゃんの姿勢によって名称が大きく3つに分けられています。

最も多いとされるのは、お尻を下にした「殿位」。
頭の次に大きなお尻が下になっており、さかごの中ではリスクが低いため、産院の方針やお母さんの希望によっては経膣分娩が可能なこともあります。

それ以外では、膝を曲げた状態の「膝位」と、足を下にした状態の「足位」があります。
どちらも細い足の後に一番大きな頭を出産するのは危険を伴うため、お産までに治らなければ帝王切開となります。

「さかご」はどうすれば治る?

さかごを治す方法はいくつかあり、産院の方針によっても違います。
自然に治るのを待つ場合もあれば、さかごの治りやすい大勢を指導してくれる場合もあります。

また、医師がさ「外回転術」というお腹の上から赤ちゃんを回して位置を治す方法をとる場合もありますが、かなりの技術を要するためにあまり行われることは無いようです。

自分で無理に治そうとせず、産院の方針に従うようにしましょう。

「さかご」の時に注意するべきことは?

「普通の状態と違う」と言われてしまうと色々なことが心配になってしまうと思いますが、特に神経質になりすぎる必要はありません。
病的な原因がない限りは、おなかが張りやすかったり早産になりやすい等のトラブルもありませんので、医師から特別な指示が無ければ普段通りに過ごして大丈夫です。

臨月に入ったら、破水してしまうのを避けるために激しい運動を避け、安静にしているようにしましょう。
万が一前期破水になってしまった場合、へその緒が赤ちゃんより先に体外へ出てしまう恐れがあります。
破水かもと思ったら、すぐに産院に連絡しましょう。

「さかご」の出産はどうなるの?

「さかご」の場合、通常の経膣分娩では一番大きな頭を最後に娩出することになります。
そうすると、骨盤と赤ちゃんの頭の間にへその緒が挟まり、赤ちゃんへの酸素供給がストップしてしまったり、圧迫により赤ちゃんの心拍が低下し、胎児機能不全などのリスクがあります。

ですので、基本的には帝王切開での出産となります。
自然分娩をしたいと思う気持ちがあるかもしれませんが、赤ちゃんの命が第一です。
出産方法については、産院の医師とよく相談しておきましょう。

いかがでしたか?
誰にでも起こりうる「さかご」。
正しい知識を持って、焦らずに、出産を楽しみに思えるようにしましょう。

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