東京都の出生率が上がってきているという明るい話題とは裏腹に、地方の深刻な高齢化や出生率の伸び悩みなど、未来に不安を感じてしまうような話題もよく耳にするこの頃です。
そんな中、子育てを応援する制度を用意してPRを行っている地域も目立ってきています。
今回は、そんな子育て世帯を歓迎する地域をいくつかピックアップしてみました。移住する事は、人生の中の大きな決断にはなりますが、「こういう選択肢もあるんだなぁ」と興味を持つきっかけになればと思います。
長野県伊那市
『日本「住みたい田舎」ベストランキング!』(田舎暮らしの本 2015/2号、宝島社)の「子育て世代にピッタリな田舎部門」第1位に選ばれている、長野県伊那市。
教育、食育、地域での子育てなどに力を入れており、更にその独自性が注目を集めています。
また、保育料や医療費などが抑えられ、出産祝い金がもらえるなどの魅力もあります。6ヶ月児相談に行くと、地元産の木で作られた贈り物や絵本のプレゼントもあるようです。
移住者を積極的に受け入れているそうで、移住相談サポートもしっかり整っています。住宅の事、就労の事が相談できるセミナーが開かれており、主要都市でも出張相談が定期的に行われているとのことです。
山梨県北杜市
美しい自然、様々なアクティビティが楽しめる環境が整う山梨県北杜市。
第2子以降の保育料が無料という制度が大変魅力的な制度になっています。また、幼稚園の保育料の減免もあるようです。
民間の力も含め、働きながらの子育て支援にも力が入れられています。未就学児だけでなく、小学校に上がってからの子供の居場所(学童保育)も充実しています。ひとつの方針に子供を縛る事のない、のびのびとした教育環境も魅力のひとつです。
住居については、子育て世帯の公営住宅入居の優遇制度もあります。子育て支援を目的とした、支援住宅も続々と建設計画が進められているようです。
東京などの首都圏へは車で2時間程度というアクセスの良さと、日本を誇る自然の豊かさを兼ね備えた地域です。
北海道三笠市
ここ数年、移住や子育ての支援を充実させ始めた北海道三笠市。春夏の心地よい気候、秋は紅葉、冬には良質な雪でウインタースポーツを楽しめます。道外からの移住者にとっては驚きの連続かもしれません。
歴史を感じられる観光地や、味わい深い特産物の数々も魅力のひとつです。
代表的な子育て支援としては、紙おむつの助成(月ごとに上限あり)、保育料の補助があります。
若年者の移住の支援に力を入れており、家賃や建設費の助成が充実しています。農業や商店経営などにチャレンジする人への支援も行われています。
北海道の広大な土地の中で、今までよりもぐっとゆとりある生活が期待できます。
北海道西興部村
引き続き北海道ですが、紋別郡にある西興部村です。充実した移住、定住の支援が整っているため、耳にした事のある方もいるかもしれません。狩猟免許取得の支援という地域独特の支援から、公衆無線LANのサービス、フレッツ光の加入促進など現代的な支援まで様々な事が行われている、小さいながらも活発な村です。
大変驚きのポイントとなるのは、住宅建設100万円補助・宅地料金10年間無料という制度です。また、村内の中学2年生全員が対象の海外研修もあるそうです。
エンゼル祝金という出産の際の助成や、経済困難を抱える世帯への学用品等にかかる費用の援助も行われています。
親子での山村留学の制度もあり、まずはそちらを検討してみるのも手です。
最後に
ここでご紹介した地域はほんの一部に過ぎません。少子高齢化に伴う過疎が進み、年々活性化の為に力を入れる地域は必然的に増えています。
若年層の移住を促すには、子育てや住居の支援を充実させるというのが定石となりつつあるので、今後の子供の教育や自分自身の生き方を見据える際に、視野に入れてみるのも良いかもしれません。
今までは、都市の生活から離れてスローライフを望む、という時に厳しい現実も伴う事が多くありましたが、そういったギャップを埋める為のサポートに力を入れ始めているようです。
都市部に住み小さな子供がいる世帯にとって聞き慣れた「待機児童」の問題も、全くない場合が殆どです。
少子化が進む中、どうにかしようとしても子供がいる世帯にとって厳しい現実が都市には多くあります。子供に優しく、地域全体で子供を育てるという事に魅力を感じるならば、おすすめの選択肢のひとつでしょう。