順調に育っていると思っていた子供。しかし、ある日突然、あれ?っと成長に疑問を持ったら、それは発達障害に分類される自閉症かもしれません。
子供の成長に不安を抱える方、周囲に自閉症児がいる方に正しい知識を取り入れていただきたいと思います。
自閉症って?
自閉症はその文字から、多くの人が「心を閉ざす状態」と勘違いされているようですが、先天的な脳の機能障害の事を言います。つまり、心の病ではありません。
正しい知識がないために、幼少期の育て方が悪かったのか?テレビばかり見せていたせいか?甘やかし過ぎたせいか?と自分を責めてしまう母親が多いようです。しかし、この障害に育て方は関係ありませんので、それは誤った考え方だと言えます。
自閉症の特徴
1.対人的な問題
人に関心がない、または人見知りが全くない。つまり、相手との関係性が理解できず、不適切な言動をとってしまいます。
また人に関心がある場合でも自分の言動を一方的に押し付けてしまいます。
2.コミュニケーションが困難
言語の発育が遅れることが大きな特徴です。中には言語の発育に遅れがない場合もありますが、発語に偏りが見られます。
誰かと一緒に遊ぶことが苦手で、1人遊びを好みます。また、呼びかけなどに反応しないことも多く、まるで聞こえていないような感じです。
3.こだわり
ある部分に強くこだわります。具体例として
・食べ物
・道順
・物を並べる
・色
・テレビなどの台詞
といったものです。このこだわりの強さは、健常の方には理解できないレベルのものです。
常に同じであることを好むため、少しでも違ったりするとパニックを起こし、泣き叫んだり、暴れたりします。
また、常同行動といわれる行動も特徴的です。
・手のひらをヒラヒラさせる
・一箇所でクルクル回る
・ピョンピョン飛び跳ねる
・耳を塞ぐ
など、同じ行動を繰り返します。
自閉症を疑ったらどうすればいいの?
いざ、自分の子供が自閉症ではないか?と思ってもどう動けば良いのか躊躇するものです。実際、自閉症といっても症状は千差万別ですので、様々な機関に相談し、発達検査を受けましょう。発達検査とは言語・コミュニケーション能力・運動能力などを検査し、年齢に対する発育の状態を調べるものです。
主な相談機関
・小児科医
・地域の保険機関
・療育施設
療育と訓練
療育とは言語や運動機能に遅れがみられる場合、それぞれに合った方法でトレーニングを行い、生活の不自由を軽減しようとするものです。
できるだけ早期に取り組むことが望ましいとされていますが、医師の診断等がないと取り組むことの出来ないシステムが多いため、早期に前述の相談機関へ相談されることをおすすめします。
最後に
自閉症は障害であり、治ることはありません。ただ、長期にわたる療育や、訓練の甲斐があって、特徴が目立たなくなり、社会で活躍している人も大勢います。
周囲の方々と協力し、この障害と向き合っていきましょう。