妊娠37週を過ぎたら、いよいよいつ陣痛が来てもおかしくありません。
陣痛が来て気付かない人はいないと思いますが、破水に関してはそうとはいえません。
今回は、意外と気づきにくい「高位破水」についてのお話です。
破水とは?
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で、卵膜という羊水の入った薄い膜につつまれています。
この卵膜が破れ、羊水がお母さんの体外へと流れ出すことを破水と言います。
通常の破水は卵膜の下側、つまり子宮口へと近い場所が破け、勢いよく無色無臭の羊水が流れ出します。
「ぱちん、と音がして、水風船が破裂したよう」と感じる人も多いです。
高位破水とは?
羊膜が下部から破れる通常の破水に対して、その名前の通り、「高位」…高い位置、つまり子宮口から遠い位置から羊膜が破れて破水してしまうことを高位破水といいます。
この場合、通常の破水と違って羊水はゆっくり、チョロチョロとしか出ないため、尿漏れなどと勘違いして破水していることに気付かない人も多いのです。
破水に気付かないとどうなるの?
今まで羊膜に包まれて守られていた赤ちゃんも、羊膜が破れ羊水が無くなってしまっては非常に無防備な状態です。雑菌などが子宮口に入ってしまう恐れがありますので、すぐさま病院に行きましょう。
破水に気付かないまま入浴やウォシュレットなどを使ってしまった場合は、そのことを必ず医師に伝えて下さい。
高位破水と尿漏れの違い、見分け方は?
まず、羊水は尿と違い、無色無臭です。独特の生臭さがあるなど多少個人差のある場合がありますが、アンモニア臭がすることはありませんので、匂いはひとつの目安になります。
また、尿とちがい自分の意思で止めることができません。
動いていても止まっていても、とにかくチョロチョロでてきてしまって止まらないという場合は高位破水を疑って下さい。
高位破水したかも?どうすれば?
高位破水の見分け方を説明しても、実際は素人が判断するのは中々大変です。
自分は「尿漏れ」だと思っても、それが万が一「高位破水」であった場合、放っておいては胎児の命に影響しかねません。
ですから、できれば産婦人科へ行って、破水か尿漏れか確認してもらって下さい。
「万が一尿漏れだった場合、恥ずかしい…」という思いもあるかと思いますが、元気な赤ちゃんを産むためです。
実際、破水を疑って産婦人科にかかったけれど、尿漏れだった、なんていうのは良くあることですから、気にしすぎないで下さいね。
いかがでしたでしょうか?
大人になって尿漏れを人にさとられるのは恥ずかしいかもしれませんが、お母さんの不安は出産に悪影響です。何か不安を感じるようであれば、必ず信頼できる産婦人科の先生にご相談下さいね。