乳幼児に増えている『くる病』とは?症状と予防まとめ

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最近乳幼児の間で増えている『くる病』はご存知ですか?一時期ニュースで話題になったので耳にした方も多いでしょう。

日本では、戦後の一時期などに見られましたが、食料事情の改善とともに姿を消し、過去の病気と思われてきました。その過去の病気が今また増加傾向にあるのです。

なぜ今またくる病が増えているのか、その原因と症状、予防をまとめてみました。



『くる病』ってどんな病気?

くる病とは、成長期(骨の発育期)の小児でカルシウムが骨に沈着せず、軟らかい骨様組織が増加している状態をいいます。多くの場合、骨の成長障害および骨格や軟骨部の変形を伴います。
 原因はビタミンD欠乏、ビタミンDの合成障害、ビタミンD受容体の異常、リンの不足、腎尿細管障害などさまざまです。

O脚、肋骨のこぶ(肋骨念珠(ろっこつねんじゅ))、肋骨の前方突出(鳩胸(はとむね))、低身長などを示します。骨X線検査では、主に成長が盛んな膝(ひざ)、手関節のX線像が診断に役立ちます。

発病するのは生後3カ月から6歳くらいまでの乳幼児ですが、親などが子どもの異変に気づいても、くる病が原因だと判明するまでに時間がかかるケースが多いこともあります。

http://health.goo.ne.jp/medical/10181400

『くる病』になる原因

くる病の主な原因は血液中のビタミンD不足です。
ビタミンDは食べ物から摂取されるほか、日光が皮膚にあたっても作られます。

ビタミンDは皮膚が紫外線の照射を受けて、コレステロールから生合成されます。しかし、乳児ではそれだけでは不十分なため、食物からの摂取が必要で、とくに極小未熟児ではビタミンD欠乏になりやすいことが知られています。

なので言い換えれば日光浴不足、栄養不足がくる病になる原因ともいえます。

なぜ現代の乳幼児に増えているのか

それではなぜ現代人に増えたのでしょうか。その背景には3つのことがありました。

一つはアレルギーの子供の増加です。
ビタミンDを多く含む食品は卵、魚類ですが、アレルギー疾患の増加に伴い卵の摂取を控えることが増加したことや、魚離れが再度増加してきたことが原因です。

そしてもう一つが完全母乳が増えてきていること。
母乳育児には、さまざまな長所があり、1980年代の末から、ユニセフやWHOが推進しています。
現在、国内でも広く推奨されているため完全母乳で育てている人も多いです。

ただ、母乳だけだと、ビタミンDが不足しがちなことに注意が必要だといいます。
母乳栄養は赤ちゃんにとって、とてもいいことですがビタミンDだけは、ミルクに比べ、非常に少ないと分かっているんです。
ビタミンD欠乏性くる病になっている子どもは、ほとんどが完全母乳栄養の方に起こっています。

そしてもう一つは赤ちゃんには日光浴がよくない、紫外線がよくないという情報がたくさん出ている為に過剰に日光をさけてしまい、皮膚でビタミンDが作れなくなっているからです。

以上の事が現代くる病が増えている原因とも言われています。

http://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=1190

うちの子、もしかしてくる病かも?

まずくる病の疑いがある時は医師に相談してください。
筆者も子供が1歳半頃、歩き方に違和感を感じて病院に行きました。

その子の症状や年齢にもよりますが、血液中のリン、ビタミンDが減少していないかを検査したり、膝(ひざ)、手関節のX線像が診断に役立ちます。

もし、くる病と判断されたのならば薬物療法としてビタミンD製剤を投与します。
また骨の変形を起こしてしまうと、骨の固定や手術による矯正が必要となってきます。

病気はすべてそうですが、早期診断し、早期治療を始めることが重要です。
早い子では半年ぐらいで改善されたケースも多々ありますので、くる病と診断されても大丈夫です。

くる病の予防

くる病にならないように普段から予防をしましょう。

まず前提として、母乳には、たくさんいいところがありますし、紫外線も浴び過ぎはよくありません。
それを踏まえたうえで、母乳育児の赤ちゃんは、適度に外に出て日の光を浴びてください。適度な日光浴はビタミンDをつくります。

離乳食の時期になったら、ビタミンDが豊富な魚や、卵などをとるように心がけてください。
アレルギーがある場合は、医師や管理栄養士とよく相談するといいでしょう。

どうでしたか。
なんでもやりすぎ、やらなすぎはよくないということですね。
くる病の予防はどれも無理せず、普段の育児の中でできることです。
くる病対策だけではなく、赤ちゃんは外に出ることで風を肌で感じ、木や光など目で楽しみます。お天気の良い日には赤ちゃんと一緒に外に出てみましょう。

http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/10/1017.html

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