妊娠中は、我が子といつでもどこでも一緒。一心同体のような、不思議な絆を育む時間になります。
そんな神秘的な期間には、ママも赤ちゃんもめまぐるしく変化していきます。長いようで短い妊娠生活の中で、体がどう変わっていくのか、どんなトラブルが起こるのか…それは大変個人差があるものです。
今回は、マイナートラブルを含めた代表的なトラブルとその対策をまとめてみました。
思わず掻きむしってしまいそう!体のかゆみ
妊娠中に、かゆみを感じるママは少なくないようです。
一番多いのは、お腹のかゆみ。お腹が大きくなるにつれて、気になってくる方もいるかもしれません。
もしかして、妊娠線ができる兆候なのかも?とまで思ってしまいますね。
また、お腹以外の部位でも同様にかゆみを感じるママもいるそうです。
ひどい時は、かゆみで眠れなかったり、つい掻きむしってしまったりすることも。
これは、妊娠性掻痒というものがあるそうで、特に珍しいことではないようです。
掻き過ぎて傷がついてしまうのは良くないので、なるべく掻かないようにするのはもちろんですが、保湿クリームを塗ったり、こまめにシャワーを浴びたりすると良いでしょう。
また、肌に触れる下着にも気を配ることです。
あまりに耐えられないかゆみであれば、すぐにお医者さんに相談しましょう。
油断大敵!妊娠中のむくみ
初期の頃からむくみが出るママもいるかもしれませんが、臨月に入ってからいきなりむくみが出てくるケースもあります。
かつて「妊娠中毒症」に気をつけましょうと妊婦さんは言われていました。現在は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれ、むくみは診断項目から外れてはいるそうですが、気を付ける症状という事に変わりはないでしょう。実際に、むくみは健診時にチェックされます。
一度むくみが重症化すると、マッサージしたり、足を上げて寝てもあまり効果が期待できなくなってしまいます。
塩分を控える、足をなるべく高くするなど、日常的なちょっとした積み重ねで予防できる可能性があるので、油断せず実践していきましょう。
関係ないと思いがちな口内のトラブル
妊娠中は分泌されるホルモンが変わり、それによって体の中では自分の想像以上にめまぐるしく、そして細かな部分まで変化しています。
唾液もまたその一つであるようです。
唾液は、口の中のごみを掃除してくれるという重要な役割も担っています。唾液が変化することによって、口臭が気になるようになったり、虫歯になりやすくなったりします。
初期の頃は、つわりによって歯磨きが辛くなるママもいるようで、そこにも原因のある場合があるようです。
虫歯になったら、もちろんそれそのものが辛いという事もありますが、治療も妊娠中には辛いものです。
また、麻酔や痛み止めなど、影響がないのかどうか神経質になってしまいがちです。
歯医者さんにかかる時には、妊娠中である事を相談するなどして、不安を解消する必要があります。それでも不安であれば、産後に治療する事を検討するか、恥ずかしがらず産科に相談しましょう。
動くのも寝るのも億劫に…つらい腰痛
妊娠中に腰痛に悩まされる人は本当に多いと思います。妊娠を機に元々あった腰痛が悪化した…という場合もあるでしょう。
腰痛も、やはりホルモンの変化に原因があるようです。
出産するための準備がママの体の中では行われています。赤ちゃんが骨盤をスムーズに通れるように、靭帯や関節が緩むそうです。それを腰がカバーしようと頑張るので、腰痛が発生すると言われています。
もちろん、姿勢による影響も考えられます。お腹が大きくなるにつれて、重心が変化するため姿勢も変わってしまいます。
元々大きなお腹に圧迫されていますが、特に寝る時に、お腹の重みが背中や腰に直接のしかかってしまい、それによる痛みも起こるでしょう。
運動の制限などがなければマタニティーヨガや腰痛体操(四つん這いのポーズなど)は効果的です。
また、寝る時はシムスの体位(左右どちらかを下に寝て、上になった足の膝を曲げる)になったり、体を温めて緊張している筋肉をほぐしてあげたりすると良いです。
知っていますか?切迫流産・早産
少し恐ろしい言葉の響きですが、読んで字のごとく、流産もしくは早産の一歩手前の(切迫している)状態の事です。診断を受けたら、指示に従って治療する事になります。
流産と早産の分かれ目は22週です。22週までというのは、赤ちゃんがお腹の外で生きていけないとされる週数だそうです。
診断を受けたら、あるいは受けたと想像したらゾッとするかもしれません。でも、必要以上に悩んだり怖がったりしないで下さい。ストレスは妊婦の敵です。
筆者も診断を受け、入院治療を受けたうちの一人ですが、元気な赤ちゃんを産む事ができました。
もちろん、治療している当人は辛いものです。入院で絶対安静となる方もいれば、内服薬を貰い自宅安静となる方までさまざまです。誰が、どの状況が一番辛いという事はありません。
ただでさえデリケートな時期ですし、お腹の中の命への愛情や、責任感で押しつぶされそうになるでしょう。また、辛い治療で孤独を感じるママもいるかもしれません。
不安な腹痛やおりもの、出血があったら「もし何でもなかったら恥ずかしい…」と思わず、産科に相談してみましょう。これに限らず、様々な妊娠中のトラブル、分娩に関する事でも何でも同じです。
心の悩みも含めて、相談しやすい病院選びというのも重要ですよ!