念願の妊娠。
でも、どうしても起こってしまう、流産。
この流産の確率はなんと、妊娠全体の約15%とかなり高めです。
年齢により確率が上がったりもしますが、若いからといって経験しないわけでもありません。
そして、流産といってもいろんな種類があります。
今回は流産のことについて調べていきましょう。
流産の種類
流産には大きくわけて5種類あります。
●稽留流産(けいりゅうりゅうざん)
胎芽(胎児)が子宮内で死亡していて、子宮内に停留している状態。母体に自覚症状がないことが多い。
●進行流産(しんこうりゅうざん)
流産が現在進行形で進んでいる状態のこと。出血が増え、かたまりなどが出てくる。陣痛のような下腹部痛がある。
●不全流産(ふぜんりゅうざん)
胎芽(胎児)およびその付着物が、完全に子宮から出てきていない状態。一部が子宮内に残っている。出血が続き、生理痛のひどい腹痛がずっと続く。
●完全流産(かんぜんりゅうざん)
胎芽(胎児)およびその付着物が、完全に子宮から出てしまう状態。人工的処置が不要。今まで続いていた下腹部痛や出血がおさまる。
●化学的流産(かがくてきりゅうざん)
受精はしたけれど、着床がうまくいかなかった状態。通常の生理が始まったのと同じ状態。検査薬の精度がよくなったのと、フライング検査をする人が増えたため、本来知らないはずの流産に気づいてしまう。
「流産かもしれない」と宣告を受けた時点で、どのような状態なのかは人それぞれ。
そして人工的処置が必要な場合もあれば、不要な場合も。
お医者さんとしっかり相談し、納得した上で今後のことを決めましょう。
切迫流産と流産の違い
同じ「流産」と名前がついていますが、全く異なるものです。
●切迫流産とは
妊娠22週未満の時期に、子宮からの出血や下腹部痛がある状態。つまり、「流産になりかけている状態」のことです。この場合、必ずしも流産になるとは限らず、自宅安静や服薬、入院などで正常な妊娠の状態になることもあります。
前に説明した5つの流産でも、出血することや下腹部痛があることを説明しましたが、その症状が出たからといって諦めないでください。
そのような症状がでた場合、かかりつけに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
流産の手術って?
完全流産と化学的流産以外は、その後の経過によっては人工的処置、つまり手術が必要になってきます。
どういった流れでの手術になるのでしょうか?
経過状態にもよりますが、一般的な方法をご紹介します。
●子宮口を開ける
子宮口、つまり胎児が出てくる道を開けてあげなければいけません。
経産婦や不全流産などの場合は不要なこともありますが、だいたいが手術前日にラミナリアなどを膣内にいれます。
●胎児を取りだす
子宮口が十分に開いたことを確認した上で、器具を使用して胎児や子宮内に残っている付着物を取り出します。
●手術時間
だいたい5~10分くらいとのことです。
●入院?日帰り?
病院によって違います。日帰り手術を行っているところでは、数時間後に退院、入院が必要なところでは翌日に退院となるのが通常のようです。
●その後の処置
一週間後の診察で何も異常がなく、術後二~四週間後で生理が再開すれば、今回の妊娠については完了したとみなされます。
●費用は?
健康保険が使用できます。日帰り・入院の別もありますが、数万円でおさまるようです。
●麻酔は?
多くが全身麻酔のようです。まれに局部麻酔の時もあるようですね。
流産後に妊娠しやすいってホント?
「流産したあとは、妊娠しやすい」そんな話を聞いたことがある人もいるはず。
実際のところはどうなのでしょうか?
実は、医学的にも証明されていることなのだそうです。
つまり、妊娠の確率があがるということです。
仕組みとしては、流産することによって子宮の中がきれいになり、着床しやすくなるということです。
ただ、子宮の状態が完全に戻っていない状態での妊娠は、また流産になったりすることもあるとのこと。
お医者様の指示をしっかり聞き、流産後何度の生理を見送れば妊娠しても大丈夫なのかを守りましょう。
流産を経験したお母さんへ
流産することは、母体のせいではないことがほとんどです。
自然淘汰といって、どうしても生まれてくることができない、弱い赤ちゃんが流産してしまうのです。
経験したくないことですが、もし経験することがあっても、絶対に自分を責めないでください。
また、しばらくは外に出たくない気分にもなると思いますが、それでもいいと思います。
ゆっくり身体と心を休め、また赤ちゃんがきてくれるように環境を整えましょう。
まとめ
妊娠すれば、必ず出産できるものだと思っていた。
筆者がそうでした。
でもそうでもないこともわかって、なおさら妊娠について不安になりつつも尊い気持ちになりました。
ちょっとお休みの期間に、子宮にいいドリンクを飲んでみたり、骨盤体操をしたりと、できることもあります。
きっとまた赤ちゃんはきてくれる。
そう信じて、その時を待ちましょう。