子育て心理学から学ぶ、小学校までに経験させたい3つのこと

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小学校のママが感じているお悩みをご存知でしょうか。6歳児のママが悩んでいる多くが3つの「ない状態」なんです。

それは『自主性がない』『やる気がない』『頑張れない』

この悩みは子供の年齢が6歳を過ぎたあたりから急激に増加します。この3つの「ない状態」に陥らないためには6歳までにどんな子育てをすべきか、その鍵は小学校に入る前の経験不足だったのです。

なぜ6歳からこの悩みが増えるのか、どんな経験をしたほうがいいのか、子育て心理学を踏まえてご紹介します。



小学校に急増する理由と共通点

お子さんの年齢が6歳過ぎたあたりから急に増えるのが、
「自主性がない」「やる気に欠ける」「すぐにくじけてしまう」
というお悩み。
その年頃になって急に目立ってくるのは、小学生になって”勉強”という新たなタスクが加わることで、自主性ややる気が露呈されやすいという理由があります。
今までの保育園、幼稚園と違い小学校では勉強と言う目に見える順位、成績、学力が出てきます。
その結果、困難にぶつかった時に頑張る子とすぐ諦めてしまったり、そのものに対してやる気をなくす子の差が出てくるのです。

しかし、これらは、6歳過ぎて突如現れる現象ではなく、その根っこは幼少期にあるケースが多いようです。「集中力」や「粘り強さ」などの強弱は、ある程度生まれつきということが心理学の研究で分かっていますが、「自主性」や「やる気」は、生まれてからの経験を通し、育てることができるタイプの気質部分。つまり、幼稚園くらいまでの親子の関わり合い方が土台になっているのです。

『自主性がない』『やる気がない』『頑張れない』子供たちには共通点がありました。
それは3つの経験が全般的に少ない傾向があるということ。
それではその3つの経験をご紹介します。

耐える経験が少ない

子育て心理学では、子供が感じるべき不安感やフラストレーションを、親が取り除いてはいけないとしています。
アメリカ心理学会の会長をつとめたセリグマン博士も、「子供はいつもいつもご機嫌でいる必要はない。成長のためには、悲しみや不安、怒りを感じることも非常に大切」と言っています。

苦痛に耐える習慣がないと脳幹は萎縮してしまうらしいのです。
今の子供たちはいわば「便利な世の中」にいるので苦痛に耐える経験が自然と減ってきました。
例えば快適な空調設備は暑さ・寒さに耐える経験を、コンビニと自販機は喉の渇きと空腹の経験を奪い去り、便利で快適が当然の世の中に生まれた子ども達には、辛い状況でも頑張るという習慣が無くなり、苦痛に耐える力が育たなくなるのです。

http://www.izumi.ed.jp/colmun-backup-064.html

乗り越える経験が少ない

子供が新たなことをやり遂げるためには、失敗をし、悔しい思いをし、成功するまで繰り返す必要があります。
親が取って代われるものではありません。正しくは、取って代わってはいけないものです。

不快な気分やフラストレーションは、その子が強くなるための必要なエッセンスです。
ですが、子供に困難があると親が子供の側で見守るだけではなく「かわいそうだ」と回避させてしまう事が多いのです。
確かに子供の苦しむ姿を見るのは親として辛いのは当然です。ついつい手を差し伸べてしまいたくなりますよね。
ですが、その行為はせっかくの強くなるチャンスを逸してしまっていることになります。
そう、イヤな気分にさせるのがかわいそうなのではなく、チャンスをつぶしてしまっていることの方がずっとかわいそうなのです。
まさに、「可愛い子には旅をさせよ」というわけです。

「やってあげた方が簡単」「待ってあげる方がずっと大変…」とおっしゃるママもいます。確かに、ママが手を出した方が早いし、簡単だし、完璧なんですよね。
子供の動作を見守るということは、親にとっても大きなチャレンジなんです。

人は困難を乗り越えてこそ強くなるもの。そう思って親もじっと我慢しましょう。

自ら決断する経験が少ない

人生とは決断の連続です。
もちろんその決断で大きなミスをしてしまい人生が悪いほうに転がる事も多々あります。

幼少期の決断は親からしてみたらとても簡単な事が多いのです。
例えば寒い日に子供が半そでを着たいと言っても親が「風邪を引くからこっちの服にしなさい」と言って長袖を着せます。大人にとっては寒いと風邪をひくから暖かい服装にする。という当たり前の事も子供には難しい考えなのです。
そこで子供が半そでを着て風邪をひき失敗するのも実は子供にとっては良いことなんです。
子供に任せると変なものばかり選ぶ。アレはだめ。これにしなさい。
決断までに時間がかかるから「早くきめなさい」とあせらせる。こんな経験はありませんか?
子供のうちに小さな失敗をしないと、大人になった時に決断を誤り大きな失敗をするケースがあります。

とは言ってもまだ未就園児にすべての決断をさせるのも危険です。
「こっちとこっちどっちがいい?」「夕飯までの間何をしたい?」など狭い範囲から決断させていくと良いでしょう。

もし悪い決断をしたら、その決断が何故いけないのかをキチンと説明し理解させて、自らの判断において『これはこうだからやってはいけないんだ』と決断させることも大切です。

http://matome.naver.jp/odai/2141049633322924901

小学校前に

こうやってイヤだな、大変だなという思いをして、自分でやる力、耐えながら頑張る力は身についていきます。
これを「イヤな気分にさせまい」と、先回りしてやってあげたり、道を平たんに整えてあげると、子供は「物事は自分の思うようにスイスイ進むものだ」と感じるようになり、小学校に上がって、急に机に向かわなくてはいけない、自分でやらなくてはいけない、というときに、その子の耐性の低さが露呈されてしまうのです。

そうなる前に少しずつ子供に耐える経験、乗り越える経験、自ら決断する経験をさせてあげましょう。
それはどんな小さな経験でもかまいません。成功だけではなく、むしろ失敗が子供の財産になっていきます。
親は「木に立って見る」と書きます。少し離れたところで子供の成長を見守るのも親の勤めなのではないでしょうか。

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