出産時にはその場で臨機応変に医療処置が行われることがあります。
陣痛で頑張っている最中に承諾を求められることも…!
そんな時パニックにならないようにどんな医療処置をどんな理由で行われるのか知っておきましょう。
今回は出産をスムーズに進めるための医療措置をまとめました。
剃毛
カミソリや、サージカルクリッパーを使って陰毛を部分的に剃ったり短くカットされることがあります。
会陰切開を行う場合や裂傷してしまった場合は傷を縫合する必要があるからです。
陰毛が残っていると縫合の邪魔になるだけでなく産後悪露などで傷口の清浄が保てなくなるため感染症を引き起こす可能性もあります。
また、帝王切開の場合はメスを入れる部分に陰毛がかかっている場合に剃られます。
いずれも全部ではなく必要な部分だけですので産後の生活に特に大きな変化はありません。
導尿
陣痛が強くなりトイレまで歩けない場合や破水後の感染症予防のために柔らかいカテーテルを尿道口から入れて尿をだす処置「導尿」を行われることがあります。
破水後には必ず行うという病産院もあるようですよ。
抵抗を感じる妊婦さんも多いですが膀胱に尿がたまりすぎると陣痛が微弱になったり赤ちゃんが下がりにくくなることもあるので怖がらずに処置を受けましょう。
また、帝王切開の場合は手術ですので必ず導尿は行われます。
普通分娩の際は分娩終了後、問題なくトイレに行ける状態ならばすぐにカテーテルは抜かれますが、帝王切開の場合は術後の安静と麻酔の効果の影響があるため一晩から一日は導尿したままとなります。
陣痛誘発剤・促進剤の使用
微弱陣痛でお産がなかなか進まず長期化してしまう場合や、赤ちゃんが危険な状態になった時などに陣痛を起こしたり強めたりする薬を投薬される場合があります。
陣痛誘発剤・促進剤はノーリスクというわけではないので同意書の提示があるのできちんと内容を理解しサインするようにしましょう。
また以下のような場合も投薬の可能性があります。
・妊娠42週を過ぎ「過期産」となっても自然陣痛がこない場合(誘発剤を使っての予定誘発分娩となります)
・妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病といった合併症がありより早く分娩したい場合(誘発剤を使っての誘発分娩となります)
・前期破水したのに陣痛がこない場合(誘発剤を使っての誘発分娩となります)
・微弱陣痛が長く産婦さんの体力が持たない場合(促進剤を使って陣痛を強めます)
・破水後に陣痛が弱まり赤ちゃんが危険な場合(促進剤を使って陣痛を強めます)
・赤ちゃんの心肺が弱まるなどの予期せぬ事態が起きた場合(促進剤の投与か緊急帝王切開に切り替わる可能性があります)
分娩時に発覚する問題もないわけではありません。
その時にパニックを起こさず医師の指示を正しく理解し処置を受け入れられるように知識を備えておきましょう。
浣腸・座薬の使用
便が腸にたまっているとお産の時いきんだ勢いで便が出てしまうことがあります。
出てしまった場合は看護婦さんがさりげなく処理してくれますが、赤ちゃんが出てくる部分を汚してしまうと赤ちゃんが感染症を引き起こす可能性があるので浣腸や坐薬をつかって事前に排便を促されることが多いです。
また浣腸や坐薬により腸の動きが良くなるので陣痛の促進に繋がることもあります。
必ず浣腸や坐薬を分娩前に行う病産院から使わない方針の病産院など方針は異なりますので事前に確認しておくと良いでしょう。
子宮口を広げるための処置
陣痛が来ていても子宮口がかたかったり、産道の伸びが悪いとお産が長引き母体も赤ちゃんも体力だけをどんどん奪われてしまいます。
その場合は医療器具を使って子宮口を広げる処置を行うことがあります。
また、予定誘発分娩の場合は前日の夜から子宮口を広げる処置を行います。
処置は病産院により種類が異なりますので代表的なものを以下にまとめておきます。
・ラミナリアかん・ラミセル
海藻成分や化学繊維から作られた棒状の器具を子宮口に挿入し水分を吸収して膨張することで子宮口を押し広げる仕組みです。
・メトロイリンテル
子宮口に入れて徐々に風船のように膨らませることで子宮口を広げる仕組みの器具です。
いずれの器具も強い痛みが伴うことが多いようですが赤ちゃんと母体の安全のためですので使用意図やリスクを理解したうえで処置を受けるようにしましょう。
いかがでしたか?
必ずしも受ける処置ではありませんが必ずしも分娩がスムーズに進むという保障もないのが妊娠出産です。
いずれも医療スタッフが万全の管理体制で適正な処置を提案してくれますのできちんと内容を理解し冷静に受け入れられるようにしましょう。