3歳はなんでも「自分でやってみたい」と言いだす自立の時期です。自分でやってみたい割にはうまくできないし、どうやったらいいかの方法が分からず失敗もします。「一緒にやろうか?」「手伝おうか?」と上手に提案しながら、子どもが自分でできるよう援助してあげることで自立心と達成感を育てます。
「どうしたらいい?」で、責任の取り方を考えさせる
例えば、自分で牛乳をコップにつごうとしたときにこぼしてしまった時、「こぼしちゃったね」と、子どもがしたことを具体的に口に出して言ってください。これで子どもは自分が牛乳をこぼしてしまった事実を再認識し、反省をします。その後冷静に「どうしたらいい?」と尋ねてみて下さい。失敗した後の処理の仕方を自分で考えさせるのです。もし、「分からない」と答えるようなら、「こぼしてしまったら、ふきんできれいにふこうね」と声を掛け、一緒に拭いてあげましょう。このように、失敗しないように生きることを教えるのではなく、失敗した時には自分で責任を取ればいいということを教えてあげましょう。失敗を恐れず、何にでも挑戦する勇気のある子に育ちます。
「自分でやる」には「いいよ」と言って最後までやり遂げさせる
3歳は自分のことは自分でできるようになる自立の時期です。どんどん挑戦させ、最後までやり抜くことを身につけさせましょう。この時期に「ダメ!」と制止ばかりしていると、「ママやって~」「ご飯まだ?」などと、依存型の人間になってしまいます。例えば、「お皿洗いたい!」と子どもが言ったら、ぜひ洗わせてあげてください。キッチンの周りは水浸しになるでしょう。そうしたら、「水浸しだね、どうしたらいい?」と聞いてあげましょう。こうしてとことん最後までやらせます。とても時間がかかりますし、時にはイラッとすることもあるかもしれませんが、お手伝いは子どもが人生で初めて経験する仕事だと言われています。最後まで自分でやり遂げることをしっかりと教えてあげると、大人になってから与えられた仕事に責任を持ち、やり遂げる人になります。
「どれにする?」と聞くと問題解決できる子になる
人には「シェマ」といって、経験を重ねることで身に付く自然な動作があります。例えば、手を洗う時ほとんど無意識的に袖をまくりませんか?これはおそらく、以前袖をまくらずに手を洗って濡らしてしまった経験が一度はあるからです。このように人は経験することで、いろいろな態度や行為を学んでいきます。ですので、親が子どもの身の回りの世話を何でもやってしまうと、子ども自身が考え対応する力が育たなくなってしまいます。
例えば、子どもが「暑い」と言ったとき、「暑いね。どうしたらいいと思う?」と聞いてあげましょう。豊かな発想が出てくる子に育っていきます。
3歳だと、「どうしたい?」と尋ねても「分からない」ということもあるでしょう。まだ経験値が足りないのです。そんな時はできるだけ多くの選択肢を与えて、解決策を提案してあげましょう。この時。ママに負担のかかる選択肢は出さないように注意してください。
「できないよー」と泣いたら「どうしてほしい?」と尋ねてみる
何でも自分でやりたがるくせに、うまくできないと泣きべそになります。そして代わりにやってあげると「自分でやる!」と言い張り、また上手にできなくて泣きだす…。一体何がしたいの?とイラッとしてしまうことがあります。
子どもには子どもなりの理想像というものがあり、できると思っていたのにできなかったりすると、その理想とのギャップが悔しくて泣いてしまうのです。そんな時は「うまくできないのね?」と現状を言葉にしてあげましょう。そして「どうしたいの?」と尋ねてみましょう。自分でやり遂げたい子どもには「手伝おうか?」と尋ね、「手伝って」という言葉を教えてあげて下さい。そうすることで、手伝ってもらえば目標を達成できることを知ります。やり方が分からない子どもには、「教えて」という言葉を教えてあげることで、知識を得る手段を学びます。
「そうなのね。それで?」
3歳の子が言いつけに来るのは、自分の感情を受け入れてほしいからです。複雑な感情を繰り返し言葉にしてあげることで、気持ちが落ち着いてきます。例えば、兄妹喧嘩で妹が訴えてきたときは、まず「お兄ちゃんが叩いたのね」と言って、子どもの言葉を繰り返してあげることで、子どもは今起こったことが理解できます。そして「それで?」と次の言葉を促しましょう。これを繰り返し、ひたすら話を聞いて「それで?」と尋ねてあげることが大切です。自分の思いをすべて話したと思ったところで、すっきりしてまた遊びに戻っていくでしょう。