赤ちゃんは無条件でお母さんの声が大好き。やさしい声にのって読んでもらう絵本は当然赤ちゃんにとって至福の時間です。ですが、間違った絵本の使い方をしているお母さんも多いんです。
今回は元福音館書店絵本研究室にいらっしゃった先生の講習会で聞いた、絵本のまちがった使い方をご紹介します。
0歳から2歳までの絵本の役割
絵本の役割は年齢によってかわってきます。
ですが、子供にとって絵本とは「楽しくておもしろいもの」というのは、どの年齢でも同じこと。
0歳~2歳の赤ちゃんはまだ言葉をあまり知らず、絵本を読んであげても意味があるのかな?なんてお思いですが、大脳生理学では、人間の脳の発達は3歳までに70%出来上がってしまうのです。
絵本の読み聞かせはお母さんとのふれあいの時間でもあるし、楽しい物語へ連れて行ってくれる時間です。
この時期に絵本を読み聞かせしていないのは「幸せを捨てている」んだそうです。
絵本は文字を覚える道具ではない
2歳までの幼児には絵本は物語を読むもの、聞かせるものなのです。
そこでまちがった絵本の使い方の1つ
『文字を教える道具として使わない』
「これなんて読むかわかる?」などと、絵ではなく文字を読ませると文字そのものの意味がわからず、幼児期特有のぽちぽち読みをしてしまいます。
これでは、絵本の楽しさは全く伝わりません。
絵本のストーリーや可愛い絵ではなく絵本を「勉強するもの」と認識してしまう危険性があるのです。
もし、文字を覚えさせたかったら、きちんとテキストで教える方が子供にとってもいいのです。
絵本を使って知識をあたえない
絵本を使ってよくやっていませんか?
「この中に木は何本ある?」
「この色何色?」「これとこれ、どっちが大きい?」
というような、絵本のストーリーには関係ない質問。
一見教育的によさそうではありますが、実はこの行為が絵本の本当の力を損なうことになります。
しつけの道具に使わない。
絵本にはいろいろなお話しがでてきます。
クマさんが泥遊びを楽しんでいるイラストを見せて「この子、どろんこ遊びしてだめね~」「これじゃ汚れてばっちばっちだね」など、ストーリーそのものを否定するのは問題外。
絵本をしつけの道具にすると、子供はそのうち絵本がつまらなくなって読むことをしなくなるそうです。
絵本は楽しむもの
上の3つはどれも「教育」「勉強」「しつけ」など子供が楽しくなるようなものではありません。本来絵本とは楽しむものなので、早い時期にこのようなことを繰り返していると絵本自体に興味がなるなるんだそうです。
では子供が自発的に言ってきたらどうなのか?
例えば絵本を見て「ママ!木いっぱいあるね。いくつあるの?」とか「どろんこだめだよねー」と言ってきた時はどうしたらいいのか。
子供からの問いかけならむしろ大歓迎だそうです。それだけ絵本に興味があると言うことです。
ポイントは親が無理やり子供にしない。ということなんですね。
2歳までは字を覚えたかったらテキストで。しつけをしたかったら別のもの。知識を与えたかったら図鑑がいいそうです。
もちろん年齢が上がるにつれてこのような行為は障害にならなくなります。
ですが、まだ現実とファンタジーの区別がつかない2歳までの子どもには極力さけたほうが良いでしょう。